倉本歯科医院|歯内療法専門医による精密根管治療|東京都

歯内療法専門医によるマイクロスコープ、歯科用CTを使用した精密根管治療を実施しております。

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2022年11月の記事:ブログ

歯の内部に穴が開いている場合  ~歯を残すことが出来るのか~

今回は歯の内部に穴が開くこと“穿孔”について書いていきたいと思います。
 
根管治療は歯の内部の感染の除去、および再感染の防止を目的に行われています。
穿孔を起こすことにより歯の内部の感染がそこから周囲の組織に拡がったり、逆に歯の外側から細菌の侵入を許したり、または歯の耐久性を低下させることが懸念されています。
一昔前だと穿孔が起きた時点で抜歯になると言われており、それは歯内療法専門医以外の術者の治療では今もさほど変わりない考えです。
穿孔に対する治療法としてMTAという歯科用の材料を使用するということは歯科医の中では広く知られてきていますが、MTAを使用すれば全ての穿孔が治癒に導けるかというとそうではありません。
 
ここで一つの研究を紹介致します。
穿孔部位をMTAで封鎖して、その後14年間経過観察を行い、その治療効果を調べた研究です。
この研究では約93%で治癒が認められ、MTAの使用が穿孔部位の封鎖に効果的だということが再確認できましたが、ここで重要なのが治癒しなかった残りの7%です。
ここで述べられている治癒に導くことができない要因として、穿孔のサイズや部位が挙げられています。
穿孔のサイズが3mmより大きい場合や穿孔部位が歯周ポケットと交通していたり、より歯の上の方の部位の場合は再発したり治癒しないリスクが挙げると述べています。
術前にレントゲン写真やCT画像で確認できる場合もありますが、術中に穿孔を認める場合もあります。
重要なのが、それが治癒に導くことができる可能性が高いのかどうかです。
治療前や治療中でも起こっている情報を患者さんと共有していき今後の治療方針を決定していきます。
予後が悪いことが予想される場合は次の治療の一手に進んだ方が得策な場合もあります。
それは患者さんの考え方によって変わってきますので、こちらから考えを押し付けることは致しません。
もちろん、歯の内部に穴が開いているから抜いた方がよいと言われた場合でも救える可能性がある歯については全力を尽くしますので、まずはご相談ください。
 
豊島区池袋の倉本歯科医院では歯内療法専門医による根管治療を行っております。
お悩みの歯がありましたら、ご相談ください。
https://kuramotodc-ikebukuro.com/reservation.html
2022年11月30日 13:10

根管治療の適用、非適用④  ~ガイドラインに基づいた判断~

今回も引き続き根管治療の適用、非適用について書いていきたいと思います。
 
前回までは、”機能させることも修復させることもできない歯”、”歯周組織の支持が不十分な歯”は根管治療の非適用であると述べていますが、今回は”予後不良の歯、非協力的な患者、または歯科治療の手順を実行できない患者”について書いていきます。
今回のテーマの内の”予後不良の歯”というのは”機能させることも修復することもできない歯”と被っている部分もありますが、ざっくり言うと”治る見込みのない歯”ということになります。
根管治療をしても治癒に導けない状況として、代表的な例は歯根破折している歯です。
歯根破折とは歯根に垂直性のヒビが入ってしまうことで、ヒビと聞くと骨にヒビが入るくらいのイメージを持たれる方もいらっしゃるかと思いますが、骨とは違い歯には自己修復機能はなく僅かなヒビでも致命的となってしまいます。
歯根にヒビが入ったり、割れていても極論を言うと日常生活に支障なく食事の際に使用する(しっかり噛める)ことが出来れば問題ないと私は考えます。
それでは何が問題となるかというと、ヒビ(破折線)に細菌が感染することが最大の問題点となります。
歯根に入るヒビは髪の毛一本程度の大きさでも致命的となります。それはそのヒビの大きさでも細菌が侵入するには十分な大きさだからです。
更に歯根に入ったヒビが口の中と交通することで予後は完全に不良と判断されます。
根管治療をすることで一時的に(治療の際中のみ)感染の除去は可能かもしれません。しかし、治療の合間や治療後にヒビから細菌が絶えず侵入することで焼け石に水状態となってしまいます。
さらに現代の歯科医療の技術ではヒビを完全に修復することは困難とされています。不可能と書かない理由として歯根破折している歯を治癒に導けたという報告を多数耳にするからです。
専門医は論文などでしっかりと科学的に実証された研究やデータを基に治療法を選択しています。それらの積み重ねがガイドラインとして一般的な治療法として確立していきます。
治癒に導くことが科学的に保証されていない治療法を選択する場合、患者さんの強い希望がない限りは行わないのが現状です。
その一時良くなっても、時間が経って再発するリスクが限りなく高いからです。
もちろん、患者さんの考えからは人それぞれですので、よくよく相談した上で治療法は決定していきます。それは術中の状況も逐一説明して決定していきます。
術前に予後が悪いことが予想される歯や、術中に予後が悪くなる所見が発見されてしまった歯などは十分な説明、相談が必要不可欠と考えます。
その為にも現状で起きている事象をしっかりと把握できる環境で治療を進めることが何より大事であり、それが出来るのが歯内療法専門医での治療と考えています。
まずはご相談ください。
 
