歯根破折 ~治療法はあるのか~
歯根破折とは歯根にヒビが入っているもしくは、完全に歯根が割れている状態のことを指します。歯根破折している歯根が感染している場合、治癒するのは困難で基本的には抜歯対象となります。
しかし、歯根破折している部位によっては保存が可能な場合があります。
一つは根尖部にのみ限局している歯根破折です。
これは通法の根管治療では治癒せずに外科的根管治療を行った際に発見することが多いです。
外科的根管治療は通法の根管治療では除去しきれない細菌が潜んでいる根尖部を切除することで治癒を目指す治療法なので、根尖部に限局している破折もろとも切除してしまえば保存は可能となります。
もう一つは厳密に言うと歯根破折とは少し違いますが、歯冠破折が歯根の上部まで及んでいる場合です。
基本的には歯肉より下深くまであるいは骨縁まで破折している場合は予後を考えて抜歯という判断が妥当となりますが、保存する手がない訳ではありません。
歯肉を整えたり、骨縁を削って相対的に残りの歯質を骨の上に出したり、矯正的に引っ張り上げたりなどが挙げられます。
しかし、どれも全てのケースで適応となる訳ではないので、術前にしっかりと診査することが重要となります。
一般的な歯根破折の場合、破折部を削って材料を流して保存を目指す手法も報告がありますが、学術的なエビデンスが乏しいのが現状です。
歯内療法専門医としてしっかりと学術的な裏付けがある治療法を提供することを心がけていますので、ご期待に沿えないケースもあります。
そのような場合もしっかりとご説明させていただきます。
豊島区池袋の倉本歯科医院では歯内療法専門医による根管治療、歯髄保存治療を行っております。
お悩みの歯がありましたら、ご相談ください。
https://kuramotodc-ikebukuro.com/reservation.html
2022年04月27日 13:30