倉本歯科医院|歯内療法専門医による精密根管治療|東京都

歯内療法専門医によるマイクロスコープ、歯科用CTを使用した精密根管治療を実施しております。

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根管洗浄  ~根管のサイズは大きい方がいい?~

今回は根管洗浄について書いていきたいと思います。
 
根管洗浄とは、消毒液をしようして根管内を綺麗にすることです。
その他に、器具を使用した機械的清掃では除去できない細菌や、機械的清掃によって生じたデブリなどを除去することを目的としています。
例えるなら、車の洗車でスポンジブラシを用いて車を綺麗にしても、落とした汚れを徹底的に洗い流さないと綺麗になりませんよね?イメージとしてはそれと一緒です。
 
根管洗浄を行う上で大事な要素は何の消毒薬を使用するか、どのくらいの量を使用するか、どのくらいの時間をかけて洗浄するか、さらに根管内はどのような状態にしておくべきかなどです。
今回はこの中の根管内はどのような状態にしておくべきかに着目して書いていきます。
 
1943年、今から約80年前にグロスマンという歯内療法の礎を築いた著名な歯科医師は、根管洗浄の際は消毒液を根管内で灌流させることが重要で、さらにより良く灌流させるためには根管を適切なサイズに拡大する必要があることを報告しています。
その後、様々な研究により根管内のサイズは大きければ大きいほど細菌を除去する洗浄効率が高まることが報告されていますが、根管内を大きく拡大することによって歯の厚みが薄くなってしまうことが問題となります。
ある報告では根尖(根の先の出口)のサイズが直径0.6mmまで大きくすると根管内に残っている細菌が大幅に少なることを報告していますが、違う報告では根尖のサイズを0.6mmまで大きくしてしまうと根管充填材の封鎖性が低下してしまうとも報告しています。
根管洗浄のことを考えるのであれば根尖のサイズおよび根管内のサイズは大きければ大きいほど良くなりますが、その他のことを考慮すると大きく拡大することのデメリットも数多く挙げられます。
根管治療をした際の根管の最終的な形態としては、元の根管形態を保持しつつ、適切なテーパーが付与されて(先細りの形態)、根尖のサイズも適切に拡大されている状態が理想です。
しかし、これらは研究対象としては個々に研究されていることが多く、何が一番正解となるかの特別な指標は存在しません。
なので、歯内療法専門医は個々の論文に目を通し、自分なりの正解をみつけて診療をしています。
しかし、それも日々アップデートしていかないと時代遅れの考えになってしまっている恐れもある為、注意が必要となります。
 
豊島区池袋の倉本歯科医院では歯内療法専門医による根管治療、歯髄保存治療を行っております。
お悩みの歯がありましたら、ご相談ください。
https://kuramotodc-ikebukuro.com/reservation.html
2022年06月22日 13:30

歯髄診断    ~全身疾患が与える影響は?~

今回も歯髄診断について書いていきたいと思います。
 
歯髄の生死を判定する上で必要な検査である歯髄診断ですが、それは歯髄の感覚神経の反応をみる感受性試験です。
この歯髄の感受性試験は全身疾患の影響を受ける可能性があることが示されています。
例えば、高血圧の方は、電気歯髄検査に対する歯髄反応を誘発するためにより高い電流が必要であり、副甲状腺機能亢進症の方は、そうでない方と比較して歯髄からの反応を得るために最大2倍の電流を必要とする場合があることが報告されています。
また、糖尿病は、歯髄の代謝変化を誘発するだけでなく、感覚構造と血管構造の両方に影響を与える可能性があることが報告されています。
 
ここで一つの報告を紹介します。
2型糖尿病患者とそうでない人を比較して歯髄感受性試験に対する歯髄の反応を評価する研究です。
ここでの歯髄感受性試験はCold Test、Electric Pulp Testの2種類です。
結果として、冷温および電気歯髄検査に対して、2型糖尿病の方はそうでない方と比較して有意な差はありませんでした。
しかし、45歳を超える糖尿病の方は冷温検査に対する反応が有意に低下したとされています。
この研究では、2型糖尿病の方とそうでない方を比較しても診断に影響を与えるほどの反応の違いは認めませんでした。
このことから、2型糖尿病であるかないかは歯髄診断にそこまで影響を及ぼさないことが示唆されていますが、歯髄診断は最初に言ったように歯髄の感受性試験であることから患者さんの主観による検査方法なので、どうしても統一性がない検査となってしまいます。
 
