倉本歯科医院|歯内療法専門医による精密根管治療|東京都

歯内療法専門医によるマイクロスコープ、歯科用CTを使用した精密根管治療を実施しております。

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窩洞を小さくすると咀嚼による歯の耐久はどうなるか

今回は窩洞の大きさの違いによる根管治療後の歯の耐性を咀嚼シミュレーターを用いて調査した研究を紹介したいと思います。
 
根管治療を行う為には、根管にアクセスするための窩洞を形成する必要が絶対にあります。
この窩洞の形成の仕方でその後の根管治療における器具操作、視認性などが大きく影響を受ける為、根管治療の最初の一歩としてかなり重要な項目です。
しかし、この窩洞を大きくすればするほど根管治療のやりやすさは向上しますが、治療後の歯の耐久性が落ちると発表している研究が多々あります。
その為、我々歯内療法専門医は根管治療のやりやすさと歯の耐久性を天秤にかけながら窩洞形成を行っております。
近年、その窩洞を極端に小さくし根管治療を行う手法が海外で度々散見されます。
 
ここから紹介する研究についてですが、この極端に窩洞を小さくした手法をCEC(Contracted Endodontic Cavities)と表し、これまでの窩洞形成をTEC(Traditional Endodontic Cavities)と表し紹介していきます。
ヒトから抽出した抜去歯を用いた研究で、虫歯、摩耗、修復物、亀裂のない無傷の歯が選択されました。
咀嚼シミュレーターでは1年間の咀嚼回数に相当する240,000咀嚼サイクルがシミュレートされたと記されています。
その後、破壊までの荷重を記録しています。
結果として、CEC群はTEC群と比較して破壊耐性は数値上高かったが、その差は統計的に有意ではなかったとのことです。
また、何も処置をしていない対照群と両者を比較すると、対照群の破壊耐性は実験群のサインプルより統計的に有意に高かったと記しています。
 
統計的に有意に差が出ていない以上、積極的にCECのような窩洞形成を選択する必要は現段階ではないと考えられます。
そもそも、CECのような窩洞は歯を垂直方向から視認できることが重要となり、それは顎の大きさや開口量に大きく依存します。
論文として調査されていることが多い欧米人と比べて、日本人では上記を理由にCECを行うことが不可能なケースが多々あります。
したがって、優先されるべき項目は根管治療をしっかりと行うことができる窩洞かどうかに尽きると考えます。
その結果、窩洞が小さくできればそれに越したことはありませんが、それが目的となってはいけないことを念頭に置いておく必要があります。
 
豊島区池袋の倉本歯科医院では歯内療法専門医による根管治療を行っております。
お悩みの歯がありましたら、ご相談ください。
https://kuramotodc-ikebukuro.com/reservation.html
2023年07月07日 13:10

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