外科的根管治療 ~処置に至る条件とは~
今回も外科的根管治療について書いていきたいと思います。外科的根管治療の成功率は高く、被せ物を壊さずに処置ができるので、患者さんにとっても頼りになる治療法の一つです。
しかし、外科的根管治療を行うのに必要な条件みたいなものが存在します。
これは絶対に満たしていないといけない訳ではないですが、満たしていた方が予後は良くなるというものです。
・精度の良い被せ物が装着されている
・根管治療自体がしっかりとされている
・根尖付近まで長いポストが装着されていない
・マイクロスコープ、およびマイクロサージェリー用の外科器具が揃っている
・歯内療法専門医による処置
下二つに関しては、必須な条件となります。
マイクロスコープ、およびマイクロサージェリー用の外科器具を使用した場合の成功率(約90%)と、使用していない場合の成功率(30~50%)では大きく差が出てきてしまうからです。
また、ここで提示している成功率を調査している論文は歯内療法専門医が処置を行っている前提となっています。
以前であれば、口腔外科に依頼をすることが多い処置でしたが、マイクロスコープを用いた外科的根管治療が出てきてからは歯内療法専門医が担当する領域となっています。
外科的根管治療とは通常の根管治療と違って根尖部のみの処置しかできません。なので、根管上部に感染が多くあることが予想される場合や、被せ物の精度が悪く細菌の流入が予想される場合には外科的根管治療は控えた方が賢明です。
我々、歯内療法専門医の外科的根管治療の位置づけとしては、通法の根管治療によって除去し切れない感染部を除去するというものです。
なので、通法の再根管治療を行わずに、いきなり外科的根管治療を行うことはほとんどありません。
患者さんの希望があったとしても、そのデメリットを説明し、しっかりと理解された上でなおかつご納得された方への処置となります。
このように外科的根管治療の成功率を高める意味合いでも、術前の根管治療をしっかり行っている必要があり、なおかつ処置を行う場合はしっかりと設備が整った環境で歯内療法専門医が担当することが予知性を高める上で必要な条件と言えるでしょう。
豊島区池袋の倉本歯科医院では歯内療法専門医による根管治療、外科的根管治療、歯髄保存治療を行っております。
もちろん、マイクロスコープおよびマイクロサージェリー用の器具もしっかりと揃えてあります。
お悩みの歯がありましたら、ご相談ください。
https://kuramotodc-ikebukuro.com/reservation.html
2022年03月04日 13:50