外科的根管治療 ~適応になる症例とは~
今回は外科的根管治療について書いていきたいと思います。外科的根管治療とは、通法の根管治療を行っても治療に反応がなく、治癒に導けない場合に用いる次の一手ではありますが、全ての症例で適応になる訳ではないのです。
外科的根管治療をすることによって治癒に導くことが期待できる症例を確実に選択することが、患者さんのご負担を軽減する手助けにもなります。
外科的根管治療の適応について以下に挙げていきます。
①通法の根管治療によって治療に反応がなく治癒しない場合
②除去が困難あるいは除去の必要のない修復物が入っている場合
③歯根嚢胞を疑う場合
④根尖性の歯根破折の可能性がある場合
以上に挙げたものが全てではありませんが、日常的に多い順に挙げています。
①については、通法の根管治療によって治癒しない理由にある程度の当たりをつけて外科的根管治療に臨むことが必要です。原因も分からずに治療を行っても治癒に導いたとしてもそれは“偶然”となってしまいます。
通法の根管治療によって治癒しない場合は以下の原因が考えられます。
・根尖孔外の感染が考えられる
・根尖孔外に材料が逸出あるいは突出している
・処置しきれない部位に未処置根管が存在する
・根管の本来の形態が破壊されており、根尖までの適切な清掃が困難
・根尖付近に除去困難な歯科材料あるいは器具が存在する
上記に挙げた例の内、一つ目の”根尖孔外の感染が考えられる”に関しては術前に確かめる術はありません。
切除した根尖を病理学的検査に出して初めて分かることなのです。
マイクロスコープを使用した外科的根管治療の成功率は高い(90%前後)と発表している論文は数多くありますが、それは術前にしっかりと診査・診断をして手術を行うことで治癒に導ける可能性のある症例を選択しているからに他なりません。
その選択も歯内療法を専門にしている者だからこそ出来る選択なのです。
根管治療、外科的根管治療を行う場合は歯内療法専門医へのご相談をまずはお勧めいたします。
豊島区池袋の倉本歯科医院では歯内療法専門医による根管治療、歯髄保存治療を行っております。
お悩みの歯がありましたら、ご相談ください。
https://kuramotodc-ikebukuro.com/reservation.html
2022年03月02日 13:20