マイクロスコープについて
マイクロスコープとは歯科用顕微鏡のことを指します。歯科の分野でマイクロスコープが使用され始めてから約30年、今までは歯内療法の分野に限られた使用方法でしたが、現在では歯科の分野においても幅広く活用されるようになってきました。
元々、医科の分野では100年ほど前から使用されており、現在では耳鼻咽喉科、眼科、脳神経外科など様々な分野で用いられております。しかし、手術室での使用が大半であり患者さんがマイクロスコープを目にする機会は少なく、さらに、手術時の映像を見ることもほとんどないと思います。
数年前まで歯科におけるマイクロスコープ導入医院の割合は数%でしたが、現在ではかなり普及してきているのを実感いたします。
歯科でマイクロスコープを使用する利点は大きく3つあると言われています。
一つ目は拡大。
顕微鏡というくらいですから拡大して診ることができ、最大で約20倍近く拡大することが出来ます。一昔前だと状況の確認に使用する程度でしたが、現在ではマイクロスコープの機能も向上したことにより、見ながら診療することができます。これにより不必要な部分を削ることがなくなり、また肉眼では見えない細かい部分の見落としなどもなくなります。
二つ目は照明です。
歯科では無影灯というライトを使用して口の中を照らして診察していますが、歯の細かい部分を観察するのはとても困難です。また、歯科医が使用している拡大鏡にライトが付いていることが多いですが、視線とズレてライトが付いていますので、診たい部分が見にくいことも多々あります。マイクロスコープでは物をみる対物レンズの部分から照明で照らしてくれているので、視線の先がライトで照らされ非常に観察しやすくなっています。
三つ目は記録です。
歯科治療ではどのように治療をしているのか説明を受けてもピンと来ない方が大半だと思います。我々の中ではイメージできることが、それらを見たこともない患者さんにとっては、丁寧に説明されても理解するのは難しいでしょう。マイクロスコープでは記録媒体を取り付けることによって診療中の記録を映像や画像として保存でき、それを用いて治療後に説明することが出来ます。ご自身の歯がどのような状態になっているのか、ご自身の目で見て理解することが出来ます。
かなり簡単ではありますが三つの利点を挙げさせていただきました。
マイクロスコープを所持しているだけでは診療の精度を向上させることは難しいです。きちんとその特性を理解し、診療に落とし込めるようになっていることが大切なのです。
豊島区池袋の倉本歯科医院の歯内療法専門医は診療を始めてからマイクロスコープと共に診療を詰め重ねてきており、日本顕微鏡歯科学会の認定医も取得しております。
精密な根管治療、歯科治療をご希望の際は是非ご相談ください。
2021年10月14日 14:18