検査で出た結果は一つの指標として判断してその他の情報も含めて診断を下すことが重要であると考えます。
 
豊島区池袋の倉本歯科医院では歯内療法専門医による根管治療、歯髄保存治療を行っております。
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2022年06月20日 13:40

歯髄診断  ~矯正治療の影響は?~

今回は矯正治療の歯髄診断への影響について書いていきたいと思います。
 
歯髄診断とは歯に電気や熱刺激を与えてそれを感じられるかどうかで歯髄(歯の神経)の生活力を測る検査のことです。
一般的には歯髄が失活(歯の神経が死んでいる)していれば根管治療が必要となります。
しかし、歯の外傷(前歯をぶつける)や矯正治療中など歯に力が加わった際は歯髄診断の信頼性は低下してしまいます。
このような際は歯髄診断で歯髄に反応がないケースが多いためです。
 
今回は矯正治療中の力にフォーカスを当ててみたいと思います。
矯正治療中の群と非矯正治療群(対照群)とで比較すると、対照群は実験期間で歯髄診断に対する反応に変化はありませんでしたが、矯正治療中の群では電気による歯髄診断に反応を示さない数が矯正治療を進めていくにしたがって増えていきました。また反応は示すが反応の閾値の上昇を認めるものも多く、それは上顎三前歯の中で上顎側切歯(前から2番目の歯)の反応閾値が最も高かったと報告しています。
さらに、歯を動かしている間の反応閾値は高いまま推移することが多かったですが、それは矯正治療の最終段階の保定期間によって治療前の値に戻ったと報告しています。
 
歯に力を加えて動かすことによって根尖部にも圧がかかり、歯髄が一時的な虚血状態となり歯髄診断に反応を示さないケースや反応閾値の上昇を認めるケースがあると言われています。
矯正治療中に歯髄診断を行う場合は慎重に行わないと根管治療を行わなくてもいい歯に根管治療を施してしまう恐れがあります。
また、矯正治療中は根尖部の透過像(レントゲン写真における根の先の黒い影)を認めるケースもありますが、これも矯正治療が終了するにつれて消失するケースがあり、このような場合も根管治療の介入は不要となります。
もちろん歯髄診断を行い、経過観察する必要はありますが。
 
矯正治療中でなくても根管治療の介入の必要があるかどうかは歯内療法専門医にしっかりと相談することをお勧め致します。
 
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2022年06月17日 13:30

外傷後の歯髄診断  ~信頼性が低い?~

小さい子供は遊んでいる時や日常生活の中で顔面をぶつけて上の前歯にダメージを負ってしまうケースがあります。
永久歯の外傷による脱臼(歯が抜けかかっている状態)は8~15歳までの子供に頻発します。
上の前歯をぶつけて歯が脱臼している状態は、歯根膜、セメント質、歯髄の神経血管供給の破壊を伴う複雑な創傷なのです。
 
一般的に歯内療法の分野では、歯が失活していれば(歯の神経が死んでいる)根管治療の適用となります。
歯が失活しているかどうかは歯髄診断を行い検査していきますが、外傷後の歯髄はしばしば生活力が低くなっており、歯髄診断で失活していると診断されるケースが多いのです。
しかし、歯髄の状態の経過観察を続けていくと、一定期間経過後に歯髄の反応が復活するケースが多くあります。
歯にダメージを負うことは歯髄が歯の内側に入る部分である根尖部にも多大なダメージを負うことを意味しています。
その為、一時的な虚血状態となり歯髄診断で正確に検査できないと推察されています。
簡単に言うと歯の神経が仮死状態となっているということです。
 
近年、歯髄の状態を検査する手法として歯髄内の血流状態を評価するレーザードップラー法という検査法が紹介され論文でもしばしば見かけることがあります。
現在主流となっている歯髄検査は患者さんの主観を評価している関係で統一性がなく、客観的に評価できないのが最大の難点となっています。
このレーザードップラー法は歯髄内の血液循環を直接的に測定でき客観的な評価ができる為、検査の統一性が従来の歯髄検査と比べても高いと報告されています。
今回紹介している外傷後の歯髄診断においても、従来の検査法では受傷後すぐは歯髄反応がないことが多かったのですが、レーザードップラー法での検査では歯髄の血流を確認することができ、確実に歯髄が失活していない状態ということが確認できると報告しています。
 
