歯髄保存の材料による成功率の違い
今回は歯髄保存治療を行う上で避けては通れない材料による成功率の違いについて書いていきたいと思います。歯髄保存治療を行う上で、何の材料を選択するのかは重要な要素の一つではありますが、それが全てではありません。
一般の歯科医師の中には歯髄保存治療を材料の違いが大きく関係しているという考え方を持った方も散見されます。
選択する材料の他にも考えるべき要素は多々あります。
例えば、歯根の状態、歯髄露出の原因、患者の年齢、歯髄の状態、修復材料の種類など様々です。
ここまでが大前提として、次に選択する材料について考えるのです。
今回は材料の違いで様々な論文を評価してレビューを書いている研究を紹介したいと思います。
最初の検索で1072件の研究がリストアップされ、その中から基準を満たした論文を抽出していきます。
最終的に16件の研究が今回のレビューに含まれました。
比較した材料は、ProRoot MTA、水酸化カルシウム、CEM、バイオデンティンの四種類です。
ProRoot MTAと水酸化カルシウムを比較した1年後の成功率の違いは、ProRoot MTA約89%、水酸化カルシウム約76%でした。
ProRoot MTAとCEMを比較した場合、ProRoot MTA約92%、CEM約89%。
ProRoot MTAとバイオデンティンを比較した場合、ProRoot MTA約91%、バイオデンティン約91%でした。
歯髄切断術に上記の材料を選択した場合の12カ月の成功率は上記に記した通りです。
可逆性または不可逆性の歯髄炎を患っている永久歯の治療における材料の選択をする上で今回の研究で有効であることが実証されました。
しかし、レビューを行っている論文間のバイアスなどを考慮すると全ての情報を鵜呑みにするのは慎重になった方がよいと筆者は述べています。
先にも述べた通り、選択する材料の違いを考えることは重要ですが、それが全てではありません。
歯髄保存治療は簡単に言うと虫歯治療です。
どこの歯科医院でも日常的に行われている治療ですが、考慮することは意外と多いのです。
歯の神経に近いような大きな虫歯の場合はもちろんのこと、削ってみるとレントゲン写真で考えていたより深い虫歯だったなんてことも珍しくありません。
そのような場合を考えると、最初の時点で歯内療法専門医による診査、診断、治療をお勧め致します。
豊島区池袋の倉本歯科医院では歯内療法専門医による歯髄保存治療、根管治療を行っております。
お悩みの歯がありましたら、ご相談ください。
https://kuramotodc-ikebukuro.com/reservation.html