桶状根 ~日本人での割合は?~
桶状根とは下顎第二大臼歯(親知らずの一つ手前の歯)に好発する歯根形態のことで、本来独立している歯根が癒合したような形態となり、断面形態がC字状を呈しているのが特徴です。
独立した歯根の場合はその中の根管も独立して走行していることが多いですが、桶状根の場合は根管も癒合したような走行をしているため、根管治療が複雑となります。
根管形態が複雑となることで、従来の根管治療のみでは感染の取り残しなどが多くなり、治癒の妨げとなったり、再発の原因となります。
マイクロスコープを併用することで複雑な根管形態にも対応することが出来ますが、しかし根管形態をしっかりと理解していないと理想的な根管清掃は難しいです。
論文として発表されている報告は海外での調査による発表が多いですが、今回は日本で調査した報告を紹介したいと思います。
アジア地域の人に好発すると言われている桶状根の日本での発生率は35%でした。男性と女性でも発生率に差があり、男性は25%、女性は46%でした。
根管形態の分布は、全てが繋がっているC字状の根管形態の割合が48%、二つに分かれているC字状の根管形態の割合が23%、3本に分かれている根管形態は5%でした。
根管の入り口となる根管口から見た場合と、根管の中央部付近、根尖付近とでは根管の走行に変化が生じます。
マイクロスコープで根管口から観察するのとプラス、根管の先の方がどのような形態を呈しているか予想しながら治療をしていくことが重要となります。
複雑な根管形態の根管治療は歯内療法専門医がマイクロスコープや歯科用CT、その他の機器を併用して治療にあたることが治癒への最短ルートであると考えています。
このような複雑な根管形態の場合、再根管治療となるとその難易度は格段に上がり、治癒にも影響を及ぼします。
初回の根管治療を歯内療法専門医に任せることによって、今後その歯に問題が起こるリスクを軽減することが出来ます。
豊島区池袋の倉本歯科医院では歯内療法専門医による根管治療、歯髄保存治療を行っております。
お悩みの歯がありましたら、ご相談ください。
https://kuramotodc-ikebukuro.com/reservation.html
2022年09月07日 13:30