倉本歯科医院|歯内療法専門医による精密根管治療|東京都

歯内療法専門医によるマイクロスコープ、歯科用CTを使用した精密根管治療を実施しております。

HOMEブログページ ≫ 2023年 ≫

2023年の記事:ブログ

世界的に見た歯内療法の実践、テクノロジーの導入

興味深い論文を見つけたので、紹介したいと思います。
オーストラリア、ニュージーランド、イギリス、イタリア、カナダ、アメリカの歯内療法学会会員に対するWeb調査に関する研究です。
歯科用顕微鏡(マイクロスコープ)、NiTiロータリーファイル、電気的根管長測定器、コーンビームCT(CBCT)、ケイ酸カルシウムベースの材料、ラバーダム防湿などを使用しているかどうかのアンケート調査です。
マイクロスコープを使用しているとした回答者は91.3%、NiTiロータリーファイルは97.6%、電気的根管長測定器は93.0%、コーンビームCTは91.2%、ケイ酸カルシウムベースの材料は93.7%、ラバーダム防湿は99.1%でした。
どれも歯内療法専門医(根管治療専門医)にとって欠かすことの出来ない器具や材料ですので、使用していると回答している割合はどれも9割を超えています。
特にラバーダム防湿に関しては99%が使用していると回答している事を考えると、根管治療を含む歯内療法を扱う専門医にとって如何になくてはならないものだという事が分かります。
この研究は各国の歯内療法専門医に対してアンケート調査しているので使用率が99%を超えていますが、一般の歯科医師も含めると違った結果となる事が予想されます。
この調査には含まれていない日本も同様の事が言えると思います。
 
歯内療法の分野は近年、様々な器具や材料、術式が紹介され続け活性化していますが、感染制御された環境で行うといった大前提は世界的に見ても統一されています。
 
根管治療は一般歯科医療の中でも日常的に遭遇することが多い分野ですが、だからこそ専門医による治療が必要であると考えられます。
根管治療を含む歯内療法治療は専門医を受診することをお勧め致します。
 
豊島区池袋の倉本歯科医院では歯内療法専門医による根管治療を行っております。
お悩みの歯がありましたら、ご相談ください。
https://kuramotodc-ikebukuro.com/reservation.html
2023年10月13日 13:10

外科的根管治療を受けた歯の生存率 ~スウェーデンにおける研究~

今回は外科的根管治療を受けた歯の生存率についての研究を紹介したいと思います。
外科的根管治療は通法の根管治療で治癒しない場合や、根尖周囲に問題がある場合、根尖へのアプローチが困難な場合、患者さんの希望など様々な理由により選択されます。
 
今回紹介する研究はスウェーデンの社会保険庁のデータベースを検索して一年間にスウェーデンで行われた外科的根管治療全ての歯を同定したと記載されています。
そこから最長12年間データベースを追跡して外科的根管治療が行われた歯の生存率を調査しています。
この論文における生存率とは口の中に残存している事を指していますので、口の中に残っているか、抜歯されたかの2択です。
今回対象となった歯は5622本でその内55%が女性でした。また、外科的根管治療が行われた際の平均年齢は60.5歳でした。
結果として、5622本の歯のうち、1915本(34.1%)が抜歯されたと報告されています。
観察機関中に5622人中776人(13.8%)が死亡したそうです。
この研究の欠点として、データベースの結果のみ調査をしていることから、臨床データやレントゲン画像を調査出来ない点です。
外科的根管治療が行われた歯の術前がどのような状態であったのか、抜歯に至った理由等は不明のままです。
また、スウェーデンのシステムの事までは分かりませんが、一般臨床歯科医師と歯内療法専門医が混在しているデータであると推察できます。
また、外科的根管治療を受けている平均年齢があまりにも高い(60.5歳)のも気になる点です。
筆者は、その理由としてスウェーデン国民の口腔健康状態が比較的良好であると考えているため、根管治療ひいては外科的根管治療が後年になってから行われた為であろうと述べています。
したがって、若年層を追跡調査した研究を行った場合との比較研究の解釈には注意が必要と述べています。
加えて、13.8%の人が歯を残したまま死亡していることから、外科的根管治療によって、晩年に必要となったかもしれない補綴物の交換やインプラント治療といった高価な治療を回避できたと述べています。
今回の研究における外科的根管治療後10数年の歯の生存率は約75%でした。
 
豊島区池袋の倉本歯科医院では歯内療法専門医による根管治療を行っております。
お悩みの歯がございましたら、ご相談ください。
https://kuramotodc-ikebukuro.com/reservation.html
2023年09月28日 13:40

