ラバーダム防湿について
それがラバーダムです。
ラバーダムという単語を聞いた事がある方もいれば、聞いた事がない方もいると思います。
決して”最新の治療手技”という訳ではなく、約150年前から確立している手技なのです。
ゴムのシートに穴を開け、そこから治療する歯を出すことによって、口の中と治療する歯を隔離する為の道具です。
歯科は口の中にある歯を治療しているので、治療中の部位に唾液が曝露してしまうのはある程度仕方がないことです。
しかし、細菌感染に対する治療を行っている歯内療法に関しては、唾液中に存在する細菌に曝露されながら治療を行うことは本末転倒です。
私たちが歯内療法を最初に勉強する際、または学生などに指導する際には必ず伝えている事柄です。
ラバーダム防湿を行う利点は他にもあります。一つは“術野の確保”です。口の中での治療は頬っぺたや舌などが邪魔をして術野を確保するのが難しくなります。また小さなミラーを用いて治療を行っているのですが、呼気でミラーが曇ってしまい術野の観察が困難になる場合もあります。ラバーダム防湿を行うことで、頬っぺたや舌を圧排し、口の中から隔離することによって呼気による影響はほぼなくなります。もう一つは“治療用器具の誤飲誤嚥防止”です。根管治療で使用する器具は小さい器具が多く、どんなに気を付けていても何かの拍子に口の中に落としてしまう可能性がゼロではなく、落としてしまうと誤飲*1や誤嚥*2の恐れがあります。そうならない為にも口の中とラバーダムで隔離することによって、そのような事故を確実に防ぐことができます。
ラバーダム防湿は細菌感染と戦う歯内療法において最も大切な事であり、また治療中の術野の確保、医療事故等への防止にもなることから、当院では精密根管治療を行う全ての症例に対してラバーダム防湿を行っております。
豊島区池袋の倉本歯科医院では感染制御を徹底し、安心安全な歯科治療を提供しております。
根管治療が必要な歯以外でも歯でお悩みがある際は、是非ご相談ください。
もちろん、歯内療法専門医による根管治療、歯髄保存治療についても受け付けておりますので、お悩みの歯がありましたら、ご相談ください。
*1:誤って飲み込んでしまい、食道・胃の方へ流れ込んでしまうこと
*2:誤って飲み込んでしまい、気管・肺の方へ流れ込んでしまうこと
2021年10月12日 15:03