倉本歯科医院|歯内療法専門医による精密根管治療|東京都

歯内療法専門医によるマイクロスコープ、歯科用CTを使用した精密根管治療を実施しております。

HOME ≫ ブログページ ≫

ブログ

根管治療の手順について(3)

ブログ8画像
前回は根管の入り口に対する処置について書いていきました。今回は根管内の機械的な掃除について書いていきたいと思います。
 
皆さんは根管治療で根の中の掃除と消毒をしていくと歯科医から説明を受けることが多いと思います。
ここでは、細かい部分まで簡単に説明していきたいと思います。
根管の入り口に対する処置(根管口明示、根管の上部拡大)が終わったら、次に”ファイル”という器具を根管内へ挿入していき根尖(根の先端)を目指します。ファイルという器具は細いヤスリのような金属で直径の大きさが0.06mmから約1.4mmまで種類が様々あります。
基本的には細い器具から太い器具へ順々に使っていきます。根尖までの道筋がない状態で太い器具を使用すると根管の方向が変な方向へ逸脱してしまう恐れがあります。なので、細い器具で器具が通る通路をしっかりと確保するのが重要です。根尖までの道筋を確保することはかなり重要になりますので、このポイントが一番時間がかかる時もあります。根管とは形態的に直線のことは少なく僅かに湾曲していたり、大きく湾曲していたり、途中で塞がっていることがあります。いかに根管の形態に沿って根尖までの道筋を作るかが、今後の根管治療の鍵となります。根管の状態によっては根尖への道筋を作る為にファイルを数本から数十本使うこともあります。ファイルの種類もメーカーによって様々で自分が一番使いやすいファイルを選ぶと同時に、根管の状態によって違うメーカーのファイルを使用することもあります。一般の歯科医院では1種類しか置いていない所が多いと思いますが、歯内療法を専門にしている医院ではかなりの種類のファイルをストックしております。
保険の根管治療では保険点数の兼ね合いもあり、このような細かい部分の為に充実した器材を揃えるのは難しいと思います。
歯内療法専門医は患者さんにとって、歯にとって、根管にとって、より良い状態に出来るよう細かい部分までこだわって器具を揃えております。
 
豊島区池袋の倉本歯科医院では歯内療法専門医が根管治療を行っており、上記のような細かい部分の器具まで取り揃えております。
お悩みの歯がありましたら、ご相談ください。
 
2021年10月26日 10:15

根管治療の手順について(2)

DSC_0148
前回は神経(歯髄腔)にアプローチするまでの事についてお伝えいたしました。
今回は根管に対するアプローチについて話していきたいと思います。
 
歯髄の状態や根管の入り口(根管口)の状態は虫歯や嚙み合わせの影響による歯の状態や、ご年齢によっても変わってきます。
健康な状態であれば入り口はハッキリと観察することが出来ますが、虫歯や噛み合わせによる刺激が長期間続いていたり、ご高齢の方の歯の場合は歯髄腔や根管口が狭窄している場合が多いです。
歯髄は刺激を受けるとその刺激からの防御反応として刺激を受けている側から石灰化していき、どんどん狭窄していきます。そうすると、どこが歯髄腔か根管口かが分かり辛くなってしまいます。
盲目的に削っていってしまうと歯の変な所に穴が開いてしまったり(穿孔)、根管形態が変わってしまうなどの偶発症が起こってしまいます。そうすると根管治療の難易度は上がってしまい、治るものも治らなくなってしまいます。
そういった事を起こさない為にもマイクロスコープを併用して治療していくことが重要となります。
 
根管口を確認したら根管へのアプローチを開始します。まずは細い器具を根管へ挿入し、それが本来の根管かどうかを確認します。以前に治療してある再治療の場合は本来の根管とは違う所を掘り進められていることがあります。本来の根管であることや、スムーズに挿入できることが確認できたら、根管口を明示(広げて)していきます。細いままだと治療がしにくくなったり、器具を挿入した際に入り口で干渉して根の先(根尖)まで器具が到達しにくくなってしまいます。
ここまでの一連の作業を根管口明示や根管の上部拡大と言います。
根尖へのアプローチをスムーズに行う上で非常に重要な作業となります。
 
豊島区池袋の倉本歯科医院では歯内療法専門医による根管治療を行っております。マイクロスコープを使用して安心・安全な歯科治療の実施を心がけております。
お悩みの歯などがある場合はご相談ください。
 
2021年10月21日 10:59

根管治療の手順について

ブログ6画像
今回は根管治療の手順の一端について、患者さんがイメージしやすいように書いていきたいと思います。
ここでも初回の治療”再治療”とで治療の手順は変わってきますが、今回は”初回の治療”の最初の段階の話をしていきます。
 