歯髄保存の材料による成功率の違い

今回は歯髄保存治療を行う上で避けては通れない材料による成功率の違いについて書いていきたいと思います。
歯髄保存治療を行う上で、何の材料を選択するのかは重要な要素の一つではありますが、それが全てではありません。
一般の歯科医師の中には歯髄保存治療を材料の違いが大きく関係しているという考え方を持った方も散見されます。
選択する材料の他にも考えるべき要素は多々あります。
例えば、歯根の状態、歯髄露出の原因、患者の年齢、歯髄の状態、修復材料の種類など様々です。
ここまでが大前提として、次に選択する材料について考えるのです。
 
今回は材料の違いで様々な論文を評価してレビューを書いている研究を紹介したいと思います。
最初の検索で1072件の研究がリストアップされ、その中から基準を満たした論文を抽出していきます。
最終的に16件の研究が今回のレビューに含まれました。
比較した材料は、ProRoot MTA、水酸化カルシウム、CEM、バイオデンティンの四種類です。
ProRoot MTAと水酸化カルシウムを比較した1年後の成功率の違いは、ProRoot MTA約89%、水酸化カルシウム約76%でした。
ProRoot MTAとCEMを比較した場合、ProRoot MTA約92%、CEM約89%。
ProRoot MTAとバイオデンティンを比較した場合、ProRoot MTA約91%、バイオデンティン約91%でした。
歯髄切断術に上記の材料を選択した場合の12カ月の成功率は上記に記した通りです。
可逆性または不可逆性の歯髄炎を患っている永久歯の治療における材料の選択をする上で今回の研究で有効であることが実証されました。
しかし、レビューを行っている論文間のバイアスなどを考慮すると全ての情報を鵜呑みにするのは慎重になった方がよいと筆者は述べています。
 
先にも述べた通り、選択する材料の違いを考えることは重要ですが、それが全てではありません。
歯髄保存治療は簡単に言うと虫歯治療です。
どこの歯科医院でも日常的に行われている治療ですが、考慮することは意外と多いのです。
歯の神経に近いような大きな虫歯の場合はもちろんのこと、削ってみるとレントゲン写真で考えていたより深い虫歯だったなんてことも珍しくありません。
そのような場合を考えると、最初の時点で歯内療法専門医による診査、診断、治療をお勧め致します。
 
豊島区池袋の倉本歯科医院では歯内療法専門医による歯髄保存治療、根管治療を行っております。
お悩みの歯がありましたら、ご相談ください。
https://kuramotodc-ikebukuro.com/reservation.html
2023年08月21日 13:32

日本歯内療法学会学術大会に参加してきました。

IMG_9725
2023年7月8~9日に日本歯内療法学会の第44回学術大会が開催され、4年ぶりの参加型の学会なので参加致しました。
開催場所は歯学部で6年間お世話になった昭和大学ということもあり、懐かしさを感じながら赴きました。
会場自体は私が昭和大学に在籍していた時にはなかった建物でしたので、ものすごく新鮮でした。

ここ数年は新型コロナウイルス感染症の影響もありオンライン上での学会開催のみでしたので講演や発表だけを拝見しそれで終了していましたが、久々の対面式で多くの先生方とお会いでき、活発な意見交換も出でき、これも学会の醍醐味だなと実感できました。
新しい見識を得られたり、大学院の後輩の研究発表を見られたりと実りの多い学会参加でした。
今後も学会等に参加し、より自分の見識を広げられるよう努めようと改めて思った次第です。

豊島区池袋の倉本歯科医院では歯内療法専門医による根管治療を行っております。
お悩みの歯がありましたら、ご相談ください。
https://kuramotodc-ikebukuro.com/reservation.html
2023年07月13日 13:30

窩洞を小さくすると咀嚼による歯の耐久はどうなるか

今回は窩洞の大きさの違いによる根管治療後の歯の耐性を咀嚼シミュレーターを用いて調査した研究を紹介したいと思います。
 
根管治療を行う為には、根管にアクセスするための窩洞を形成する必要が絶対にあります。
この窩洞の形成の仕方でその後の根管治療における器具操作、視認性などが大きく影響を受ける為、根管治療の最初の一歩としてかなり重要な項目です。
しかし、この窩洞を大きくすればするほど根管治療のやりやすさは向上しますが、治療後の歯の耐久性が落ちると発表している研究が多々あります。
その為、我々歯内療法専門医は根管治療のやりやすさと歯の耐久性を天秤にかけながら窩洞形成を行っております。
近年、その窩洞を極端に小さくし根管治療を行う手法が海外で度々散見されます。
 
