歯根破折の兆候とは
根管治療において最も致命的と言っても過言ではない事象が歯根破折です。歯根破折とは歯根にひび割れもしくは完全に破断してしまっているものを指します。
歯肉より上に出ている歯冠部の破折は口の中から視認することが出来ますが、歯根破折は歯肉の下で起こっているので口の中からでは簡単に確認することは出来ません。
歯根破折が既に根管治療してある歯根に多く発生することは過去の研究から明らかになっています。
今回は既に根管治療してある歯で歯根破折を起こしている場合に挙げられる所見について研究した論文を紹介致します。
2023年に発表された研究で、様々な論文をピックアップしてまとめた論文となります。
対象となった歯は2877歯で、その内489本に歯根破折があり、2388本が歯根破折がなかった歯とされています。
歯根破折の存在と有意に関連付けられる臨床症状として、以下の4つの項目が挙げられました。
・瘻孔の存在
・局所的に深い歯周ポケット
・腫脹/排膿
・打診痛
他にも性別、歯種、ポストの有無、修復物の種類、過剰な根管充填などについても評価しましたが、歯根破折の存在と有意に関連していないと示しています。
歯根破折は程度にもよりますが、基本的には抜歯が適応となります。
しかし、歯根破折の所見が複数確認されても歯根破折は起きておらず、適切に根管治療することによって治癒に導くことが出来るケースもあります。
根管治療を受ける際には、歯内療法専門医(根管治療専門医)を受診し適切に診査・診断を受け、治療に進むことをお勧めいたします。
豊島区池袋の倉本歯科医院では歯内療法専門医による根管治療を行っております。
お悩みの歯がありましたら、ご相談ください。
https://kuramotodc-ikebukuro.com/
2024年02月09日 08:26