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2022年11月25日 13:00

根管治療の適用、非適用③  ~ガイドラインに基づいた判断~

今回も根管治療の適用、非適用について書いていきたいと思います。
 
根管治療を成功に導く上で、治療による効果がある歯なのかどうか診断することは根管治療における最も重要な事の一つと考えております。
前回は根管治療の非適用となる”機能させることも修復することもできない歯”について書きましたが、今回は”歯周組織の支持が不十分な歯”について書いていきます。
 
根管治療は歯内療法の領域の一つであり、歯内療法とは読んで字の如く、歯の内側の治療を指します。
歯は硬い硬組織で構成されており、その内側に存在する根管や象牙質が感染すると歯ではなく歯の周りの組織に悪影響を与えて”痛み”や”腫れ”の原因となります。
根管治療とは歯の内側の感染を除去することで歯そのものを保存したり、歯の周囲の組織の治癒を目的の一つとしています。
そこで今回のテーマである”歯周組織の支持が不十分な歯”ですが、ざっくり言うと歯周病が進行して歯の周囲の骨が減っている状態のことを指します。
根管治療が歯の内側の治療に対して、歯周病とは歯の外側(歯根表面)が細菌に感染することで進行します。
根管治療が必要となる歯については患者さんご自身での予防は中々困難を極めますが、歯周病は患者さんご自身のセルフケアが最も重要となります。
歯科医院で何カ月かに一度のメインテナンスを実施していても、日々のセルフケアが疎かであったり清掃のポイントがズレていたりすると歯周病は進行してしまいます。
虫歯などとは異なり、歯周病は進行することで歯がまったくの無傷な状態でも歯周病の進行度合いによっては歯が抜けてしまう恐ろしい疾患です。
最近では歯周病治療における材料や術者の技術の進歩、歯周病予防の啓蒙の甲斐あって救える範囲も拡大していますが、それでも手遅れにならないように定期的な歯科医院によるメインテナンスが重要なのです。
ここまで書いたことをまとめることで”歯周組織の支持が不十分な歯”が根管治療の非適用となる理由が見えてきます。
つまり、歯の内側の感染を除去して歯を治療しても、歯の外側の組織が細菌感染に侵されることで根管治療自体が成功しても歯周病が原因で歯を抜歯せざるを得ない状況のことを指しています。
 
歯一本を何とか保存したいと考えておられる方は日々のメインテナンスもしっかりされている方が多いというのが私個人的な感想ですので、根管治療専門で治療を行っていると重度の歯周病で治療が非適用となる状況は少ないように感じます。
しかし、歯周病と根の先の膿が合併しているような状況に遭遇することも少なくありません。
そのようなケースはまずは根管治療を行い、歯の内側の感染を除去した後に歯周病治療を進めていくのが治療のセオリーとなります。
歯周病治療を進めていく上で根管治療が必要と言われた場合も根管治療は歯内療法専門医による精密な根管治療をお勧めいたします。
根管治療の精度によってその後の歯周病治療で歯が保存できるかどうかが左右されると言っても過言ではないと思います。
まずはご相談ください。
 
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2022年11月24日 13:10

根管治療の適用、非適用②  ~ガイドラインに基づいた判断~

今回も前回と引き続き根管治療の適用と非適用について書いていきたいと思います。
 
根管治療の適用に関しては前回記載致しましたので、今回は根管治療の非適用の歯について書いていこうと思います。
 
ヨーロッパ歯内療法学会のガイドラインを引用すると、根管治療の非適用となる歯は
 
・機能させることも修復することもできない歯
・歯周組織の支持が不十分な歯
・予後不良の歯、非協力的な患者、または歯科治療の手順を実行できない患者
・合理的な期間内に改善できない口腔状態の悪い患者の歯

