倉本歯科医院|歯内療法専門医による精密根管治療|東京都

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歯髄保存治療の材料について

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今回は歯髄保存治療で使用する材料について書いていきたいと思います。
 
長い間、歯髄保存治療で用いられていた材料は水酸化カルシウム”を配合した材料です。
1920年頃から用いられており、歯髄保存治療のゴールドスタンダードとされてきました。しかし、水酸化カルシウムを用いた際の予後については確実性が不確かな側面がありました。
それにとって代わる材料として1990年代より用いられ始めて出したのが”MTA”(Mineral trioxcide aggregate)という材料です。
簡単に言うと、建築現場などでよく使用されるセメントを医療用に応用した材料です。
 
MTAは私が東京医科歯科大学で研究に使用していた材料であり、その際はMTAの炎症抑制効果についての研究をしておりました。その話はまた機会がありましたら書いていきたいと思います。
 
MTAの作用としては
①優れた硬組織誘導能
②良好な生体親和性
③良好な封鎖性
④親水性
などが挙げられます。
 
①について、刺激を受けた歯髄はその内部に存在する硬組織を形成する細胞によって石灰化が生じてきます。露出した歯髄の上にMTAを貼付することで歯髄のバリアーとなる硬組織の誘導を促しやすいとの報告があります。それにより歯髄の生活状態を維持しやすい環境を作りやすくなります。
 
②について、一般的な歯科材料は生体親和性に優れているとは言えません。それは細胞に対する毒性であったり様々な要因によります。しかし、MTAは生体親和性が優れていることによって、適用した周囲の組織の治癒を邪魔することなく使用できます。
 
③について、歯髄保存治療を行う上で重要となるのが、材料を貼付してから歯髄の硬組織形成が促され状態が落ち着くまで良好な封鎖性を保つことです。封鎖性が甘いと歯と材料との隙間から感染が生じ、歯髄保存が失敗に終わることになります。
 
④について、歯科材料の多くは水分があることにより、その作用を阻害されることが多いのですが、MTAに関しては水分があることにより強固に硬化されます。それにより、出血などがある場面においてもしっかりと適用することが可能となります。
 
今回はMTAについて簡単に概要を書いていきました。
次回もこのMTAについてより掘り下げて書いていきたいと思います。
 
豊島区池袋の倉本歯科医院では歯内療法専門医による根管治療、歯髄保存治療を行っております。
お悩みの歯がありましたら、ご相談ください。
 
2021年11月24日 12:26

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