根管洗浄 ~洗浄針と根管のサイズの関係は?~
今回も根管洗浄について書いていきたいと思います。根管洗浄は化学的清掃とも言われ、機械的清掃によって綺麗にした根管内を消毒薬を用いて清掃し、また機械的清掃によって生じたデブリなどを綺麗にすることも目的としています。
根管洗浄を行う上で重要なポイントの一つは、洗浄液を根尖(根の先)まで到達させ、しっかりと灌流させることです。
これは根管のサイズや洗浄で使用する洗浄針の種類によって違いが出てきます。
歯内療法の最近の流行の一つは低侵襲で根管治療を行うことで、そのため根管のサイズを小さくすることを推奨している場合もあります。
しかし、根管形成を小さくし過ぎてしまうと洗浄液が根尖まで到達できなかったり、洗浄液の適度な灌流が生じず結果的に根管内の清掃が不十分になる可能性が示唆されています。
このような場合も、それに関連した論文を調べて適切な条件を探っていくことが大事なのです。
ここで一つの研究を紹介します。
様々なサイズの根管を用意して、洗浄針の大きさや洗浄時のスピード等の変化でどのような影響があったかを調べた研究です。
ここでは、洗浄針の大きさは直径0.31mmと0.25mmの2種類を使用しています。また、根尖のサイズは0.2mm、0.25mm、0.3mmの3種類を用意しています。
結果として、どちらの針の種類でも根尖のサイズが0.2mm、0.25mmの根管では洗浄液を根尖まで到達させることはできませんでした。
また洗浄時のスピードも影響しており、スピードが遅い場合は根尖のサイズを0.3mmにしても洗浄液は根尖まで到達しなかったと報告しております。
この研究では洗浄針の形状についても言及していますが、ここでは省きたいと思います。
以上の結果から、実際に臨床で根管洗浄を行う際の根管形成時の根管のサイズ
や使用する洗浄針の大きさや形状、根管洗浄する際のスピードを検討していきます。
これらの研究は研究の条件によっては相反する結果を報告している場合もあるため、しっかりと検討することが重要となります。
豊島区池袋の倉本歯科医院では歯内療法専門医による根管治療、歯髄保存治療を行っております。
お悩みの歯がありましたら、ご相談ください。
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2022年06月24日 13:40