伝達麻酔 ~安全な麻酔~
今回は引き続き伝達麻酔のことについて書いていきたいと思います。従来の歯科で用いられている麻酔は浸潤麻酔と呼ばれ抹消の神経に対する麻酔なのに対して、伝達麻酔とはそれよりも中枢側の神経を麻酔する方法です。
中枢側の神経を麻酔することで、それよりも抹消の神経も麻酔されるので、通常の浸潤麻酔では効果が得られにくい部位に対しても、しっかりと麻酔効果が得られるのが最大の利点です。
しかし、従来の伝達麻酔は神経のかなり近くに針を挿入するため、神経損傷による神経麻痺や周囲の大きな血管を傷つけてしまうリスクもあります。
その為、あまりポピュラーには用いられない手法なのです。
当院が採用している伝達麻酔は”近位伝達麻酔”と呼ばれる手法で、従来の伝達麻酔よりも針の刺入点を抹消側にすることで神経損傷や血管損傷のリスクを下げることが出来ます。
具体的に書くと、側頭筋と内側翼突筋の間には翼突下顎隙と呼ばれる隙間があります。その隙間に麻酔液を満たすことで、大元の神経への麻酔効果を得ることを目的とします。
もちろん、お口の中からこの隙間は見えないので当たりを付けて針を刺入しますが、少し逸れたとしても筋肉に麻酔されるので、神経損傷や血管損傷のリスクはありません。
また、再度麻酔を追加する際も、一回目の麻酔で周囲の組織は麻酔されているので痛みもないことが利点の一つです。
歯科で麻酔を効かせることは安心して治療を受けられるだけでなく、よりスピーディーに治療を進める上でも非常に重要となります。
従来の浸潤麻酔で効果が十分得られる際には伝達麻酔は行いませんが、麻酔効果が得られにくい部位の治療の際はオプションとして持っておくと武器になります。
豊島区池袋の倉本歯科医院では歯内療法専門医による根管治療、歯髄保存治療を行っております。
お悩みの歯がありましたら、ご相談ください。
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2022年03月30日 13:30