妊娠期の根管治療(2) ~歯科麻酔について~
今回も妊娠期の根管治療について書いていきたいと思います。妊娠中の歯科治療は様々な事を考慮する必要があります。
前回書いたレントゲン撮影も診断をする上で必要な検査ですが、治療をするにあたり歯科麻酔はなくてはならない治療手段です。
根管治療を含む歯内治療を行う上で、処置中の痛みの感覚制御はとても大切な事柄です。
もっとも一般的な方法は局所麻酔薬の仕様ですが、それが胎児にどのように影響があるのか知ることが重要となります。
最初に提示する報告は、妊娠中の歯科治療と局所麻酔薬の使用が、胎児の異常のリスクの増加と関連していることを示すデータがないということです。
しかし、妊婦への局所麻酔薬の使用によって、胎盤関門を通過し、注射後数分で胎児に到達し、直接移動するという報告もあります。
一般的な歯科用局所麻酔薬には、その麻酔効果を患部に留めておくことを目的の一つとして血管収縮薬が添加されており、それにより妊婦の全身へ巡るスピードが遅くなることで、胎児への移行もゆっくりとなり安全マージンも増加すると報告があります。
ただし、妊娠初期に対する麻酔薬の使用は慎重になる必要があります。
器官形成期である妊娠4~7週の頃や、口周りの器官が発達する8~15週頃は原則的に控えた方が望ましいと言われています。
ただし、緊急性が高い場合は歯科局所麻酔薬を使用するメリットと胎児への影響のデメリットを天秤にかけて、必要であれば必要最小限の使用量で適切な処置を行う必要があります。
妊娠中はホルモンの関係や食生活の変化によって、妊婦の口の中の環境が悪化しやすい時期でもあります。
普段から口の中の健康に気を配り、緊急性が高い処置が必要とならない状況を作るのが最善です。
歯科局所麻酔薬を使用する時期としては、安定期となる妊娠5~7ヵ月頃が望ましく、この時期であれば通常の歯科治療を受けることが可能となります。
ただ、それも妊婦の状態や口の中の状況にも左右されるので、まずは歯科医院に相談してよく相談することをお勧め致します。
豊島区池袋の倉本歯科医院では歯内療法専門医による根管治療、歯髄保存治療を行っております。
お悩みの歯がありましたら、ご相談ください。
https://kuramotodc-ikebukuro.com/reservation.html
2022年09月26日 13:50