このような新しい検査法や治療法が一般的に出回るまでは多くの論文による検討がなされています。
新しいトピックに目を通すことで日々の治療に落とし込めるよう研鑽をつむことが専門医として重要だと考えております。
 
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2022年06月15日 13:40

歯髄診断   ~臨床で効果的な診断方法とは~

今回も歯髄診断について書いていきたいと思います。
 
治療計画の最も重要な部分は診断であり、歯内療法では歯髄の生死(神経が生きているか死んでいるか)を正確に判断することは不可欠です。
歯髄は石灰化した象牙質のバリアに囲まれているため、歯内療法を開始する前に歯髄組織を直接検査することはできません。
したがって、歯髄の生死を決定するには間接的な方法を使用する必要があります。
最も一般的に使用される検査は、熱刺激や電気刺激を歯に与えてそれを感じられるかどうか確かめる検査です。
熱刺激は温かいもの冷たいものの二種類がありますが、歯髄の生死を検査する場合は一般的には冷刺激により検査します
冷刺激による検査を”Cold Test”、電気刺激による検査を”Electric pulp test”と呼んでいます。
さらに省略してCT、EPTと呼んだりもします。
 
一般的に、診断テストの妥当性は、その感度と特異度によって図られます。
”感度”とは診断テストによって正しく陽性と識別されたケースの割合で、感度が80%の場合は正しく陽性だと診断できたケースが80%ということです。逆に言えば、残りの20%は陽性であるにも関わらず陰性と判定されてしまうということです。
”特異度”とは診断テストによって正しく陰性と識別されたケースの割合で、特異度が90%の場合は正しく陰性だと診断できたケースが90%ということです。これも残りの10%は陰性であるにも関わらず陽性と判定されてしまうことを意味しています。
 
このように検査によって100%正しく診断することは難しいのです。
したがって検査を複数組み合わせて、その診断精度を上げていくことが必要となります。
 
とある報告では、Cold Testの感度は76%、EPTの感度は92%で、特異度はそれぞれ92%、75%と報告しています。
加えて、これら二つの検査を組み合わせた結果、歯髄に生活反応があると判定された内の97%は実際に歯髄が生きており、生活反応がないと判定された内の90%は実際に歯髄が死んでいたと報告しています。
 
実際には、歯の修復物の材質などにより全ての検査が性格に出来る訳ではありませんが、様々に工夫をして検査を行っております。
 
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2022年06月09日 13:20

歯髄診断  ~様々な検査方法がある~

今回も歯髄診断について書いていきたいと思います。
歯髄診断とは歯の神経が生きているか死んでいるのか確かめる検査のことです。
 
従来の歯髄診断は歯に電気や熱の刺激を与えてそれの感じ方によって歯髄の生死を判断しています。
現状の歯科医療では最も一般的に用いられている検査方法です。
しかし、論文ベースでの話となるとそれ以外にも検査方法はあるのです。
歯髄の生死を判定する確定的な証拠の一つとなるのが、歯髄に”血流があるかどうか”です。
その血流を測定する検査方法はレーザードップラーを用いた検査とパルスオキシメーターを用いた検査法です。
どちらも歯髄の血流に着目した検査となります。
なので、様々な研究結果をまとめてもこれらの均一性は高いと報告されています。
逆に電気や熱刺激を与える検査は患者さんの主観を頼りに行う検査なので、不均一性が高く客観的な評価が難しい検査方法なのです。
 
この様々な研究をまとめた論文では、熱刺激の内、コールドテスト(冷たいものを歯に当ててその刺激を感じるかどうか)は臨床医が利用できる簡単で最も正確な歯髄診断法であり、歯髄の状態を評価するための腫瘍な診断手段であると報告しています。
また、エレクトリックパルプテスト(電気歯髄診)(歯に弱い電気を流してその刺激を感じるかどうか)は感度が低いが特異度が高いため、結果が陰性であれば歯髄が生きているという状態を除外できる手段であると報告しています。
*”感度”とは疾患を持った人のうち、その所見がある人の割合で、”特異度”とは疾患を持たない人で、その所見がない人の割合のことです。感度が低く、特異度が高いということは、歯髄が生きていることを判定する精度は低いが、歯髄が死んでいることを判定する精度は高いということです。
これは以前より報告されていた結果と変わらないことを示しています。
 
理想を言えば、日常臨床でレーザードップラーやパルスオキシメーターを用いて歯髄中の血流や血中酸素飽和度を測定できれば良いのですが、現状それは難しい状況です。
なので、既存の検査法の特性をよく理解し、正しく歯髄の状態を診断することが重要となります。
 
