倉本歯科医院|歯内療法専門医による精密根管治療|東京都

歯内療法専門医によるマイクロスコープ、歯科用CTを使用した精密根管治療を実施しております。

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外科的根管治療  ~短期間で良くなる?~

今回は外科的根管治療について書いていきたいと思います。
 
外科的根管治療とは、通法の非外科的根管治療で治癒できなかった歯、非外科的根管治療による介入が難しい歯などが対象となります。
通常、非外科的根管治療で治癒しない場合、細菌による刺激物が根管内に残留している場合、根尖孔外に細菌感染が及んでいる場合などが考えられます。
歯科用マイクロスコープの適用により外科的根管治療の成功率は大幅に向上したことは数多くの研究から報告されています。
 
非外科的根管治療は複数回の治療回数を必要とします。
それに対して、外科的根管治療は1回の治療介入で済むことが知られています。
ここでは、非外科的根管治療と外科的根管治療とで治癒のスピードに差があるのか報告した研究を紹介致します。
 
この研究は10年以内に英語論文として発表されたヒトを対象とした研究をいくつか集計して統計にかけた研究です。
検索によって3900もの論文がピックアップされ、その内の種々の条件に合致した10の研究をまとめています。
 
結果として、外科的根管治療は1年後の成功率は高い成功率を示しましたが、2-4年後には非外科的根管治療と成功率に関しては同等あるいは逆転傾向を示したと報告しています。
また、外科的根管治療の高い成功率は短期間のフォローアップによって示されてきたが、いくつかの研究では長期的なフォローアップ後でも根尖病変の有意な治癒が示されたと報告しています。
結論として、外科的根管治療は短期間のフォローアップでより迅速な結果を求める患者さんの間でより良い認識をもたらす利点を示していますが、長期のフォローアップでは従来の非外科的根管治療と比較して根尖病変の治癒に違いが出る可能性も示唆しています。
 
日本と世界では歯内療法を取り巻く環境が違うので一概に全てを参考にできる訳ではありません。
初回の根管治療が不適切に行われている状況では外科的根管治療を行っても長期的にみると再発してしまうリスクが高まります。
外科的根管治療はほぼ根尖部のみに対する処置なので、それよりも上の根管内の状態が担保できないと長期的な治癒が期待できません。
外科的根管治療は少ない治療回数済みで短期間の治癒に関しては優れていますが、このような事も考慮して行わなければなりません。
一度、歯内療法専門医による診察を受けて治療法については相談することをお勧め致します。
 
豊島区池袋の倉本歯科医院では歯内療法専門医による根管治療、歯髄保存治療を行っております。
お悩みの歯がありましたら、ご相談ください。
https://kuramotodc-ikebukuro.com/reservation.html
2022年07月14日 13:30

骨の開窓  ~病変がなくても違和感が持続している~

今回は骨の開窓(フェネストレーション)による根尖突出について書いていきたいと思います。
ここで書く”開窓”とは、歯槽骨(歯の周囲の骨)の皮質にある欠陥あるいは窓のような開口部を表します。
これは、生理学的(自然に)あるいは病理学的(病的に)プロセスから発生することが示唆されています。
ザックリ簡単に書くと、本来なら歯根の先は骨で覆われていますが、何らかの原因で歯根の先の骨に窓のような穴があいて粘膜と歯根の先が交通している状態です。
フェネストレーションによる根尖突出は、根尖病変、過去の外傷、歯周病、傾斜した歯、咬合性外傷、矯正治療、歯槽骨の元々の厚さなどの因子と関連していると言われています。
好発部位としては上の犬歯(上顎犬歯)、上の奥から二番目の歯(上顎第一大臼歯)あたりが多いと報告されています。
ここの部位は元々の歯槽骨の厚さが薄いことも原因の一つとなっています。
CTを利用した大規模調査をした研究では数%~十数%に開窓が見られたと報告していますが、これは研究手法やサンプルなどによって変わってくるので、あくまで参考程度です。
 
症状としては、根尖に相当する部位の歯肉を押すと痛むあるいは違和感があったり、その辺りに持続的な違和感があるといったものがあります。
 
根尖病変によって皮質骨が開窓している場合はそれに対する治療を行うことで治癒に向かい、根尖が骨で覆われる可能性もありますが、完全に覆われず一部開窓している場合もあります。
基本的に感染による炎症が原因でなければ経過観察となりますが、違和感などがあまりに強い場合は外科的な対応が必要となる事もあります。
 
