根の先の膿が全身に悪影響を及ぼす!?
慢性感染症とはまさに虫歯菌や口の中の常在菌により根管が細菌感染することによって生じる根の先の膿(根尖性歯周炎)もそれの一つなのです。
いわゆる歯が原因で生じる感染は歯性病巣感染と呼ばれ、それは原発巣の細菌の毒素や細胞が放出する炎症性サイトカインなどの影響により二次感染が起こってしまうと考えられています。
根尖性歯周疾患は全身に及ぼす影響として挙げられるものは、
・皮膚疾患
・掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)
・肉芽腫性口唇炎
・糸球体腎炎
・関節炎
などがあります。
その中でも、掌蹠膿疱症の病因は不明とされていますが、病巣感染の関与が示唆されており、根管治療の有効性が報告されています。
私も過去に掌蹠膿疱症を有する患者さんの根管治療を行った経験がありますが、完治まではいかないまでも少し楽になったとのお言葉を頂いたことがありました。
このように口腔内の感染症による慢性炎症が全身疾患へ影響を及ぼしているケースもあります。
口の中の慢性炎症に症状がなくても将来的に何らかの形で全身疾患と関わりが出てきてしまう恐れもあります。
”口の中すべての慢性炎症を治療する”というのは現実的ではないのかもしれませんが、慢性炎症を引き起こしやすい根管治療を初回治療の時点でしっかりと専門医による治療で精密に行っておくことが重要と考えます。
我々、根管治療専門医を含む歯内療法専門医は現在ある感染による炎症を治療するのを目的にするだけでなく、将来的な感染防止を見据えて根管治療をしております。
今回の記事のように全身へ影響が出る恐れがあるのはかなり先になるかもしれませんが、その時に今回の記事が頭の片隅に残っており、口の中の慢性感染症を疑うことができれば幸いです。
豊島区池袋の倉本歯科医院では歯内療法専門医による根管治療、歯髄保存治療を行っております。
お悩みの歯がありましたら、ご相談ください。
https://kuramotodc-ikebukuro.com/reservation.html
2021年12月16日 13:30