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2022年06月08日 13:30

歯髄診断  ~神経が生きているか死んでいるか~

今回は神経が死んでいるのか生きているのかを知る為のテストである歯髄診について書いていきたいと思います。
 
歯の神経が生きているか死んでいるかは根管治療を行う上で重要なことで、神経が死んでいる(失活)状態であれば根管治療が必要となります。
逆に神経が生きている(生活)状態であれば、他の原因を考えなくてはなりません。
 
歯髄の状態を評価するために使用される方法は、非侵襲的で、客観的で、痛みがなく、信頼性が高く、再現性があり、標準化されており、簡単医実行でき、安価である必要があります。一般臨床において最も採用されている試験は、熱試験や電気試験などの歯髄感受性試験です。
ただし、これらの試験は歯髄の感受性(その刺激を感じられるかどうか)の試験であるので、歯髄が真に生きているかどうかを評価するために必要な”歯髄の血液供給状態”に関する直接的な情報は得られません。
歯髄の生活反応の有無を知るためのスクリーニング検査みたいなものなのです。
しかし臨床において、これらは治療介入の判断材料となります。
 
これらの試験は患者さんの年齢によって信頼度が変わってくることに注意が必要です。
幼若永久歯(歯根が完成しきっていない歯)の場合、その信頼性は低くなり、逆に歯髄腔が狭窄している事が多い高齢者の場合も、熱・電気刺激による反応は鈍くなります。
 
その歯の過去の治療歴や外傷の既往の有無、患者さんの年齢、性別、性格など様々なことを考慮して検査する必要があります。
そのため、一般の歯科医院では採用されていない場合もあります。
もちろん、根管治療が必要そうな全ての方に行うべき検査ではなく、必要と判断された場合のみ行う検査です。
 
術前に根管治療が必要な状態かどうか、それによって根管治療を行うことで症状の改善が期待できるか知ることはとても重要です。
歯髄保存治療を行ってても歯髄が失活していれば、その治療は無駄になってしまいます。
歯内療法専門医はこれらの情報を整理して術前の診断を下していきます。
 
豊島区池袋の倉本歯科医院では歯内療法専門医による根管治療、歯髄保存治療を行っております。
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2022年06月03日 13:00

歯根嚢胞  ~一体なにか?~

身体の中に生じた病的な袋状のものを嚢胞(のうほう)と言います。
その中には液状の内容物が入っており、ほとんどの嚢胞は、その内側が上皮によって覆われています。
歯根嚢胞は顎骨中のどの歯においても発生する可能性がありますが、上の前歯の発生頻度がもっとも高く、顎や口腔組織において、もっとも発生頻度の高い嚢胞です。
二次感染を起こしたり、臨床的に自覚できる程度まで拡大しない限り無症候性のことが多いです。
 
歯根嚢胞は組織学的に上皮によって裏装されており、それは歯の発生過程で取り残されるマラッセの上皮残遺の増殖に由来し、根管内の感染による炎症反応によって生じると考えられています。
多くの症例で、嚢胞被膜や嚢胞腔内にはコレステリン結晶が含まれており、組織学的な特徴となっています。
 
歯根嚢胞は自然発生する可能性は低く、その原因は元々根の周りに膿が溜まって(根尖病変)、その炎症反応によって歯根嚢胞となっていることが推察されてます。
根尖病変も無症状に進行していることが多いため、歯科医院でレントゲン写真を撮ったら指摘された経験がある方もいらっしゃるかもしれません。
症状がなければ治療介入の最終判断は患者さんに委ねられますが、骨の中の慢性炎症を放置すると、歯根嚢胞のように違う病態に変化してしまうことがあることは覚えておいてください。
根尖病変に対する治療法は通法の根管治療となりますが、歯根嚢胞に対する治療法は外科的根管治療となります。
歯根嚢胞を治療するためには、上皮層を取り残すことなく切除する必要があるからです。
ただ、歯根嚢胞の確定診断としては組織学的に検査をしないと分からないので、疑わしい場合でも治療手順としては基本的には通法の根管治療→外科的根管治療となります。
ただ、その判断も患者さんご自身では難しいと思いますし、一般の歯科医師では対応できない場合もあります。
その為、歯根嚢胞かもしれないと言われた際は歯内療法専門医による診察を受けることをお勧め致します。
 