このフェネストレーションによる根尖突出は普通のレントゲン写真では見つけることは出来ません。
歯科用CTによる精査が必要となります。
 
違和感があるが、歯根は悪くないと説明を受けた場合、このような事が起きていることも考慮しなければなりません。
もし気になる場合は歯内療法専門医に相談することをお勧めいたします。
 
豊島区池袋の倉本歯科医院では歯内療法専門医による根管治療、歯髄保存治療を行っております。
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2022年07月13日 13:10

瘻孔  ~歯肉にできた出来物~

今回は“瘻孔”について書いていきたいと思います。
 
瘻孔とは根尖病変(根の先に膿が溜まった状態)によって膿瘍(膿)が排膿路(出口)を求めて皮質骨が吸収されると、歯肉にできる出来物のようなものです。
ざっくり言うと膿の出口となります。
 
瘻孔は根尖病変の他にも、歯周病が悪化した際や、歯根破折による感染などによっても発生します。
膿の出口となる瘻孔と根尖病変を繋ぐ経路を瘻管と言いますが、この瘻管は上皮に裏打ちされていたり、あるいはされていなかったりと状況によって異なります。
しかし、根尖病変が原因の瘻孔に関しては根管治療を含む歯内療法後に治癒することは広く知られています。
瘻孔の存在は、歯内療法の長期的な結果には影響を与えない事が様々な研究で報告されています。
瘻孔はそのほとんどは口腔内の歯肉に発生しますが、ごく稀に顔の皮膚に発生する場合もあります。
 
ある研究では、レントゲン写真に写る根尖病変のサイズが大きいほど瘻孔の出現率は高まると報告しています。
根の周りの骨を吸収して病変は大きくなりますが、無症状の内に進行しているケースがほとんどです。
症状を感じた事はないが、歯医者で指摘された経験がある方もいらっしゃるかと思います。
実際に、瘻孔が出現している場合は前にも述べた通り、骨の吸収がある程度進んでいる事が多いので治療介入をしていく必要があります。
体の免疫の状態(体調)によって瘻孔は出現したり、消えたりを繰り返します。
消えたからと言って自然には治らないので注意が必要です。
 
瘻孔が生じる原因として歯根破折の可能性もありますので、治療介入により歯が保存不可能と診断される事もありますので、術前の診査・診断や説明が重要となります。
 
歯肉に出来物ができた際は歯内療法専門医による診察を受け、現在の状態を詳しく診査することをお勧め致します。
 
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2022年07月11日 13:30

歯の漂白  ~考慮するべき合併症とは~

今回も歯の内部漂白について書いていきたいと思います。
歯の内部漂白は日本では”ウォーキングブリーチ”と呼ばれ、歯髄(歯の神経)のない歯が適用となります。
文字通り、歯の内側に薬剤を入れて内部から歯を漂白する方法です。
 
しかし、ウォーキングブリーチを行う際は考慮しなければならない合併症が存在します。
それは”歯頚部外部吸収”です。海外ではECR(external cervical resorption)と呼ばれています。
これは、ウォーキングブリーチを行った歯の主に歯と歯肉の境目付近の歯が原因不明に吸収する現象です。
ウォーキングブリーチ後のECRは1979年に最初に報告されて以来、様々な研究によってその関連を調べられてきました。
しかし、現状ではウォーキングブリーチ後になぜECRが発生してしまうのかは分かっていません。
ECRは無症状で現れる傾向があり、多くの場合はレントゲン写真を撮って発見されます。
進行具合によっては、周囲の歯肉が腫れたり、歯を叩いた際に何らかの症状を感じます。
また、症状が進行してから発見されることが多いことから修復が困難なケースもしばしば報告されています。
修復が困難ということは歯の保存が不可能ということであり、抜歯対象となります。
様々な研究によるウォーキングブリーチ後のECRの発生率は0~7%程度と報告されており頻度はそこまで高くはありませんが、術前に患者さんにはしっかりと伝えておかなければならない事なのです。
 
歯を削らずに歯を白くできる素晴らしい治療法ではありますが、そのリスクをしっかりと理解した上で治療を選択する必要があります。
もし、ECRの可能性を受け入れられない場合は歯を切削してべニアを貼りつけたり、被せ物を被せたりする治療が適用となります。
術前の説明をしっかりと聞いて治療法を選択し、自分にとって何がベストなのか一緒にご提案できればと思います。
 