 
このように記載されています。
一つ目の”機能させることも修復することもできない歯”というのは、根管治療が終了した後に被せ物や詰め物の処置を行うことが出来ず、噛ませることが出来ない歯を指しています。
根管治療が終了した後、被せ物の処置を行い口の中で機能させる為にはある程度のご自身の残っている歯の量が重要となってきます。
被せ物が取れた状態を長く放置したり、虫歯を長い間放置したり、治療途中で歯科医院への通院が途絶えてしまった際などに、次見た時には最終的な修復が不可能な状態となっているというケースを数多く見てきました。
身体の中でも歯は失われてしまったら二度と元には戻らない組織の一つです。
上記のように歯に何らかの異常を感じた際はまずは歯科医院の受診をお勧めいたします。
症状がなくても気になるようなら歯科医師に診てもらうことで治療が今すぐに必要な状態かどうか診断してもらうことが重要です。
その先で、根管治療が必要となる治療手順となる場合は歯内療法専門医による根管治療をお勧めいたします。
被せ物が取れてしまった歯や虫歯が大きく進行している歯などは肉眼では見えない異常が存在している場合もあり、場合によっては保存が不可能な状態かもしれません。
その異常を見落としてしまうと、治療が一通り終わった後に異常部分が原因で症状が出て再治療となってしまったり、または治療が長期間に及んでしまうリスクがあります。
最初の治療で悪い要因を洗い出し、それを潰していくことで、その歯が再治療が必要となる状況を回避できると考えています。
何事も最初が肝心なのです。
根管治療をした歯に関して、今後治療が必要でなくなることをゼロにするのは不可能ですが、それを限りなくゼロに近づけられるよう努めております。
 
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2022年11月21日 13:30

根管治療の適用、非適用①  ~ガイドラインに基づいた判断~

今回は根管治療の適用となる状況について書いていきたいと思います。
 
根管治療だけではなく、”治療”は機能的または審美的に重要で、かつ予後が妥当な歯に対して計画する必要があるということがヨーロッパの歯内療法学会のガイドラインに記されています。
機能的にかつ審美的に修復でき、そして予知性のある歯かどうかを根管治療に取り掛かる前に診断しないといけません。
具体的にガイドラインにはどのように記載されているのか見ていきましょう。
 
根管治療の適用
・根尖性歯周炎の臨床的および放射線学的所見の有無に関わらず、不可逆的損傷または壊死した歯髄
→ざっくり言うと、”歯の神経の炎症が強すぎて元には戻らない状態あるいは歯の神経が完全に死んでしまっている”ということです。
 
・補綴処置の作製前にポストスペースを提供するため、修復処置前の疑わしい歯髄の状態、歯根切除または片側切除の前に歯髄が露出する可能性がある歯など
→これもざっくり言うと、”入れ歯を作ったり、被せ物を入れたりするために歯の神経を取らざるを得ない状況の場合や、歯周病や歯根破折などで歯根の半分がダメになってしまった歯を保存する状況”のことを言っています。
 
・根管内の充填が不十分で、根尖性歯周炎および症状の発生または持続の放射線学的所見を伴う歯
→根の中の詰め物の詰め具合が不十分で、レントゲン写真で根の周囲に問題を認める歯のことです。
 
・補綴修復に交換が必要や、または歯冠部を漂白する場合に根管充填が不十分な歯
→被せ物や詰め物をやり変える際や歯を内部から漂白する際に、以前の根管治療が不十分な歯のことです。
 
根管治療の適用となるとこのような文言となります。
 
”痛い”や”腫れた”などの症状がある歯に根管治療が必要となる状況は容易に想像がつくかもしれませんが、被せ物を新たに作る為・被せ物をやり変える為となるとあまり馴染みがないかもしれません。
根管治療とは基礎工事と同じで、上物を作る際ややり変える際には必要となる手順なのです。
もちろん、必要ないケースも多々あります。
根管治療は歯内療法専門医で行うことで、その後の被せ物や入れ歯を作った後や、新たに被せ物を作った後で何か起こるリスクを最小限にすることが出来ます。
ここを疎かにしてしまうことで一から根管治療からやり直しになるか、歯の状態によっては抜歯となってしまうケースもあります。
症状がない状況や、特別な歯のケースでなくても、根管治療を行う際は歯内療法専門医による治療をお勧めしております。
 
