倉本歯科医院|歯内療法専門医による精密根管治療|東京都

歯内療法専門医によるマイクロスコープ、歯科用CTを使用した精密根管治療を実施しております。

HOMEブログページ ≫ 感染制御の重要性 ≫

感染制御の重要性

ブログ27画像
今回は歯内療法における感染制御の重要性について書いていきたいと思います。
 
歯内療法に携わる者であれば誰でも知っている論文があります。
1965年にKakehashiらが報告したThe effects of surgical exposures of dental pulps in germ-free and conventional laboratory ratsという論文です。
この論文は通常飼育のラット(実験用のネズミ)と比較して無菌飼育のラットにおける違いを、ラットの歯を露髄させ、それに起因する病理学的変化を観察することを目的としています。
通常飼育の場合、口の中には様々な細菌が存在しています。それが生体外に内は恒常性が維持され問題は起きませんが、生体内に侵入し恒常性が損なわれることによって”感染”を起こし炎症反応が生じます。
しかし、無菌飼育のラットの歯を露髄され神経を露出させても歯髄内に感染および炎症反応は生じず、生体防御反応により歯髄はデンティンブリッジと言われる硬組織によって保護されたという内容です。
この論文の重要な所は、歯内療法領域における疾患が細菌によって感染することによって炎症反応が生じ、症状が出現することを世界で初めて報告した所です。

それまでは、なぜ炎症反応が生じているのか推測はされていたのでしょうが、ハッキリと判明していませんでした。
中世ヨーロッパでは歯の中に悪魔が潜んでおり、その悪魔によって歯痛が引き起こされることを示唆させるイラストがあったくらいです。
1965年というと人類の歴史からするとかなり最近の出来事ですよね。
 
人間が生きていく上で無菌状態の中で生活することは不可能です。なので、虫歯などによって歯に感染を引き起こしてしまった場合は、その歯を治療する際に二次感染をどれだけさせないかが重要となってきます。
治療する度に細菌の量を減らすどころか、細菌の量を増やしてしまうのは本末転倒です。
 
歯内療法領域の、特に根管治療においては治療中の口の中の細菌などを根管内に侵入させない為にはラバーダム防湿”を行って治療します。このブログでも何回か書いているラバーダム防湿です。
しかし、数年前まであったラバーダム防湿の保険点数が診療項目から削除されてしまうほど、日本ではラバーダム防湿の重要性は軽く見られております。
実際に私が根管治療をする前にラバーダム防湿についても説明を行っていますが、初めて聞いた言われる患者さんがほとんどなのです。
マイクロスコープを使用したり、歯科用CTを併用したり、最新のNiTiファイルを使用したとしても、このラバーダム防湿を行っていなければ全てが無駄になってしまいかねません。
歯の状態によってはラバーダムを装着するのが困難な歯もあります。それは根管治療の全準備として、このブログでも書きました”隔壁”を作ったり、様々な種類のラバーダムシートを固定する為の”クランプ”と呼ばれる器具を用意することによって克服できます。
逆にどうやってもラバーダム防湿を装着することが困難な歯は、その場限りの治療は出来ても、予知性を担保できないので保存不可能と診断されます。
 
このように治療中の感染制御に対する姿勢が、根管治療の予後に影響を及ぼすと言っても過言ではありません。
このことを常に意識して歯内療法専門医は根管治療、歯髄保存治療を行っております。
 
豊島区池袋の倉本歯科医院では歯内療法専門医による根管治療、歯髄保存治療を行っております。
お悩みの歯がありましたら、ご相談ください。

https://kuramotodc-ikebukuro.com/reservation.html
2021年12月01日 15:15

倉本歯科医院

〒170-0013
東京都豊島区東池袋3-7-4
倉本ビル2階

TEL 03-3590-0418
FAX 03-3590-0418

9:30〜13:00
14:30〜18:00

休診:土・日・祝日

モバイルサイト

倉本歯科医院スマホサイトQRコード

スマートフォンからのアクセスはこちら