ここから紹介する研究についてですが、この極端に窩洞を小さくした手法をCEC(Contracted Endodontic Cavities)と表し、これまでの窩洞形成をTEC(Traditional Endodontic Cavities)と表し紹介していきます。
ヒトから抽出した抜去歯を用いた研究で、虫歯、摩耗、修復物、亀裂のない無傷の歯が選択されました。
咀嚼シミュレーターでは1年間の咀嚼回数に相当する240,000咀嚼サイクルがシミュレートされたと記されています。
その後、破壊までの荷重を記録しています。
結果として、CEC群はTEC群と比較して破壊耐性は数値上高かったが、その差は統計的に有意ではなかったとのことです。
また、何も処置をしていない対照群と両者を比較すると、対照群の破壊耐性は実験群のサインプルより統計的に有意に高かったと記しています。
 
統計的に有意に差が出ていない以上、積極的にCECのような窩洞形成を選択する必要は現段階ではないと考えられます。
そもそも、CECのような窩洞は歯を垂直方向から視認できることが重要となり、それは顎の大きさや開口量に大きく依存します。
論文として調査されていることが多い欧米人と比べて、日本人では上記を理由にCECを行うことが不可能なケースが多々あります。
したがって、優先されるべき項目は根管治療をしっかりと行うことができる窩洞かどうかに尽きると考えます。
その結果、窩洞が小さくできればそれに越したことはありませんが、それが目的となってはいけないことを念頭に置いておく必要があります。
 
豊島区池袋の倉本歯科医院では歯内療法専門医による根管治療を行っております。
お悩みの歯がありましたら、ご相談ください。
https://kuramotodc-ikebukuro.com/reservation.html
2023年07月07日 13:10

根管洗浄の重要性 ~LAの効果を調査した研究から得られること~

今回は根管洗浄の重要性を再認識させられる興味深い研究が発表されたので紹介したいと思います。
根管治療の目的の一つである細菌の除去は機械的清掃と化学的清掃の二つの組み合わせによって最大の効果を発揮します。
機械的清掃とは歯内療法用器具を用いて根管内を機械的に切削して感染歯髄および感染象牙質を除去することを目的としています。
化学的清掃とは消毒液を用いて根管内のデブリ(汚れ)を洗い流したり、機械的清掃が出来ない根管内の箇所を消毒することを目的としています。
 
今回紹介する研究は、機械的清掃に含まれる根管形成前と根管形成後の細菌コロニー数を比較し、更に根管形成後にLA(Laser ablation)を用いて根管洗浄した後の細菌コロニー数を計測した研究です。
結果として、細く根管形成した根管内の細菌数は太く根管形成した群より細菌数減少は少なく、細い太いに関わらず根管形成した群全てで根管形成する前より有意に細菌数の減少を認めたとのことです。
根管形成後にLAによって根管洗浄した群でも洗浄前と比較すると全ての群で細菌数の減少を認めました。
洗浄剤として、根管治療で一般的に使用される次亜塩素酸ナトリウム溶液と殺菌効果のない生理食塩水を比較もしていますが、次亜塩素酸ナトリウム溶液を使用した群の方が生理食塩水を使用した群よりも約2倍細菌の減少効果を認めました。
 
根管形成をして根管内を機械的に清掃することに重きを置く風潮が一般の歯科医師の間で散見されます。
根管形成後や根管形成中の根管洗浄に重きを置いて紹介しているトピックは少ないと言えます。
根管洗浄の重要性を重々理解して根管治療に当たることが、より根管治療の成功率を上げる一歩だと考えます。
 
治療を受けている患者さんはどのように根管形成をして、どのように根管洗浄をしているのかは分かりません。
なので、根管治療は歯内療法専門医による治療をお勧めしております。
 
豊島区池袋の倉本歯科医院では歯内療法専門医による根管治療を行っております。
お悩みの歯がありましたら、ご相談ください。
https://kuramotodc-ikebukuro.com/reservation.html
2023年06月30日 13:10

