タバコと根管治療の関係 ~喫煙は影響を及ぼすのか?~
今回はタバコと根管治療の関係について書いていきたいと思います。根管治療を必要とする歯内感染は歯の周囲の骨の免疫反応によって悪化したり治癒に向かったりします。それはいくつかの局所的および全身的な素因の影響を受けます。
喫煙は血液供給を減らし、抹消への栄養素や酸素の到着を制限することにより、歯根周囲組織に影響を与える可能性が示唆されています。
したがって、歯髄(歯の神経)や歯根周囲組織は細菌感染による破壊を制限する能力が低いことが推察されます。
また、様々な免疫応答も制限を受ける為、治療後の治癒および修復に対して悪影響を及ぼします。
しかし、喫煙者の根尖性歯周炎(根の先の膿)に対する炎症反応を調査した研究では一貫性がない結果が多数散見されます。
ここで、それらの論文をまとめて分析した研究を紹介したいと思います。
この研究では数多くの喫煙と根管治療の関係に関する論文の中から選択基準に一致した15件の研究について調べています。
この15件の研究のうち、10件がタバコの喫煙と根尖病変および根管治療の有病率の高さの関連性を報告していました。
血縁者は非喫煙者と比較して、それらの可能性が2倍高まることが示されました。
しかし、これらの結果はそれぞれの研究の方法などの不均一性によりエビデンスレベルは中程度であると述べています。
喫煙は口から行うことがほとんどなので、口腔内の組織はその影響をダイレクトに受けることが予想されます。
根尖性歯周炎の他に歯周病への悪影響は以前から知られており、歯科の治療を受ける上でタバコとの関係性は切っても切り離せない事項の一つです。
喫煙を行っていると選択できない治療法も出てきてしまうため、それらを治療オプションとして取り入れる際は、それを機に禁煙するのも一案だと思われます。
豊島区池袋の倉本歯科医院では歯内療法専門医による根管治療を行っております。
お悩みの歯がありましたら、ご相談ください。
https://kuramotodc-ikebukuro.com/reservation.html
2023年01月06日 13:30