歯の漂白 ~歯の内側からする漂白~
今回は歯の漂白について書いていきたいと思います。歯を白くしたい場合、通常ですとホワイトニングが真っ先に頭に思い浮かぶと思いますが、歯内療法の領域でも歯の漂白について取り扱っています。
歯が失活(神経が死んでしまう)すると歯が変色することを知っている方は多いと思います。
通常、歯内療法の領域における歯の変色は、歯髄(歯の神経)の損傷、歯髄腔および歯髄組織の残骸による汚染、根管充填材などによって引き起こされます。
外傷などで歯にダメージが加わると、歯髄の血液中の赤血球の溶血によって誘発される鉄が放出され、これは硫化鉄に変化し、歯の変色を引き起こすとされています。
歯の表面が着色によって変色しているのではないので、通常のホワイトニングだけでは効果が得られにくいのです。
このような場合、歯の内部から漂白する”ウォーキングブリーチ”と呼ばれる手法が用いられます。
ウォーキングブリーチを行うには歯質が多く残っていることが前提となりますが、根管治療を行うまたは行った窩洞内に薬剤を入れて数日間から数週間程度置いておくことで歯が漂白されます。
この際に用いられる薬剤として、過酸化水素、過ホウ酸ナトリウムなどが古典的に使用されています。
ある研究では濃度が高いほど漂白効果が高いと報告していますが、濃度が高まるにつれて歯へのダメージも報告されています。
漂白剤が浸透する範囲で歯の吸収があることが報告されているのです。
これは漂白の手順や方法、使用薬剤およびその濃度、適用時間を守ることで、ある程度防ぐことは出来ますが、行う前にリスクとして説明しております。
前歯をぶつけてから歯が変色してきた、根の治療をしてから歯が変色しているなどのケースは歯の内部から漂白することで改善できる可能性があります。
根管治療の状態によっては、再根管治療が必要になることがありますので、お悩みの際はご相談ください。
豊島区池袋の倉本歯科医院では歯内療法専門医による根管治療、歯髄保存治療を行っております。
お悩みの歯がありましたら、ご相談ください。
https://kuramotodc-ikebukuro.com/reservation.html
2022年07月06日 13:40