我々が治療する根管は歯の中に存在しているので、まずは歯に穴を開けて神経がある部屋(歯髄腔)にアプローチできるようにします。専門用語を用いると髄腔開拡アクセスキャビティと言ったりします。ここでもマイクロスコープを使用して極力穴を小さくするよう努めます。神経を取った歯は脆くなりやすいと言われておりますが、歯の神経を取っただけでは耐久性は変わらないと言われており、実際に耐久性が下がる一番の原因は歯の量が少なくなったり、歯の厚みが薄くなることが原因だと報告されています。
今までの治療では肉眼や歯科用の拡大鏡を使用していたので、穴を大きくしないと根管の入り口が見えない状況でした。
しかし、必要以上に小さくすることだけを考えていると神経を取り残したり、汚れや虫歯を取り残したり、根管の入り口の見落としに繋がる恐れもあります。なので、最初に削って終わりではなく治療の途中に適宜追加で穴の形態を修正していきます。これをすることによって根管への器具の挿入をスムーズに出来たり、汚れをより取れやすい状態に出来たりします。

精密根管治療と聞くと根管をいかに上手く治療できるかが重要だと思うかもしれませんが、ラバーダム防湿や隔壁、髄腔開拡といった根管を触るまでの過程も大事なのです。
ここの部分を疎かにしてしまいますと結果的に治療回数が伸びてしまったり、思うように治療が進まないこともあります。
ここまでして初めて根管へのアプローチを開始していきます。
このように根管治療にはいくつかのステップがあり、それが次に次に繋がっていきます。
治療を受けられている側の患者さんも今何をしているのか、今日何をやったのか理解しながら治療を進めていければ安心だと思います。
 
豊島区池袋の倉本歯科医院では歯内療法専門医が治療前の説明、治療途中の説明もしっかりと行っております。治療を受ける前でも疑問に思った事や分からない事は遠慮なく聞いてください。
お悩みの歯がありましたら、お気軽にご相談ください。
 
2021年10月20日 16:19

今まで根管治療をやった回数について

ブログ5画像
根管治療をするに至る理由は色々あったかと思います。
虫歯が大きい、歯が欠けた・割れたなどがありますが、そこで根管治療をやったとして症状が消えて日常生活を支障なく過ごすことが出来れば問題がないように感じてしまいがちです。
しかし、その初回の根管治療”が十分な治療であったかどうかは、直ぐには分かりません。
何年かしてレントゲン写真を撮ったら、根の先に膿があると説明を受けることがあるかもしれません。そうなると根管治療の再治療”が必要となります。その再治療で改善すればいいのですが、改善せずに何回も何回も治療を重ねていき、最終的には抜歯に至る場合もあるかもしれません。
専門医がマイクロスコープを使用して根管治療を行った場合、”初回の根管治療”での成功率は80%超、なおかつ感染がない場合では90%を超えるとの報告があります。さらに同じケースでの”再治療”の成功率は約80%ですが、根管の本来の形態が破壊されていると成功率は50%近くまで下がってしまうという報告があります。
ここまでで何が言いたいかというと、根管に介入する治療を受ける回数は少なければ少ないほど予後が良くなる可能性が高くなるということです。
過去に何回も何回も根管治療を受けている場合、やればやった分だけ根管の本来の形態は破壊されていることが多く、なおかつ歯根の厚みも薄くなってしまっていることが多いです。
初回の治療を専門医がマイクロスコープを用いて根管治療を行えば、それを回避できる可能性が高くなります。再治療においても、その介入を少なく出来れば将来的に再治療をするリスクを下げることが出来ます。
 
神経を取らなければならない、根管治療の再治療をしなければならないなどの状態と説明を受けた場合は専門医による歯髄保存治療や根管治療があることを覚えておいてください。
もし、かかりつけの歯科医院がある患者さんの場合は歯髄保存治療や根管治療のみを行い、その後の被せる治療はかかりつけの先生でやっていくこととなります。
 
豊島区池袋の倉本歯科医院では歯内療法専門医による治療を行っております。
お悩みの歯がありましたら、ご相談ください。
 
2021年10月19日 14:45

ラバーダム防湿について(2)

ブログ4画像
今回は再びラバーダム防湿について書かせていただきます。
1回目では書ききれなかった重要なことをまとめていきたいと思います。
 
ラバーダムについては何回か根管治療を受けたことのある患者さんに対しても最初に説明を致しますが、ラバーダムについて知っている患者さんはとても少なく、それを付けて治療を受けた記憶のある患者さんもとても少ないのが現状です。
 