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2022年06月02日 13:25

歯根嚢胞  ~膿とは違う病態~

今回は歯根嚢胞の事について書いていきたいと思います。
 
レントゲン写真やCT画像などで根尖の先に黒い影(透過像)を認める場合、根管内の感染が原因で根の周囲の骨を溶かし膿が溜まっていると判断することが多いです。
しかし、それが本当に膿かどうかは組織学的な検査をしないと確定診断はできません。
癌で言うと生検みたいと事です。
 
根尖部の透過像については組織学的に根尖膿瘍や歯根肉芽腫の場合が多く、それは通法の根管治療によって改善できることがほとんどです。
根管の形態や細菌の状態によっては通法の根管治療のみでは治癒せずに外科的な根管治療が必要になるケースもあります。
しかし、どちらも共通して言えることは根尖膿瘍や歯根肉芽腫に関しては原因の多くは根管内の細菌の感染によるものなので、それに対する処置を行います。
 
歯根嚢胞とは、組織学的には裏装上皮層、肉芽組織層、線維性結合組織層の三層構造からなります。嚢胞腔内には各種浸出液、剥離上皮、コレステリン結晶を認めます。裏装上皮は非角化重層扁平上皮であることが多いです。
治療法としては”摘出”となりますが、上皮層を取り残したりすると再発が多いと言われています。
歯根嚢胞に関しては、治療の第一選択は外科的摘出となります。
しかし、術前の所見からではそれが膿なのか腫瘍なのかは確定診断できません。
治療法としてはどちらも区別せずにまずは通法の根管治療を行い、それでも治癒しない場合に外科的根管治療を行います。
摘出した病変部を病理検査に出して、結果的に歯根嚢胞であったと分かるケースの方が多いのです。
 
難治性のケースの場合、歯根嚢胞である可能性が高いと説明を受ける方がそれなりにいらっしゃいますが、だからと言って治療の手順に大きな違いはありません。
通法の根管治療を精密にしっかり行われていることを前提に外科的根管治療に移行していきます。
そのような状況判断はやはり歯内療法専門医でないとハッキリしないことが多いのです。
歯根嚢胞の可能性があると説明を受けた方もまずは専門医による診査・診断を行った上で治療法をご相談することをお勧め致します。
 
豊島区池袋の倉本歯科医院では歯内療法専門医による根管治療、歯髄保存治療を行っております。
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2022年06月01日 13:40

樋状根  ~根管の清掃はより難しい?~

今回も前回と引き続き樋状根について書いていきたいと思います。
 
樋状根は英語ではC-shaped canalと呼ばれC字状の根管形態のことです。歯根は分離しているのが一般的な歯のイメージですが、歯根同士はしばしば癒合しており、歯根同士が癒合してくっ付いていることにより根管も根管と根管を繋ぐ溝(イスムス)によって一体となっている場合があります。
樋状根は極東アジアの地域の人に多く見られることから、ここ日本でも決して珍しい根管形態という訳ではありません。
その為、適切な治療法を理解しておかないと根管治療の失敗に繋がってしまいます。
 
ここで、とある報告を紹介いたします。
根管の中を掃除する器具である手用のステンレススチールファイルとNiTiロータリーファイルをこのC-shpaed canalに使用した場合、手用のステンレススチールファイルの方が切削体積は多く、より綺麗になっていたと報告があります。この一文だけを抜き取ると手用ファイルを使用した方がより良いイメージがあるかもしれませんが、手用ファイルの方が根管内の形態にエラーが生じやすいとも報告されています。
つまり、手用ファイルはNiTiロータリーファイルに比べて根管内の形態を破壊しやすいということも分かります。
 
また、違う報告では、異なる種類のNiTiロータリーファイルを使用してC-shpaed canalを根管形成した場合、根管内にファイルが接触していない面積が両者とも30%程度あったと報告しています。
 
以上の報告からも分かるように、何を使えば大丈夫という明確な指標は根管治療にはあまりないという事です。
様々な器具や薬剤を使用して根管内を出来る限り無菌に近づけることが求められているのです。
その為には、マイクロスコープを使用して根管内をしっかりと目視できる環境で治療が出来ることは大前提で、その上で適切な治療法を歯の種類によって変えていき、最適な結果を目指すことが必須となります。
根管治療にそこまでの時間と労力をかけられるのは歯内療法専門医以外にいません。
根管治療を受ける際は歯内療法専門医がいるということを頭の片隅に置いておいていただけると幸いです。
 
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2022年05月25日 13:30

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