根管治療に関する情報収集 ~適切な情報を収集できているか?~
根管治療が必要と歯科医院で言われた方はそれをすんなりと受け入れるか、根管治療とはどのような治療なのか自分なりに調べるかに分かれるかと思います。病院で自分に疾患があり治療が必要と言われたら、どのような疾患なのか?どのような治療が適切なのか?などを調べることは自然な事です。
病名が付いている疾患に関しては病名を検索することでどのような疾患なのか調べることができます。専門用語で書かれている場合もあれば、一般の方でも分かりやすいように嚙み砕いて説明している場合もあるかと思います。
ここで興味深い研究を一つ紹介致します。
根管治療のリスクに関する患者情報源としてYouTubeを使用することの評価をした研究です。
検索の仕方は人それぞれですが、検索の一つのツールとしてYouTubeを使用している方もいらっしゃるかと思います。私もスポーツのトレーニング方法や料理のレシピなどはYouTubeを使用して調べたりもしています。
YouTubeの投稿は誰にでも出来ることで、情報としてバランスの取れた偏りがないものなのかどうか怪しい投稿もあります。
この研究では根管治療のリスクに関する動画の内、バランスの取れた偏りのない情報を提供しているものは42%の動画しか達成していないと報告しています。
ここでは動画投稿元を規制機関、臨床医、非臨床医、ニュース・メディア、その他に分類しています。
その内、最もバランスの取れた偏りのない情報を提供していた投稿元は規制機関でした。
情報の質としては優れたものを提供している規制機関ですが、上記の投稿元の内”視聴回数とインタラクションが最も少なかった動画”も規制機関による動画でした。
規制機関が作成することで情報の質としては高いかもしれないが、その動画は退屈で視聴者の興味を引くような仕様にはなっていないかもしれないと推察しています。
YouTubeの中にある莫大な量の動画から、視聴回数が少ない動画を引き当てることの難しさはお分かりかと思います。
逆にセンセーショナルなタイトルや、視聴意欲を煽る強い言葉を使ったタイトルなどは視聴者の目を引き動画再生回数は上昇します。
そうすることで正しい情報が広まらないことを報告者は懸念しています。
対策として大学や専門機関が正しい情報を数多く投稿することを提案していますが、これも中々難しいことだと思います。
歯内療法専門医が根管治療に特化した歯科医師であるのと同じように、動画作成に特化した方が作成した動画に対抗できるという考えは私がいつも言っている事と矛盾してしまいます。
そのような動画を作成する際は専門の機関を頼ることも必要だと考えます。
医療情報を検索する際はその提供元がどのような機関なのか、どのような人物なのかを精査した上で検索して正しい情報を得られるよう注意してください。
豊島区池袋の倉本歯科医院では歯内療法専門医による根管治療を行っております。
お悩みの歯がありましたら、ご相談ください。
https://kuramotodc-ikebukuro.com/reservation.html
2022年12月21日 13:10