歯髄保存の意義 ~なるべく歯の神経は残した方がいいのか~
歯の神経(歯髄)はなるべく残した方がいいと言われておりますが、なぜそのように言われているのかご存じでしょうか?歯髄は”しみる”などの知覚神経としての役割だけでなく、歯の防御機構としての”免疫”の役割もあります。
具体的には、虫歯菌や歯周病菌などの刺激から重篤な感染、炎症となるのを防ぐ機能があるのです。
痛みの症状がなくても、歯髄は日々このような刺激から歯を守っており、その防御機構が破綻してしまうと、歯は容易に感染し炎症反応が出現します。
また、歯髄は日々の”噛む力”の刺激からも歯を守っているという報告があります。
歯の神経を取ってある歯(失活歯)と歯の神経が残っている歯(生活歯)を比べると、失活歯は生活歯より2倍以上の力を加えるまで痛みを感じなかったそうです。
歯髄が残っていることによって、噛む際に過度な力が歯に加わるのを防いでくれ、歯が割れてしまうのを回避する手助けをしてくれます。
食べ物を噛む以外にも人は”噛みしめ”や”歯ぎしり”を日々の生活で少なからず行っており、それが歯のダメージとなっています。
それらのダメージを歯髄が残っていることによって最小限にしようと力のコントロールに一役買っていることもあります。
まとめると、歯髄を残した方がよい理由として
・細菌などの刺激から歯を守ってくれて、感染や炎症が起こるのを防いでくれる。
・噛む際の力のコントロールをすることによって、歯に過度な力が加わり、歯が割れてしまうのを防いでくれる
などが挙げられます。
しかし、歯髄を取らざるを得ない状況で無理に歯髄を残すことによるデメリットも存在するので、歯髄保存ができるのかどうかは術前の診査が重要となります。
豊島区池袋の倉本歯科医院では、歯内療法専門医による根管治療、歯髄保存治療を行っております。
お悩みの歯がありましたら、ご相談ください。
https://kuramotodc-ikebukuro.com/reservation.html
2022年01月05日 13:15