瘻孔 ~歯肉にできた出来物~
今回は“瘻孔”について書いていきたいと思います。瘻孔とは根尖病変(根の先に膿が溜まった状態)によって膿瘍(膿)が排膿路(出口)を求めて皮質骨が吸収されると、歯肉にできる出来物のようなものです。
ざっくり言うと膿の出口となります。
瘻孔は根尖病変の他にも、歯周病が悪化した際や、歯根破折による感染などによっても発生します。
膿の出口となる瘻孔と根尖病変を繋ぐ経路を瘻管と言いますが、この瘻管は上皮に裏打ちされていたり、あるいはされていなかったりと状況によって異なります。
しかし、根尖病変が原因の瘻孔に関しては根管治療を含む歯内療法後に治癒することは広く知られています。
瘻孔の存在は、歯内療法の長期的な結果には影響を与えない事が様々な研究で報告されています。
瘻孔はそのほとんどは口腔内の歯肉に発生しますが、ごく稀に顔の皮膚に発生する場合もあります。
ある研究では、レントゲン写真に写る根尖病変のサイズが大きいほど瘻孔の出現率は高まると報告しています。
根の周りの骨を吸収して病変は大きくなりますが、無症状の内に進行しているケースがほとんどです。
症状を感じた事はないが、歯医者で指摘された経験がある方もいらっしゃるかと思います。
実際に、瘻孔が出現している場合は前にも述べた通り、骨の吸収がある程度進んでいる事が多いので治療介入をしていく必要があります。
体の免疫の状態(体調)によって瘻孔は出現したり、消えたりを繰り返します。
消えたからと言って自然には治らないので注意が必要です。
瘻孔が生じる原因として歯根破折の可能性もありますので、治療介入により歯が保存不可能と診断される事もありますので、術前の診査・診断や説明が重要となります。
歯肉に出来物ができた際は歯内療法専門医による診察を受け、現在の状態を詳しく診査することをお勧め致します。
豊島区池袋の倉本歯科医院では歯内療法専門医による根管治療、歯髄保存治療を行っております。
お悩みの歯がありましたら、ご相談ください。
https://kuramotodc-ikebukuro.com/reservation.html
2022年07月11日 13:30