倉本歯科医院|歯内療法専門医による精密根管治療|東京都

歯内療法専門医によるマイクロスコープ、歯科用CTを使用した精密根管治療を実施しております。

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2022年3月の記事:ブログ

伝達麻酔  ~安全な麻酔~

今回は引き続き伝達麻酔のことについて書いていきたいと思います。
 
従来の歯科で用いられている麻酔は浸潤麻酔と呼ばれ抹消の神経に対する麻酔なのに対して、伝達麻酔とはそれよりも中枢側の神経を麻酔する方法です。
中枢側の神経を麻酔することで、それよりも抹消の神経も麻酔されるので、通常の浸潤麻酔では効果が得られにくい部位に対しても、しっかりと麻酔効果が得られるのが最大の利点です。
しかし、従来の伝達麻酔は神経のかなり近くに針を挿入するため、神経損傷による神経麻痺や周囲の大きな血管を傷つけてしまうリスクもあります。
その為、あまりポピュラーには用いられない手法なのです。
 
当院が採用している伝達麻酔は”近位伝達麻酔”と呼ばれる手法で、従来の伝達麻酔よりも針の刺入点を抹消側にすることで神経損傷や血管損傷のリスクを下げることが出来ます。
 
具体的に書くと、側頭筋と内側翼突筋の間には翼突下顎隙と呼ばれる隙間があります。その隙間に麻酔液を満たすことで、大元の神経への麻酔効果を得ることを目的とします。
もちろん、お口の中からこの隙間は見えないので当たりを付けて針を刺入しますが、少し逸れたとしても筋肉に麻酔されるので、神経損傷や血管損傷のリスクはありません。
また、再度麻酔を追加する際も、一回目の麻酔で周囲の組織は麻酔されているので痛みもないことが利点の一つです。
 
歯科で麻酔を効かせることは安心して治療を受けられるだけでなく、よりスピーディーに治療を進める上でも非常に重要となります。
 
従来の浸潤麻酔で効果が十分得られる際には伝達麻酔は行いませんが、麻酔効果が得られにくい部位の治療の際はオプションとして持っておくと武器になります。
 
豊島区池袋の倉本歯科医院では歯内療法専門医による根管治療、歯髄保存治療を行っております。
お悩みの歯がありましたら、ご相談ください。
https://kuramotodc-ikebukuro.com/reservation.html

 
2022年03月30日 13:30

伝達麻酔   ~神経の大元に麻酔をする~

今回は前回の続きで麻酔の話を書いていきたいと思います。
 
通常、歯科で行う麻酔は注射の麻酔(浸潤麻酔)をしています。浸潤麻酔は麻酔針を歯肉に刺し麻酔液を骨に浸透させていきます。歯肉に対する麻酔も同様です。
歯肉に対しては直接麻酔液が流入しているので麻酔効果は間違いないですが、歯に対する麻酔は骨を浸透させるので歯根の位置や骨の厚みによっては麻酔が効きづらい場合が多々あります。
大部分の歯根は頬側に位置しているので頬側に麻酔を打つことで効果が得られますが、下の奥歯(大臼歯)は歯根の先端が骨内の中央から舌側に位置していることが多く、その分骨が厚いので効きづらいことが多いのです。
下の親知らずの一つ手前の歯(下顎第二大臼歯)に関しては、骨の厚みが他の歯と比べて2倍以上ありますので余計に効きづらいのです。
量を多めにしても骨内を浸透するには時間がかかるため、また一度痛みを感じると麻酔効果は得られにくいことから、いくら麻酔を足しても治療中の痛みが取れない経験がある方もいるかと思います。
そのような事を事前に回避するためには伝達麻酔を行う必要があります。
浸潤麻酔が神経の抹消に対する麻酔に対して、伝達麻酔は浸潤麻酔より中枢の神経への麻酔を目的としています。
中枢の神経へ麻酔効果が得られれば、抹消の神経が麻酔が効きづらい位置にあったとしても問題ありません。
 
歯科医師が伝達麻酔を習うのは一般的には下顎孔伝達麻酔という方法です。詳しい方法は割愛しますが、この伝達麻酔にはリスクがあります。麻酔効果を得るための神経に直接刺してしまうと神経麻痺が起こったり、周囲にある大きな血管に麻酔液が流入してしまうと急激に血中濃度が上がってしまい中毒になったり血管損傷のリスクがあります。このようなリスクがあるために下顎孔伝達麻酔は敬遠されがちな麻酔手技となっています。
 
近年(約20年前ですが)、新たな伝達麻酔の方法が発表され当院ではその方法を採用しております。
それは“近位伝達麻酔”と呼ばれる方法です。麻酔効果を目指す神経は下顎孔伝達麻酔と同様ですが、麻酔針を挿入する位置がより抹消側なので近位という用語が付属します。
詳しい方法については後に書いていきたいと思います。
 
