何回根管治療すれば良いのか
悪い所があり歯科医院を受診し、一回で治療が終了するのは嬉しいことですよね。何度も何度も治療に通っているのに、”今日の治療で何をしていたのか分からない”という方もいらっしゃるかと思います。
特に、根管治療は時間がかかる治療というイメージが一般的となっております。
小さい歯の中にある、更に細かい”根管”を治療しているので、どうしても時間がかかってしまう場合や、患者さん自身の症状とは関係なく治療が長引いている事もあります。
しかし、根管治療は決して時間が必ずかかる治療ではありません。適切に診査、診断を下し、適切に治療をすれば、気が遠くなるほど時間がかかる治療ではないのです。
歯内療法領域においては、根管治療を一回の治療で終えてしまう”一回法”と複数回根管治療を行う”複数回法”どちらが良いのかという議論が出ることから、根管治療は実際一回で終了することもあるのです。
一回法の根管治療とは、主に神経を取る初回の根管治療の際に最も多く用いられています。
神経を取って、根管を綺麗にし、根管充填まで連続して一回の治療で行う術式です。
長所:治療の合間の仮の蓋をしている間に根管内が感染する機会がないこと
短所:治療の刺激による術後の痛みのコントロールが難しいこと
次に再治療の場合の一回法の根管治療についてです。
被せ物や土台が入っていればそれを除去して、根管にアプローチできるようにし、根管治療を進めていく術式です。
上の神経を取る治療と違う部分は既存に充填されている材料を取る作業があることです。
長所:治療の合間の仮の蓋をしている間に根管内が感染する機会がないこと
短所:治療の刺激による術後の痛みをコントロールが難しいこと、感染している根管内の消毒が不十分になってしまう場合がある
どちらも長所は、治療の合間の感染リスクの低減であり、治療が早く終わることですが、短所として挙げたことの方が重要となります。
根管治療は術後に痛みを伴うことが多く、それは以前の記事でも紹介しています。
https://kuramotodc-ikebukuro.com/blog_articles/1638926464.html
根の先の周りに炎症がある場合は、術後に炎症が急性化を起こして激しく痛んだり、腫れたりする場合もあります。
また、再治療の場合は根管内が感染している事が多く、治療のみの消毒だけでと比べて、治療の合間に根管内に薬を入れて消毒している場合の方が細菌数が少なくなったという報告もあります。
一回法で根管治療が終われれば体感的には良いかもしれませんが、歯や周囲の組織にとっては逆に悪い方向に反応してしまうケースもあります。
治療が早い、短期間で終わるに越したことはありませんが、必ずしもそれが治療の良し悪しを決定しているとは思わないでください。
当院では、治療の期間の概算は初回の診査、診断の際に概算はお伝えできると思います。
根管治療によって反応がなく時間がかかりそうな場合は他の代替案や次の一手となる治療の可能性を必ず説明してから治療にあたっております。
まずはご相談ください。
豊島区池袋の倉本歯科医院では歯内療法専門医による根管治療、歯髄保存治療を行っております。
お悩みの歯がありましたら、ご相談ください。
https://kuramotodc-ikebukuro.com/reservation.html
2021年12月15日 13:00