豊島区池袋の倉本歯科医院では歯内療法専門医による根管治療、歯髄保存治療を行っております。
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2022年07月08日 13:30

歯の漂白  ~最も多い原因とは~

今回も歯の漂白について書いていきたいと思います。
歯の漂白はホワイトニングが一般的だと思いますが、歯内療法の領域の中にも歯を漂白する”ウォーキングブリーチ”という方法があります。
一般的なホワイトニングは外側から薬剤を塗布して歯を漂白するのに対して、ウォーキングブリーチは歯の内側から薬剤を入れて漂白します。
歯の内側から薬剤を入れるので、歯髄(歯の神経)は除去してあることが前提となります。
したがって、歯髄が失活(歯の神経が死んでいる)おり、それに伴って歯の変色が起きているケースが対象となります。
 
ここで一つの研究を紹介します。
歯の漂白が必要なケースを集計した結果、最も多かった歯種は上の一番前の前歯で、その次は上の二番目の前歯でした。
また、原因として考えられる最も一般的な原因は歯の外傷で、次に以前の歯科治療、歯髄壊死、歯髄石灰化だったと述べています。
歯の外傷により歯髄にダメージが加わることで歯が失活して歯が変色したと考えられます。
この研究では日本でも一般的に用いられる過酸化水素水、過ホウ酸ナトリウムを使用してウォーキングブリーチを行っております。
その結果、歯の変色の改善に対して「良好」と答えた患者は87.1%、「許容可能」と答えた患者は12.9%でした。
この結果だけみるとウォーキングブリーチによる歯の漂白は歯の変色を改善するのに効果的と判断できます。
しかし、歯の漂白の効果は未来永劫続くものではありません。なので多少の後戻りは考慮しないといけません。
その場合、再度ウォーキングブリーチを行うか、歯を被せる処置に移行するかはその時の判断となります。
 
歯が一本だけ変色している場合、歯の神経が死んでいる可能性があり、過去に根管治療を行っている場合でも根管治療をやり直し、歯を内側から漂白することで変色を改善できるかもしれません。
お悩みの歯がありましたら、まずご相談ください。
 
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2022年07月07日 13:50

歯の漂白  ~歯の内側からする漂白~

今回は歯の漂白について書いていきたいと思います。
 
歯を白くしたい場合、通常ですとホワイトニングが真っ先に頭に思い浮かぶと思いますが、歯内療法の領域でも歯の漂白について取り扱っています。
歯が失活(神経が死んでしまう)すると歯が変色することを知っている方は多いと思います。
通常、歯内療法の領域における歯の変色は、歯髄(歯の神経)の損傷、歯髄腔および歯髄組織の残骸による汚染、根管充填材などによって引き起こされます。
外傷などで歯にダメージが加わると、歯髄の血液中の赤血球の溶血によって誘発される鉄が放出され、これは硫化鉄に変化し、歯の変色を引き起こすとされています。
 
歯の表面が着色によって変色しているのではないので、通常のホワイトニングだけでは効果が得られにくいのです。
このような場合、歯の内部から漂白する”ウォーキングブリーチ”と呼ばれる手法が用いられます。
ウォーキングブリーチを行うには歯質が多く残っていることが前提となりますが、根管治療を行うまたは行った窩洞内に薬剤を入れて数日間から数週間程度置いておくことで歯が漂白されます。
この際に用いられる薬剤として、過酸化水素、過ホウ酸ナトリウムなどが古典的に使用されています。
ある研究では濃度が高いほど漂白効果が高いと報告していますが、濃度が高まるにつれて歯へのダメージも報告されています。
漂白剤が浸透する範囲で歯の吸収があることが報告されているのです。
これは漂白の手順や方法、使用薬剤およびその濃度、適用時間を守ることで、ある程度防ぐことは出来ますが、行う前にリスクとして説明しております。
 
前歯をぶつけてから歯が変色してきた、根の治療をしてから歯が変色しているなどのケースは歯の内部から漂白することで改善できる可能性があります。
根管治療の状態によっては、再根管治療が必要になることがありますので、お悩みの際はご相談ください。
 
豊島区池袋の倉本歯科医院では歯内療法専門医による根管治療、歯髄保存治療を行っております。
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2022年07月06日 13:40