”一般の歯科医師”と”歯内療法の専門学会に所属する歯科医師”を対象にアンケートを実施したところ、”一般の歯科医師”において根管治療時にラバーダムを必ずすると回答した割合は約10%でした。それに対して”歯内療法の専門学会に所属する歯科医師”において根管治療時にラバーダムを必ずすると回答した割合は約50%でした。この結果を見ても分かるように根管治療時にラバーダム防湿を必ずする割合はかなり少ないのが現状です。
日本では、このブログでも1回目で説明させていただいた”再治療”の割合がとても多く、被せ物(クラウン)やその下に付いている土台(コア)を取り除くと、歯肉より上に出ている歯の残りの量が少ないことがとても多いのです。その状態ではラバーダムを装着することが出来ないので、”隔壁”と呼ばれる歯に囲いを作ってラバーダムを装着し治療を行っていきます。この隔壁を必ず作る歯科医師の割合は30~60%程度と報告されています。
 
私は根管治療を精密に行うことは重要なのは間違いないのですが、その根管治療を行う前準備に関してもとても重要だと考えています。この前準備を疎かにすると治療中にラバーダムの隙間から唾液が侵入したり、治療の合間にする仮の詰め物が取れたりと色々不都合なことが多く発生します。
結果的に治療回数が伸びてしまったり、なかなか症状や歯の状態が改善しない事態に陥ってしまいます。
 
豊島区池袋の倉本歯科医院での歯内療法専門医による根管治療では、隔壁やラバーダム防湿をしっかりと行った環境で根管治療を実施しております。
根管治療についてお悩みの方がいらっしゃいましたら、是非ご相談ください。
2021年10月15日 20:47

マイクロスコープについて

マイクロスコープ
今回は歯内療法だけではなく、歯科治療を精密に行う上では必須の器具、マイクロスコープ”について話していきたいと思います。
マイクロスコープとは歯科用顕微鏡のことを指します。歯科の分野でマイクロスコープが使用され始めてから約30年、今までは歯内療法の分野に限られた使用方法でしたが、現在では歯科の分野においても幅広く活用されるようになってきました。
元々、医科の分野では100年ほど前から使用されており、現在では耳鼻咽喉科、眼科、脳神経外科など様々な分野で用いられております。しかし、手術室での使用が大半であり患者さんがマイクロスコープを目にする機会は少なく、さらに、手術時の映像を見ることもほとんどないと思います。
数年前まで歯科におけるマイクロスコープ導入医院の割合は数%でしたが、現在ではかなり普及してきているのを実感いたします。
 
歯科でマイクロスコープを使用する利点は大きく3つあると言われています。

一つ目は拡大
顕微鏡というくらいですから拡大して診ることができ、最大で約20倍近く拡大することが出来ます。一昔前だと状況の確認に使用する程度でしたが、現在ではマイクロスコープの機能も向上したことにより、見ながら診療することができます。これにより不必要な部分を削ることがなくなり、また肉眼では見えない細かい部分の見落としなどもなくなります。

二つ目は照明です。
歯科では無影灯というライトを使用して口の中を照らして診察していますが、歯の細かい部分を観察するのはとても困難です。また、歯科医が使用している拡大鏡にライトが付いていることが多いですが、視線とズレてライトが付いていますので、診たい部分が見にくいことも多々あります。マイクロスコープでは物をみる対物レンズの部分から照明で照らしてくれているので、視線の先がライトで照らされ非常に観察しやすくなっています。

三つ目は記録です。
歯科治療ではどのように治療をしているのか説明を受けてもピンと来ない方が大半だと思います。我々の中ではイメージできることが、それらを見たこともない患者さんにとっては、丁寧に説明されても理解するのは難しいでしょう。マイクロスコープでは記録媒体を取り付けることによって診療中の記録を映像や画像として保存でき、それを用いて治療後に説明することが出来ます。ご自身の歯がどのような状態になっているのか、ご自身の目で見て理解することが出来ます。
かなり簡単ではありますが三つの利点を挙げさせていただきました。
 
マイクロスコープを所持しているだけでは診療の精度を向上させることは難しいです。きちんとその特性を理解し、診療に落とし込めるようになっていることが大切なのです。

豊島区池袋の倉本歯科医院の歯内療法専門医は診療を始めてからマイクロスコープと共に診療を詰め重ねてきており、日本顕微鏡歯科学会の認定医も取得しております。
精密な根管治療、歯科治療をご希望の際は是非ご相談ください。
2021年10月14日 14:18

