根管洗浄について
根管内の清掃に関して、”機械的清掃”と”化学的清掃”を併用することが基本となっております。
イメージとしては機械的清掃によって根管内の汚れている所や感染している歯質を物理的に削除していきます。しかし、ファイルを用いた機械的清掃では根管内の全ての部分を清掃することは不可能なのです。ファイルが根管内を触っている範囲は根管内の約7割ほどだという報告もあります。その残りの+αを洗浄剤を用いて化学的に清掃していきます。
根管内を洗浄するタイミングは機械的に清掃を行った後に徹底的に行いますが、それと並行して大切なのが、ファイルを用いた機械的清掃時に根管洗浄を併用することです。
根管内を切削することで切削片が出ます。それを無視して根管形成を進めていくと、その切削片によって根管が根詰まりを起こしてしまい、根尖まで通した通り道が塞がってしまう恐れがあります。基本的には一つのファイルを用いた後は根管内を洗浄する必要があります。機械的清掃時に根管洗浄を併用するもう一つのメリットは根管形成時に根管内の細菌数を減らすことが出来ることです。もし根管内に細菌や感染歯質、感染物質が多い状態でファイル操作を行うと根尖からそれらのカスなどが逸出してしまうリスクが高まり、根管治療後に必要以上に痛みや腫れが出現するリスクとなります。
上記のことを起こさないように注意しながら根管形成時にも根管洗浄を併用していきます。
根管形成後は仕上げの根管洗浄を行っていきます。先程記述した根管から出た切削片は根管を消毒する洗浄剤では取り除くことは出来ません。根管内に使用する消毒液は有機質溶解作用を有していますが、根管の切削片は無機質となります。なので、根管内の切削片を取り除く為に無機質溶解作用のある洗浄剤を使用します。これを一定時間、一定量使用することによって根管内の目に見えない切削片を取り除きます。それらを取り除いた後に有機質溶解作用のある洗浄剤を使用して仕上げの消毒を行っていきます。
ここでも効率良く洗浄効果を高める為に様々な機器を使用します。根管内の状態によって使用する機器を使い分けることで、どんな根管でもしっかりと根管洗浄することが出来ます。
今回は根管洗浄の概念について簡単に書かせていただきました。
豊島区池袋の倉本歯科医院では歯内療法専門医による根管治療、歯髄保存治療を行っております。
お悩みの歯がありましたら、ご相談ください。
2021年11月08日 21:50