歯の亀裂 ~新型コロナウイルスとの関連は?~
今回は歯の亀裂について書いていきたいと思います。歯のひび割れは、歯ぎしり、食いしばり、食べ物の熱、または硬い食べ物や物体の習慣的な咀嚼によって引き起こされることが一般的に認識されています。
これらの習慣は、不安や抑うつ症状の増加の結果として、新型コロナウイルスのパンデミック中に増加した可能性があることが示唆されています。
歯の亀裂は男性でより一般的で、ゆっくりと進行し、症例の約3%で歯の破折を引き起こします。
ここで、歯の亀裂と新型コロナウイルス(COVID-19)の関連を2019年から2021年まで比較した研究を紹介します。
この研究はアメリカの歯内療法グループから収集されたデータに基づいて実施されています。
データは”パンデミック前の2019年”、”最初のCOVID-19の発生年の2020年”、”進行中のCOVID-19の2021年”に分けられています。
この期間で合計2440本の歯が評価されました。
歯の亀裂のある患者さんの平均年齢は50歳前後で、そのほとんどが40~60歳であることが示されました。
歯の亀裂の発生率は2019年の4.3%と比較して、2020年では11.8%および2021年では8%と大幅に増加しました。
この研究では、COVID-19が特定の領域で研究対象集団の歯の健康に重大な影響を及ぼしたことを示していますが、他の領域には影響を与えなかったことを示していると述べています。
例えば虫歯や修復治療の有病率に関連する変化はありませんでした。
歯の亀裂の割合の増加は、COVID-19のパンデミックの間接的な結果であり、つまり社会経済状況の変化によるものやストレスレベルの増加である可能性があることが示唆されています。加えて、顎関節症に関連する口腔の健康へのより直接的な影響も考えられると述べています。
歯の亀裂は口の中に歯が存在する限り、そのリスクをゼロにすることは出来ません。
大切なのは、ご自身の口の中の状態をよく理解し、年齢や生活環境に応じて生活習慣や食習慣を見直すタイミングを設けることだと考えます。
かかりつけ歯科医院では定期的なメインテナンスを実施し、歯の神経や歯根に問題が生じた際は歯内療法専門医の受診をお勧め致します。
豊島区池袋の倉本歯科医院では歯内療法専門医による根管治療、歯髄保存治療を行っております。
お悩みの歯がありましたら、ご相談ください。
https://kuramotodc-ikebukuro.com/reservation.html
2022年07月25日 13:30