根管洗浄  ~レーザーを用いた洗浄液の最適な濃度は~

今回もレーザーを用いた根管洗浄について書いていきます。
 
歯内療法の領域で最も一般的に用いられる根管洗浄剤は次亜塩素酸ナトリウム(NaOCl)です。
効果は抗菌性と組織溶解能力です。
根管洗浄はこのような洗浄液を根管内の隅々まで行き届かせることが理想とされていますが、現実的にそれは難しいです。
そこで根管内に洗浄液を満たした状態でレーザー(Er:YAG)を使用すると、レーザーによって誘発された大きな蒸気泡が膨張して破裂し、根管系でアコースティックストリーミングを引き起こします。
コップの中に水を入れて音叉を鳴らして水の中に入れると水が揺れるのを見たことがあるかと思いますが、それに似たような現象です。
このようなシステムをPIPS(Photon-induced photoacoustic streaming)と呼びます。
 
根管洗浄剤は用いる濃度によっても効果は変わってきます。
しかし、レーザーを用いたPIPSとNaOClとの相互作用に関する研究はまで不足している状態です。
そこで一つの研究を紹介します。
NaOClの濃度が、PIPSによるキャビテーション効果と流体力学にどのような影響を与えるかを調べた研究です。
結果として、NaOClはPIPSによって生理食塩水と比較して有意に強いキャビテーション効果を示しました。具体的には、レーザーにより誘起された気泡の数とその振動時間が長い点においてです。
また、濃度の異なったNaOClによる流体速度の違いについての結果は、1%、2.5%NaOClが実験群の中で早く、濃度が高まるにつれて遅くなっていきました。
 
以上のことからレーザーを用いたPIPSによる根管洗浄時には、1%、2.5%あたりの濃度のNaOClを使用することで効果が発揮されることが示唆されました。
 
現状、レーザーを用いた根管洗浄は当院では行っておりませんが、導入した際はこのような研究を参考に治療プロトコルを決定していきます。
 
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2022年07月04日 13:30

根管洗浄  ~術後の疼痛に変化はあるのか?~

今回も根管洗浄について書いていきたいと思います。
 
前回はレーザーを使用した根管洗浄について書きましたが、今回も引き続きレーザーを使用した根管洗浄について書いていきます。
通法の根管洗浄はシリンジに洗浄液を入れて根管内を洗浄し、補助的に超音波機器を用いて根管内を撹拌させます。
そうすることで洗浄液を根管内の隅々まで行き届かせることを目的としています。
 
近年、レーザーを使用した根管洗浄が根管治療のトピックの一つとして挙げられます。
レーザーが発する高ピーク電力によって根管内に無数のバブルを発生させ、それらが灌流することで根管内を綺麗します。
しかし、レーザーを使用した場合、そのチップ先端には熱が生じ、それが歯根周囲組織に影響を与えたり、高いエネルギーを放出しているため、根尖孔外への影響も懸念材料の一つとなっています。
レーザーの仕様条件を守れば、洗浄液を根尖から押し出したり、歯根周囲組織への熱傷害も起きない、または起きづらいと報告している研究もあります。
最終的に実際の臨床で使用する際は安全性をしっかりと担保できる状況で使用することが望ましいです。
 
ここで一つの研究を紹介します。
通法のシリンジを用いた根管洗浄とレーザーを使用した根管洗浄を比較して、根管治療後の疼痛に変化があるかを調べた研究です。
根管治療後の疼痛に関しては、治療中の器具の押し出しや洗浄液の押し出しが原因の一つと考えられています。
なので、レーザーを使用した際に術後の疼痛に違いがあるかどうかを調べています。
ここでのレーザーを使用した根管洗浄はPIPSという手法を用いています。
PIPSとは”Photon-induced photoacoustic streaming”の略で、直訳すると光誘起光音響ストリーミングとなります。
PIPSは超音波機器を用いた場合に比べて洗浄液の流体速度、エネルギーの到達度は約10倍高いと報告されています。
結果から言うと、両者に術後疼痛の違いはありませんでした。
この研究から、根管洗浄にレーザーを補助的に使用するメリットを一つ得ることが出来ます。
このように無数にある研究からメリット・デメリットを見分けて実際の臨床に落とし込むことが重要となります。
 
