歯髄保存について
歯髄保存治療とは、教科書的には”歯髄鎮痛消炎療法”と”覆髄法”とに分けられます。
そもそも歯髄に対する処置が必要となる原因はいくつかに分類されます。
①虫歯などが原因による細菌学的原因
②顔をぶつけた際に生じた外傷、歯科治療による機械的刺激や温度的刺激による物理的原因
③歯科材料中の化学物質などによる化学的原因
が挙げられます。
その中でも最も多いのが虫歯による細菌学的原因です。
虫歯が歯の神経(歯髄)に達している場合はもちろんのこと、歯髄に近接していたり、あるいは近接していなくても歯の内部構造を通じて歯髄へ影響を及ぼしていることがあります。
そのような場合に歯髄保存治療が適用となります。
また、我々が患者様にご相談されることで一番多いのが、「受診した歯科医院で症状がなくても歯の神経を取る必要があると言われたけど取る必要があるか」です。
歯髄を残せるのであれば歯科医師も無暗に歯髄除去を行いたいとは思っていないのです。では、なぜそのように説明を受けるのか?
それは、歯髄の状態を治療中に把握するのが難しいからです。虫歯が歯髄に近接している場合、歯髄内でも目に見えない炎症反応が起こっています。それは細胞レベルでのことなので臨床的に判断するのは難しいのです。
その見積もりを甘くしてしまうと術後に症状が出てしまったり、感染している歯髄を取り残すことで根の先の周りに膿ができてしまったりしてしまいます。
それでは、我々のような歯内療法専門医はなぜ歯髄保存治療を率先して行っているのか。
それは、術前の症状や歯の状態、レントゲン写真、CT画像、術中の歯の状態あるいは歯髄の状態をマイクロスコープで観察することで、ある程度の予知性が判断できるからです。
これは個人個人の経験を頼る場合もありますが、多くは論文的な裏打ちを元に判断しています。
それにより、高い確率での歯髄保存を可能にしております。その詳しい内容については今後書いていきたいと思います。
豊島区池袋の倉本歯科医院では歯内療法専門医による根管治療、歯髄保存治療を行っております。
お悩みの歯がありましたら、ご相談ください。
2021年11月19日 12:55