ラバーダム防湿について

DSC_0161
根管治療で使う器具は大きいものから小さなものまで多々ありますが、これがないと根本的に治療にならないものがあります。
それがラバーダムです。
ラバーダムという単語を聞いた事がある方もいれば、聞いた事がない方もいると思います。
決して”最新の治療手技”という訳ではなく、約150年前から確立している手技なのです。
ゴムのシートに穴を開け、そこから治療する歯を出すことによって、口の中と治療する歯を隔離する為の道具です。
歯科は口の中にある歯を治療しているので、治療中の部位に唾液が曝露してしまうのはある程度仕方がないことです。
しかし、細菌感染に対する治療を行っている歯内療法に関しては、唾液中に存在する細菌に曝露されながら治療を行うことは本末転倒です。
私たちが歯内療法を最初に勉強する際、または学生などに指導する際には必ず伝えている事柄です。
 
ラバーダム防湿を行う利点は他にもあります。一つは“術野の確保”です。口の中での治療は頬っぺたや舌などが邪魔をして術野を確保するのが難しくなります。また小さなミラーを用いて治療を行っているのですが、呼気でミラーが曇ってしまい術野の観察が困難になる場合もあります。ラバーダム防湿を行うことで、頬っぺたや舌を圧排し、口の中から隔離することによって呼気による影響はほぼなくなります。もう一つは“治療用器具の誤飲誤嚥防止”です。根管治療で使用する器具は小さい器具が多く、どんなに気を付けていても何かの拍子に口の中に落としてしまう可能性がゼロではなく、落としてしまうと誤飲*1や誤嚥*2の恐れがあります。そうならない為にも口の中とラバーダムで隔離することによって、そのような事故を確実に防ぐことができます。
 
ラバーダム防湿は細菌感染と戦う歯内療法において最も大切な事であり、また治療中の術野の確保、医療事故等への防止にもなることから、当院では精密根管治療を行う全ての症例に対してラバーダム防湿を行っております。

豊島区池袋の倉本歯科医院では感染制御を徹底し、安心安全な歯科治療を提供しております。
根管治療が必要な歯以外でも歯でお悩みがある際は、是非ご相談ください。
もちろん、歯内療法専門医による根管治療、歯髄保存治療についても受け付けておりますので、お悩みの歯がありましたら、ご相談ください。
 
*1:誤って飲み込んでしまい、食道・胃の方へ流れ込んでしまうこと
*2:誤って飲み込んでしまい、気管・肺の方へ流れ込んでしまうこと

 
2021年10月12日 15:03

根管治療について

ブログ1画像
池袋で倉本歯科医院を開設してから34年、今年から歯内療法専門医による治療を開始したのを機にホームページを作成いたしました。
このブログでは根管治療の事はもちろんのこと、一般歯科や日々の口腔ケアの情報についても発信していこうと思っております。
 
歯内療法、根管治療と聞いても何の治療かピンとこない方もいらっしゃるかと思います。根管治療とは歯の根の治療の総称です。
根管治療は初回の根管治療”(Initial Treatment再治療”(Retreatmentとに分類されます。
一つ目の初回の根管治療”(Initial Treatmentとは、虫歯や歯が欠けることによって歯の神経(歯髄)に炎症が生じた場合に必要となる処置です。この場合の根管治療では歯の神経を取る処置となります。また、歯の神経が無症状の内に死んでしまい感染が生じた際も歯の神経を取る処置が必要となります。このように、まだ誰も歯の神経に触っていない状態での治療を初回の根管治療”(Initial Treatmentと言います。
二つ目の再治療”(Retreatmentとは過去に根管治療をしている歯に対して、再び治療が必要となった場合のことです。再治療が必要となる原因はいくつかありますが、その中でも多いのが歯の中が感染することによって歯の根の先の周囲の骨を溶かし膿を溜め込むことです。このような状態になるとレントゲン写真で歯の根の周りが黒くなります。これは症状がなくても進行していくことが多く、歯医者でレントゲン検査をしたら偶然発見されることも珍しくなく、ビックリされた経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
このように根管治療のような歯の内側の治療を専門にしている歯医者を歯内療法専門医と言います。

豊島区池袋の倉本歯科医院では昭和大学歯科病院、東京医科歯科大学歯学部附属病院において歯内療法を専門に診療していた歯内療法専門医による診療を行っております。
歯に関して、気になること、お困りごと等ありましたら、ご相談ください。
2021年10月11日 11:02

倉本歯科医院

〒170-0013
東京都豊島区東池袋3-7-4
倉本ビル2階

TEL 03-3590-0418
FAX 03-3590-0418

9:30〜13:00
14:30〜18:00

休診:土・日・祝日

月別ブログアーカイブ

2024 (6)

モバイルサイト

倉本歯科医院スマホサイトQRコード

スマートフォンからのアクセスはこちら