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2022年06月29日 13:30

根管洗浄  ~レーザーを使用した根管洗浄~

今回も根管洗浄について書いていきたいと思います。
 
通法の根管洗浄ではシリンジに消毒液を入れてそれを根管内に挿入して根管内を洗浄します。
それにプラスして超音波機器を使用することで根管内の洗浄効率を上げることは広く知られています。
その他にも音波をしようする根管洗浄機器もあり、何をどう使うかは歯内療法専門医の中でも意見が別れるところです。
 
最近では、レーザーを使用した根管洗浄についての研究も数多く報告されています。
歯科で用いられているレーザーはその用途によって種類が変わってきますが、根管洗浄で用いられるのはEr:YAGレーザーと呼ばれる種類のレーザーです。
Er:YAGレーザーとは、2940nmの波長のレーザーで、水への吸収が非常に高いため熱傷害が極めて少なく、組織の蒸散に優れており、歯肉などの軟組織だけでなく、歯や歯根や骨などの硬組織にも応用が可能で、歯科領域において幅広く使用されています。
このEr:YAGレーザーを用いた根管洗浄は、水と消毒液である次亜塩素酸ナトリウム液にレーザーエネルギーが吸収されると、聞かして蒸気泡が形成されます。これらの大きな気泡は根管内で弾けることで二次キャビテーション効果を引き起こすと言われています。
要するに細かい泡が発生しそれが弾けることで根管内の汚れを落とすイメージです。
このレーザーを用いた根管洗浄のテクニックは”Laser activated irrigation(LAI)”と呼ばれています。
また、Er:YAGレーザーを使用したテクニックの一つとして”Photon-induced photoacoustic streaming(PIPS)”というものがあり、これは光音響(photoacoustic)および光機械効果(photomechanical effects)の結果として、根管内にキャビテーションおよび衝撃波を生み出します。
 
近い将来、レーザーを使用した根管洗浄は根管洗浄のプロトコルの一つに組み込まれる日が来るかもしれませんが、今はまだ数多くの研究がなされている段階です。
実際の臨床で使用するには安全面を第一に考え、その次にそれを使用するメリット・デメリットを考慮して用いられます。
私の大学院の母校である東京医科歯科大学歯髄生物学分野では、このレーザーを用いた根管洗浄に関する研究に携わっている先生が数多くおりますので、ぜひ頑張ってほしいと陰ながら応援しています。
 
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2022年06月27日 13:00

根管洗浄  ~洗浄針と根管のサイズの関係は?~

今回も根管洗浄について書いていきたいと思います。
 
根管洗浄は化学的清掃とも言われ、機械的清掃によって綺麗にした根管内を消毒薬を用いて清掃し、また機械的清掃によって生じたデブリなどを綺麗にすることも目的としています。
根管洗浄を行う上で重要なポイントの一つは、洗浄液を根尖(根の先)まで到達させ、しっかりと灌流させることです。
これは根管のサイズや洗浄で使用する洗浄針の種類によって違いが出てきます。
歯内療法の最近の流行の一つは低侵襲で根管治療を行うことで、そのため根管のサイズを小さくすることを推奨している場合もあります。
しかし、根管形成を小さくし過ぎてしまうと洗浄液が根尖まで到達できなかったり、洗浄液の適度な灌流が生じず結果的に根管内の清掃が不十分になる可能性が示唆されています。
このような場合も、それに関連した論文を調べて適切な条件を探っていくことが大事なのです。
 
ここで一つの研究を紹介します。
様々なサイズの根管を用意して、洗浄針の大きさや洗浄時のスピード等の変化でどのような影響があったかを調べた研究です。
ここでは、洗浄針の大きさは直径0.31mmと0.25mmの2種類を使用しています。また、根尖のサイズは0.2mm、0.25mm、0.3mmの3種類を用意しています。
結果として、どちらの針の種類でも根尖のサイズが0.2mm、0.25mmの根管では洗浄液を根尖まで到達させることはできませんでした。
また洗浄時のスピードも影響しており、スピードが遅い場合は根尖のサイズを0.3mmにしても洗浄液は根尖まで到達しなかったと報告しております。
この研究では洗浄針の形状についても言及していますが、ここでは省きたいと思います。
以上の結果から、実際に臨床で根管洗浄を行う際の根管形成時の根管のサイズ
や使用する洗浄針の大きさや形状、根管洗浄する際のスピードを検討していきます。
 
これらの研究は研究の条件によっては相反する結果を報告している場合もあるため、しっかりと検討することが重要となります。
 
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2022年06月24日 13:40

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