歯根の外の細菌 ~外科的な対応が必要になる!?~
通常の根の先の膿(根尖病変)であれば、根管内の細菌を除去する根管治療で治癒に導くことが出来ます。
しかし、通法の根管治療では反応しない場合もあります。そのような場合、難治化していると一般的には考えられていますが、難治化の原因の一つと考えられているのが、根尖孔外の細菌の存在です。
通常は根尖孔外の環境では生体の免疫システムによって細菌の生息は困難となります。よって根尖孔外に細菌が存在していることはほとんどないと考えられていますが、細菌がバイオフィルムを形成している場合は話が変わってきます。
バイオフィルムとは ”細菌が固層表面に付着し、自らが産生した菌体外マトリックスに被覆された共同体”と定義されています。
簡単に言うと、細菌がたくさん集まり、自分の周りに菌体外マトリックスと呼ばれるバリアーを張っている状態です。
このバイオフィルムと特徴の一つが宿主の免疫システムに対する抵抗性です。
このバイオフィルムがある状態だと細菌の抵抗性は数千倍上昇すると報告している論文もあります。
また、バイオフィルムは人工の材料の表面上に形成されることが多く、その為、過去に根管治療がされている歯の再治療で難治化が多く見られます。
通法の根管治療で除去できず治癒に導けない原因となっている細菌に対しては、外科的に処置する必要があります。
細菌が形成しているバイオフィルムもろとも根尖を切除して治癒に導くイメージです。
その為、根管治療の成功率は100%ではないことを説明し、その次の一手として外科的根管治療があることをお伝えしております。
ここで重要となるのが、初回の根管治療がしっかりとされていれば、そのような事態になることもないので、初回の根管治療は歯内療法専門医による治療が必要不可欠であること。
また、再治療に関しても、歯根や細菌の様々な状況に対応できる歯内療法専門医による治療が必須だということです。
根管治療が必要と説明を受けた際は、歯内療法専門医による治療があるということを頭の片隅に留め置いていただければと思います。
豊島区池袋の倉本歯科医院では歯内療法専門医による根管治療、歯髄保存治療を行っております。
お悩みの歯がありましたら、ご相談ください。
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2022年02月24日 13:00