Cryotherapy ~冷やすと術後の痛みが軽減する?~

今回はCryotherapy(凍結療法)について書いていきたいと思います。
凍結療法は、冷やすことで組織温度を下げ、術後の疼痛、腫脹、浮腫を管理することを目的としています。
臨床研究では、凍結療法が急性筋骨格系疼痛、筋痙攣、結合組織緊張、術後疼痛、出血を軽減すると報告されています。
それは、血管構造、神経構造、組織代謝の変化を通じて作用すると考えられています。
適切に根管治療を行った後でも、患者は様々な程度の痛みを感じることがあり、ある研究によるとそれは最大53%に達すると報告しています。
歯内療法領域における凍結療法は2015年にin Vitro研究によって導入されています。
その報告によると、根管内に冷たい生理食塩水を5分間灌流させることで、歯根の外表面の温度低下が達成され、それは4分間維持されることを示しています。
また、2018年に報告された研究では、特に壊死歯髄や症候性根尖性歯周炎のある歯では、術後の痛みと鎮痛剤摂取の軽減に関連していると示されています。
しかし、この手法の有効性についてはより研究を重ねていく必要があることも示されており、発展途中の手技ということを覚えておかなければなりません。
 
ここで最近発表された根管治療における凍結療法についてサイトカインレベルを調査した研究がありましたので紹介したいと思います。
簡単に言うと、凍結療法を行った群と行なわずに通法の洗浄手順を実施した群(対照群)の根尖孔外の浸出液や血液、化膿性分泌物中のサイトカインレベルを調べて術後疼痛との関連を調査した研究です。
結果から言うと、凍結療法を実施した群では術後疼痛を訴えたり、鎮痛剤を摂取した患者の割合が少なかったことを示しています。
また、対象群では初回治療時と比較して2回目の治療時にはIL-1β、IL-2、IL-6の発現量が増加していたのに対して、凍結療法を実施した群ではそれらの値の上昇は認めませんでした。
今回の研究ではこのような結果が示されていますが、著者らは更なる追加の研究が必要であると述べており、この結果だけでは術後疼痛との因果関係を特定するのは困難です。
 
この凍結療法については、現状では数多くある治療法や手技の中の一つのオプション程度の認識でいいと思いますが、今後研究を重ねることによって、治療プロトコールに必須の手順となる未来もあるかもしれません。
この手の追加の研究発表があった際は紹介したいと思います。
 
豊島区池袋の倉本歯科医院では歯内療法専門医による根管治療を行っております。
お悩みの歯がありましたら、ご相談ください。
https://kuramotodc-ikebukuro.com/reservation.html
2023年06月02日 13:30

根管治療による歯の耐久性の変化  ~神経を取ると歯が脆くなる?~

今回は根管治療を行うことによる歯の耐久性について書いていきたいと思います。
昔から歯の神経(歯髄)を取ると歯が脆くなるとまことしやかに語られていますが、これは間違いです。
結論から言うと、歯髄を除去すると歯が脆くなるのではなく、歯髄を除去する為に噛む面(咬合面)から根管にアプローチするための穴を開けることによって歯の耐久性が低下します。
以前の考えの元なる研究は、抜歯となった歯を調査したところ根管治療を行っていた歯が多かったために、そのような考えが広まったと考えられます。
 
ここで、一つの研究を紹介したいと思います。
根管治療を行う上で、根管にアプローチをするためには根管の入り口(根管口)を直線的に明示できるようにすることと教わりますし、これは実際正しいです。
しかし、近年海外では最低限度の切削で根管にアプローチをするConservative access cavity(CAC)という考えがあります。
利点としては切削量が少なくなるので、歯の耐久性の低下を極力防ぐことが出来るとのことです。
今回の研究はこのCACと通常行われる方法(Traditional access cavity(TAC))とを異なるNiTiファイルを用いて根管形成を行い、その後の破壊耐性を調べた調査となります。
TACにて根管形成した群では破壊時垂直荷重は①16.41kg②21.60kgで水平荷重では①13.13kg②17.28kgでした。対してCACにて根管形成した群の破壊時垂直荷重は①17.19kg②14.84kgで水平荷重は①13.75kg②11.87kgでした。
この結果よりCACにて根管治療の窩洞形成を行った方が歯の耐久性を低下させないことが分かります。
 
このことから全ての症例でCACを用いた方がいいのかと問われたらそれは否です。
CACは破壊耐性に対する面では優れている治療法ではありますが、感染の除去という面では脇が甘くなってしまいます。
これらを研究している実験では何も処置されていない歯を用いて研究されており、実際の診療場面では歯に虫歯があったり、既に被せ物を装着しているケースの方が圧倒的に多いです。
CACを目指すが故に感染の取り残しをして感染の除去を疎かにしてしまう方が、将来的な歯の耐久性が低下してしまいます。
CACのような方法もあり、それが歯の破壊耐性を従来の方法より高めることは知識として知っておき、そこからいかに感染や歯髄の取り残しを防ぐかを検討することが根管治療の成功率を高め、歯の生存率を高めるのに重要だと思います。
 