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2022年11月18日 13:40

矯正治療による影響  ~歯の神経を取っているとどうなるか~

今回は根管治療歯の矯正治療による影響について書いていきたいと思います。
 
矯正治療は歯に適度な力を加えることによって、歯の周囲の骨の吸収と添加を繰り返して歯が移動します。
矯正治療の力が加わることによって、骨だけでなく歯根が吸収してしまうことがあります。
今回紹介する研究では、根管治療をしてある歯(歯の神経を取ってある歯)と歯の神経が残っている歯で歯根表面の表面積や体積に違いがあるかどうか調査した研究となります。
 
矯正治療の前後にCBCTを撮像して歯根表面の表面積と体積を測定して比較しています。
結果は、根管治療歯の矯正治療後の表面積の平均変化率は2.09%で、根管治療をしていない歯は3.38%でした。また根管治療歯の体積の平均変化率は2.62%で、根管治療をしていない歯は4.10%でした。
この研究の結果から、根管治療歯は矯正治療後の歯根吸収の影響を受けにくいことを示唆しています。
根管治療をしていない歯、つまり歯の神経が残っている歯の方が細胞の種類が豊富なことから様々な影響を受けやすいことが推察されます。
矯正治療の力によって知らず知らずの内に歯の神経が死んでしまっている場合もあります。
矯正治療直後の場合、歯髄検査に反応がなくても一過性の仮死状態になっている場合もあるために早期に治療介入することはお勧めできません。
その後の経過を追うことによって、仮死状態から歯の神経が復活するケースも多く見られます。
 
矯正治療を行う前の検査で根の周りに病変を認め根管治療が必要と矯正専門医が判断した場合は、歯内療法専門医による根管治療をお勧めいたします。
矯正治療前にしっかりと治療することによって、矯正治療中や治療後に再発するリスクを下げることができると考えております。
 
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2022年11月09日 13:30

歯根周囲の膿の拡がり  ~日々のストレスの影響は?~

今回は根尖病変による骨吸収について書いていきたいと思います。
 
歯髄(歯の神経)が失活すると歯髄内の免疫細胞等の防御機構が働かなくなる関係で根管内が感染を起こします。
これは以前の治療で歯の神経を取った歯も同様です。
根管内が細菌感染を起こすと、その反応として歯根周囲の骨が吸収され膿が溜まる状態となります。
そのような状況の場合、治療法としては根管治療と抜歯が選択肢として挙げられます。
 
今回はこのように根尖病変による骨吸収が日々のストレスによって影響を生じるかどうかを研究した報告を簡単に紹介したいと思います。
この研究はヒトではなく、ラットを用いたIn Vivoの研究となります。
ラットの歯に根尖病変を誘発させ、母体分離によってラットに日々のストレスを与えました。
これらは対照群とそれぞれ比較されました。
結果としては、根尖病変を誘発させたのみの群と比較して、根尖病変を誘発させ日々のストレスを与えられた群は有意に炎症性浸潤の強度が大きく、骨吸収の大きさも有意に大きかったと述べています。
このことから根尖病変を有している歯に対しては、日々のストレスが骨吸収の大きさに関係していることが推察されます。
生体はストレスを感じると細胞レベルで影響が出てきます。それは自分では気づかないレベルの影響です。
 
日々の生活をストレスなく過ごすことは困難かと思われます。
根尖病変は無症状の内に生じて、無症状の内に進行していることが多いです。
したがって、定期的な歯科医院による検診が重要となります。
ご自身のお口の中の状態を知っているのと知らないのとでは大きな違いがあります。
レントゲン写真で根尖病変を認めても無症状の為、経過観察とする場合もありますが、時間が経ってから根尖病変の拡大を認める場合は治療介入をするべきかどうかの相談をする必要があります。
 
定期的な検診はお近くの通いやすい歯科医院をお勧め致しますが、根管治療が必要な場合は歯内療法専門医による治療をお勧め致します。そうすることでご自身の歯を長く持たせられる可能性が高まると考えております。
 
豊島区池袋の倉本歯科医院では歯内療法専門医による根管治療を行っております。
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2022年11月04日 13:00

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