複雑な根管形態 ~肉眼だけでは対処不可能!?~
”根管=神経があったスペース”ではあるので、根管治療を行う上では理想的に言えば全ての根管を触れて消毒液が行き届かせることが必要です。
しかし、中には器具が届かない部分などもあり100%治療により根管内を触ることは不可能とされています。
したがって重要なことは、いかに器具で触れたり、消毒液が行き届くように治療中の根管内の形態を把握できるかにかかってきます。
ここで有名な根管形態の分類を示したいと思います。
Vertucciらが根管形態を根管の①入り口、②根管の中央部、③根尖部の3つに分けて、全体で8つの形態で分類した報告があります。
TypeⅠ:入口1つで出口も1つ(1根管口1根尖)
TypeⅡ:入口2つで出口が1つに合流(2根管口1根尖)
TypeⅢ:入口1つで途中で2つに分岐し、根尖で1つに合流(1根管口2根管1根尖)
TypeⅣ:入口2つで出口も2つ(2根管口2根尖)
TypeⅤ:入口1つで出口は2つに分岐(1根管口2根尖)
TypeⅥ:入口2つで途中で1つに合流し、根尖で2つに分岐(2根管口1根管2根尖)
TypeⅦ:入口1つで途中で2つに分岐し、また一つに合流して、根尖で2つに分岐(1根管口2根管1根管2根尖)
TypeⅧ:入口3つで出口も3つ(3根管口3根尖)
このように入口と出口が一致しない根管形態もあり、単純な一本道ではないことが治療を複雑化します。
特にTypeⅦは治療中に根管形態を完全に把握することは不可能に近いと考えます。
術中でも必要あれば歯科用CTを撮り、見落としている根管がないか、スペース(イスムスやフィン)などがないかどうか確認することも重要です。
このように根管形態は複雑であるという意識の元、根管治療を行わなければ精密な根管治療を行うことは難しいのです。
しっかりとした技術、設備はもちろんですが、基本的な知識が充実している歯内療法専門医だからこそ、より歯を保存できる可能性が高まるのです。
豊島区池袋の倉本歯科医院では歯内療法専門医による根管治療、歯髄保存治療を行っております。
お悩みの歯がありましたら、ご相談ください。
https://kuramotodc-ikebukuro.com/reservation.html
2022年01月28日 13:45