難しい症例だから歯内療法専門医による根管治療が必要というのもありますが、しかし単純な治療に見えて考えなければならないことは意外に多いというものです。
根管治療が必要だと診断された歯の治療に際しては、歯内療法専門医による治療を検討ください。
 
豊島区池袋の倉本歯科医院では歯内療法専門医による根管治療を行っております。
お悩みの歯がありましたら、ご相談ください。
https://kuramotodc-ikebukuro.com/reservation.html
2023年05月29日 13:40

歯の長期的な保存  ~長期的に歯を保存する為には~

今回は根管治療後の歯の長期的な成功率や生存率を調査した研究について紹介したいと思います。
ベルギーの歯科大学で1990年から2016年の間に一人の歯科医師によって歯内療法を受けた患者の歯について調査した研究です。
総数としては1,545人の患者が含まれており、その内1,063人が初回の治療で、1,437人が再治療であった。同一の患者で複数の歯で歯内療法を受けているのでこのような割合となっています。
0~25年の範囲で追跡調査を行い、完全なデータ収集は56.4%で達成されたとのことです。
25年もの長期にわたり治療した歯の経過を追えることは極めて稀で、この研究の重要性が理解できます。
 
結果として、治療成功は5年後に約85%、20年後に約60%とほぼ直線的に減少し、歯の保存に関しては、5年後に約90%、20年後に約50%となったとのことです。
また、根管治療した歯が失われる原因として、
51% 修復不可能な歯の破折
14% 補綴物(被せ物)の理由による
12% 歯内療法上の理由による
11% 歯周病の理由で
6%  修復不可能な虫歯の進行
との調査結果が得られました。
 
このことから、歯内療法にとって切っても切り離せないのが歯の破折ということが分かります。
術前、術中はもちろんのこと、術後長期にわたって歯の保存に関して影響を与えます。
また、補綴物や歯周病、虫歯といった要因により歯を失うことも示されています。
 
この調査研究から、歯の治療が成功して一度完了したからといって、その後のメインテナンスが疎かになると歯を失うリスクが上がることが読み取れます。
歯は自然治癒しない身体の構造の一つです。
また、失えば二度と元には戻りません。
その事を踏まえて日々の清掃やプロフェッショナルによる定期的なメインテナンスをしっかり行っていくことが大切なのです。
 
豊島区池袋の倉本歯科医院では歯内療法専門医による根管治療を行っております。
お悩みの歯がありましたら、ご相談ください。
https://kuramotodc-ikebukuro.com/reservation.html
2023年05月26日 13:40

Dr. Trabinejadセミナー

PANA4457

今回は私が受講したセミナーについて書いていきたいと思います。

以前も紹介致しましたが、私はMTA(Mineral trioxide aggregate )という材料をテーマに論文を書き海外の歯内療法系の雑誌に掲載されました。

今回受講したセミナーは、そのMTAの生みの親でもあるTrabinejad先生が講師を務められました。

自分の論文のテーマとなった材料を開発された先生のセミナーでしたのでとても楽しみにしておりましたが、新型コロナウイルス感染症の影響で来日できず申し込みをしてから4年越しの開催となりました。

今回のセミナーはMTAがメインではなく外科的歯内療法についてのセミナーでしたが、その外科的歯内療法にももちろんMTAは使用されます。

自分が教わった手技とは違う部分もあり、とても勉強になりました。

しかし、手技は多少違う部分はあれど、抑えるべきポイントや目指す方向性は一緒でしたので、改めて歯内療法という分野の面白みを再確認できたセミナーでした
Trabinejad先生にも論文の題材としてMTAをテーマに使わせていただいた事、またMTAを使用する者としてMTAの数多くの科学的裏付けの一端を担えた事への感謝を申し上げることが出来ました。

今回のセミナーで得たものを日々の診療に落とし込み患者さんの利益になれば幸いです。

倉本歯科医院では歯内療法専門医による根管治療を行っております。
お悩みの歯がありましたら、ご相談ください。
https://kuramotodc-ikebukuro.com/reservation.html

2023年05月22日 13:40

倉本歯科医院

〒170-0013
東京都豊島区東池袋3-7-4
倉本ビル2階

TEL 03-3590-0418
FAX 03-3590-0418

9:30〜13:00
14:30〜18:00

休診:土・日・祝日

モバイルサイト

倉本歯科医院スマホサイトQRコード

スマートフォンからのアクセスはこちら