当院では、歯内療法専門医の処置時の麻酔に関しては特に気を使っております。根管治療は痛みを伴う処置になることが多いため嫌われがちな治療ですが、しっかりと麻酔効果が得られた状態で治療が出来れば患者さんは安心して治療に望めますし、我々も治療中に余計な気を使わずに治療を進めることができるため、とても効率的なのです。
 
豊島区池袋の倉本歯科医院では歯内療法専門医による根管治療、歯髄保存治療を行っております。
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2022年03月23日 13:30

麻酔について  ~痛みを極力感じさせない為には~

今回は歯科の治療において切っても切り離せない“麻酔”について書いていきたいと思います。
歯科の麻酔というとブスっと注射をしていくイメージがあるかと思いますが、注射の麻酔をする前にやることや、実際に刺す位置によって痛みの感じ方は変わってきます。
針を刺す前に表面麻酔を行うことで針が刺さった際の痛みを軽減することが出来ますが、麻酔液が組織内に入っていく際の違和感や痛みは表面麻酔では消すことは出来ません。
なので、表面麻酔をしても意味がないと思っている歯科医師も少なからずいますが、表面麻酔の方法をしっかりと実践することで刺さる際の痛みは極力感じさせないことが出来ます。
 
具体的には、表面麻酔を行う粘膜をしっかりと乾燥させること、これをしないと唾液で表面麻酔の効果も一緒に流れてしまいます。二つ目はしっかりと作用時間を置くこと、粘膜にしっかり麻酔の作用が浸潤するまでは時間を測り待つことが大事です。
 
表面麻酔をした後は注射の麻酔(浸潤麻酔)を行っていきます。刺す位置は表面麻酔を行った位置かつ歯肉と頬の粘膜の移行部に打ちます。粘膜の下に可動性があり、麻酔液が入っていく際の痛みが感じにくい場所だからです。歯肉とその下にある骨はそこに比べると強力にくっ付いているので、その部分に麻酔液が入ると痛みを感じやすいのです。歯肉頬移行部に麻酔を行った後は周囲も麻酔の作用が出てきますので、必要に応じて麻酔を追加していきます。
 
しかし、このように麻酔をしっかりと行ってもなお効きにくい場所があります。それが下の奥歯です。
具体的には親知らずの一つ手前の歯です。
下顎は奥にいくについれて骨が厚くなり麻酔が浸潤しにくくなります。また、他の部位の根の先は頬側に位置しているので頬側に麻酔を行うことで麻酔効果が得られますが、親知らずの一つ手前の歯は舌の側や骨の中心に根の先が位置していることが多いのです。その為、麻酔が効きづらいということが起きてしまいます。
当院ではその歯の神経に対する処置をする際は伝達麻酔という手法を用いて麻酔を行っております。
通常の浸潤麻酔は抹消の神経に対する麻酔ですが、伝達麻酔はそれよりも中枢側の神経に対する麻酔なので、麻酔効果は抜群です。
伝達麻酔にも種類がありますが、それについては後日詳しく記載したいと思います。
 
豊島区池袋の倉本歯科医院では歯内療法専門医による根管治療、歯髄保存治療を行っております。
当院では極力痛みを感じさせないよう最大限努力して診療しております。
お悩みの歯がありましたら、ご相談ください。
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2022年03月18日 13:10

日本デンタルショー2022に参加してきました

先週の3/4~6にかけてパシフィコ横浜で開催されていた日本デンタルショー2022に参加してきました。
 
デンタルショーとは歯科用品を販売している企業さんが一同に会して行う展示会みたいなものです。
普段ですと、気になる機器や器具があった場合は個別に連絡を取り企業ショールームに展示を見に行くか、デモ機を持ってきていただき製品を試すのですが、気になる製品が多い場合はかなり面倒となります。
デンタルショーは気になる製品を一気に実際に手に取って見ることが出来るので、新しい発見などもあったりします。
新型コロナウイルス感染症の為、ここ数年は大きなデンタルショーが開催されていませんでした。
数年ぶりのデンタルショー開催ということで私共も参加してきました。
かなり広い会場ですので、気になる製品を全て見るとなると一日がかりとなってしまいます。
 
ここ最近は歯科業界でもデジタルの流れが来ており、口腔内スキャナーや院内IoT化の製品が多数展示してありました。
もちろん、根管治療用の製品の展示しており、チェックしてきました。
気になる製品を手に取って見ることが出来たので今後の診療に導入していきたいと思っております。
 
豊島区池袋の倉本歯科医院では歯内療法専門医による根管治療、歯髄保存治療を行っております。
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2022年03月10日 13:10

