歯根破折 ~垂直歯根破折について~
今回は歯根破折について、特に垂直歯根破折について書いていきたいと思います。垂直歯根破折(VRF)(Vertical root fracture)は、歯根のセメント質、象牙質、および根管系が関与する縦方向のヒビ割れです。
VRFは明らかな臨床的兆候や症状がなく、ゆっくりと進行することがあるため、診断が難しくなります。
一般的に、VRFは神経を有している歯よりも、神経を取って根管治療している歯に関連することが多いです。
ある研究では、抜歯した内VRFであった歯の93.6%が既根管治療歯であったと報告しています。
これ以外にも様々な研究による報告がされており、だいたい86~97%ほどが既根管治療歯であると報告されています。
更に、既根管治療歯におけるVRFの有病率は4~32%と報告されています。
VRFは根管内をマイクロスコープで拡大して発見される場合もあれば、外科的に歯根表面を調査することで発見される事もあります。
しかし、どちらも全てのVRFを検出することは難しく、見逃されたVRFの可能性があるため、VRFの有病率を正確に算出することは難しいとされています。
複数の研究からVRFは上顎臼歯、下顎臼歯が最も頻繁にVRFの影響を受けていることが報告されています。
つまり、奥歯が最も影響を受けやすい部位なのです。
VRFの発生率は年齢とともに増加し、40歳以上の患者さんで最も一般的にみられます。
VRFは元々の素因となるリスクや寄与されたリスクに分けられますが、それは次回書いていきたいと思います。
豊島区池袋の倉本歯科医院では歯内療法専門医による根管治療、歯髄保存治療を行っております。
お悩みの歯がありましたら、ご相談ください。
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2022年08月01日 13:10