根管洗浄の重要性 ~LAの効果を調査した研究から得られること~
今回は根管洗浄の重要性を再認識させられる興味深い研究が発表されたので紹介したいと思います。根管治療の目的の一つである細菌の除去は機械的清掃と化学的清掃の二つの組み合わせによって最大の効果を発揮します。
機械的清掃とは歯内療法用器具を用いて根管内を機械的に切削して感染歯髄および感染象牙質を除去することを目的としています。
化学的清掃とは消毒液を用いて根管内のデブリ(汚れ)を洗い流したり、機械的清掃が出来ない根管内の箇所を消毒することを目的としています。
今回紹介する研究は、機械的清掃に含まれる根管形成前と根管形成後の細菌コロニー数を比較し、更に根管形成後にLA(Laser ablation)を用いて根管洗浄した後の細菌コロニー数を計測した研究です。
結果として、細く根管形成した根管内の細菌数は太く根管形成した群より細菌数減少は少なく、細い太いに関わらず根管形成した群全てで根管形成する前より有意に細菌数の減少を認めたとのことです。
根管形成後にLAによって根管洗浄した群でも洗浄前と比較すると全ての群で細菌数の減少を認めました。
洗浄剤として、根管治療で一般的に使用される次亜塩素酸ナトリウム溶液と殺菌効果のない生理食塩水を比較もしていますが、次亜塩素酸ナトリウム溶液を使用した群の方が生理食塩水を使用した群よりも約2倍細菌の減少効果を認めました。
根管形成をして根管内を機械的に清掃することに重きを置く風潮が一般の歯科医師の間で散見されます。
根管形成後や根管形成中の根管洗浄に重きを置いて紹介しているトピックは少ないと言えます。
根管洗浄の重要性を重々理解して根管治療に当たることが、より根管治療の成功率を上げる一歩だと考えます。
治療を受けている患者さんはどのように根管形成をして、どのように根管洗浄をしているのかは分かりません。
なので、根管治療は歯内療法専門医による治療をお勧めしております。
豊島区池袋の倉本歯科医院では歯内療法専門医による根管治療を行っております。
お悩みの歯がありましたら、ご相談ください。
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