根管治療の手順について
ここでも”初回の治療”と”再治療”とで治療の手順は変わってきますが、今回は”初回の治療”の最初の段階の話をしていきます。
我々が治療する根管は歯の中に存在しているので、まずは歯に穴を開けて神経がある部屋(歯髄腔)にアプローチできるようにします。専門用語を用いると髄腔開拡やアクセスキャビティと言ったりします。ここでもマイクロスコープを使用して極力穴を小さくするよう努めます。神経を取った歯は脆くなりやすいと言われておりますが、歯の神経を取っただけでは耐久性は変わらないと言われており、実際に耐久性が下がる一番の原因は歯の量が少なくなったり、歯の厚みが薄くなることが原因だと報告されています。
今までの治療では肉眼や歯科用の拡大鏡を使用していたので、穴を大きくしないと根管の入り口が見えない状況でした。
しかし、必要以上に小さくすることだけを考えていると神経を取り残したり、汚れや虫歯を取り残したり、根管の入り口の見落としに繋がる恐れもあります。なので、最初に削って終わりではなく治療の途中に適宜追加で穴の形態を修正していきます。これをすることによって根管への器具の挿入をスムーズに出来たり、汚れをより取れやすい状態に出来たりします。
精密根管治療と聞くと根管をいかに上手く治療できるかが重要だと思うかもしれませんが、ラバーダム防湿や隔壁、髄腔開拡といった根管を触るまでの過程も大事なのです。
ここの部分を疎かにしてしまいますと結果的に治療回数が伸びてしまったり、思うように治療が進まないこともあります。
ここまでして初めて根管へのアプローチを開始していきます。
このように根管治療にはいくつかのステップがあり、それが次に次に繋がっていきます。
治療を受けられている側の患者さんも今何をしているのか、今日何をやったのか理解しながら治療を進めていければ安心だと思います。
豊島区池袋の倉本歯科医院では歯内療法専門医が治療前の説明、治療途中の説明もしっかりと行っております。治療を受ける前でも疑問に思った事や分からない事は遠慮なく聞いてください。
お悩みの歯がありましたら、お気軽にご相談ください。
2021年10月20日 16:19