穿孔封鎖 ~適した材料とは~
今回は引き続き“穿孔”について書いていきたいと思います。穿孔は一昔前だと抜歯の対象となっていましたが、現在では穿孔を封鎖することで歯の保存を可能にする事ができます。
もちろん穿孔の位置や大きさによっては保存が困難となる場合もあります。
一昔前までは穿孔を封鎖しても予後不良となることが多く予知性のない治療でしたが、材料の進歩によって予知性を高めることができています。
穿孔とは歯に穴が開いている状態なので、歯の外側にある組織からの出血や浸出液などで材料が固まりづらくなったり、接着性が低下して予後が悪くなります。
封鎖をする材料に求められる要件は、
・水分がある状況下で硬化することができる
・歯の外側の組織に対する為害性がない
・封鎖性が担保できる
などが挙げられます。
これらを全て満たしている材料が”MTA”と呼ばれる材料です。
MTAとはMineral trioxide aggregateの略で、簡単に言うと水分によって硬化するセメントです。
水分によって硬化するので、周囲の組織からの出血や浸出液の影響は受けません。
また、厚さを確保することによって封鎖性も担保することができます。
そして、一番重要である周囲の組織に対する為害性ですが、MTAは生体親和性に優れた材料として知られており、私の医科歯科大学時代の研究内容もMTAを用いた炎症反応についてなので、かなり詳しく書くことができますが、専門的過ぎるので今回は割愛します。
MTAが穿孔封鎖に適した材料というのは歯科医の中では一般的になりつつありますが、材料の特性をしっかりと理解した上で使用することが重要となります。
MTAを使用してもどうしようもない状況があるので、場当たり的に使用しても望む結果は得られません。
歯内療法専門医による治療を受けることがなにより大切なのです。
豊島区池袋の倉本歯科医院では歯内療法専門医による根管治療、歯髄保存治療を行っております。
お悩みの歯がありましたら、ご相談ください。
https://kuramotodc-ikebukuro.com/reservation.html
2022年04月13日 13:40