外科的根管治療  ~処置に至る条件とは~

今回も外科的根管治療について書いていきたいと思います。
 
外科的根管治療の成功率は高く、被せ物を壊さずに処置ができるので、患者さんにとっても頼りになる治療法の一つです。
しかし、外科的根管治療を行うのに必要な条件みたいなものが存在します。
これは絶対に満たしていないといけない訳ではないですが、満たしていた方が予後は良くなるというものです。
 
・精度の良い被せ物が装着されている
・根管治療自体がしっかりとされている
・根尖付近まで長いポストが装着されていない
・マイクロスコープ、およびマイクロサージェリー用の外科器具が揃っている
・歯内療法専門医による処置

 
下二つに関しては、必須な条件となります。
マイクロスコープ、およびマイクロサージェリー用の外科器具を使用した場合の成功率(約90%)と、使用していない場合の成功率(30~50%)では大きく差が出てきてしまうからです。
また、ここで提示している成功率を調査している論文は歯内療法専門医が処置を行っている前提となっています。
以前であれば、口腔外科に依頼をすることが多い処置でしたが、マイクロスコープを用いた外科的根管治療が出てきてからは歯内療法専門医が担当する領域となっています。
 
外科的根管治療とは通常の根管治療と違って根尖部のみの処置しかできません。なので、根管上部に感染が多くあることが予想される場合や、被せ物の精度が悪く細菌の流入が予想される場合には外科的根管治療は控えた方が賢明です。
我々、歯内療法専門医の外科的根管治療の位置づけとしては、通法の根管治療によって除去し切れない感染部を除去するというものです。
なので、通法の再根管治療を行わずに、いきなり外科的根管治療を行うことはほとんどありません。
患者さんの希望があったとしても、そのデメリットを説明し、しっかりと理解された上でなおかつご納得された方への処置となります。
 
このように外科的根管治療の成功率を高める意味合いでも、術前の根管治療をしっかり行っている必要があり、なおかつ処置を行う場合はしっかりと設備が整った環境で歯内療法専門医が担当することが予知性を高める上で必要な条件と言えるでしょう。
 
豊島区池袋の倉本歯科医院では歯内療法専門医による根管治療、外科的根管治療、歯髄保存治療を行っております。
もちろん、マイクロスコープおよびマイクロサージェリー用の器具もしっかりと揃えてあります。
お悩みの歯がありましたら、ご相談ください。
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2022年03月04日 13:50

外科的根管治療  ~適応になる症例とは~

今回は外科的根管治療について書いていきたいと思います。
外科的根管治療とは、通法の根管治療を行っても治療に反応がなく、治癒に導けない場合に用いる次の一手ではありますが、全ての症例で適応になる訳ではないのです。
外科的根管治療をすることによって治癒に導くことが期待できる症例を確実に選択することが、患者さんのご負担を軽減する手助けにもなります。
 
外科的根管治療の適応について以下に挙げていきます。
 
①通法の根管治療によって治療に反応がなく治癒しない場合
②除去が困難あるいは除去の必要のない修復物が入っている場合
③歯根嚢胞を疑う場合
④根尖性の歯根破折の可能性がある場合

 
以上に挙げたものが全てではありませんが、日常的に多い順に挙げています。
 
①については、通法の根管治療によって治癒しない理由にある程度の当たりをつけて外科的根管治療に臨むことが必要です。原因も分からずに治療を行っても治癒に導いたとしてもそれは“偶然”となってしまいます。
 
通法の根管治療によって治癒しない場合は以下の原因が考えられます。
・根尖孔外の感染が考えられる
・根尖孔外に材料が逸出あるいは突出している
・処置しきれない部位に未処置根管が存在する
・根管の本来の形態が破壊されており、根尖までの適切な清掃が困難
・根尖付近に除去困難な歯科材料あるいは器具が存在する

 
上記に挙げた例の内、一つ目の”根尖孔外の感染が考えられる”に関しては術前に確かめる術はありません。
切除した根尖を病理学的検査に出して初めて分かることなのです。
 
マイクロスコープを使用した外科的根管治療の成功率は高い(90%前後)と発表している論文は数多くありますが、それは術前にしっかりと診査・診断をして手術を行うことで治癒に導ける可能性のある症例を選択しているからに他なりません。
その選択も歯内療法を専門にしている者だからこそ出来る選択なのです。
根管治療、外科的根管治療を行う場合は歯内療法専門医へのご相談をまずはお勧めいたします。
 
豊島区池袋の倉本歯科医院では歯内療法専門医による根管治療、歯髄保存治療を行っております。
お悩みの歯がありましたら、ご相談ください。
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2022年03月02日 13:20

倉本歯科医院

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