根管充填(CWCT法)について
側方加圧根管充填は根尖付近のガッタパーチャポイントの位置決めや緊密な充填が比較的容易なため、世界中で標準的に使用されている根管充填方法です。
しかし、根管の形態は様々であり、その全てを側方加圧根管充填法でカバーするのは限界があります。そこで今回は別の根管充填方法について書いていきたいと思います。
②CWCT法(Continuous Wave of Condensation Technique)
側方加圧根管充填法は側方に力を伝えることで緊密な封鎖を目指した根管充填法に対して、このCWCT法は垂直方向に力を加えて根管充填を行います。広義では垂直加圧根管充填法のカテゴリーに加わっていますが、世界的に垂直加圧根管充填法として広まっているやり方は違う方法なので、この場では垂直加圧根管充填法とは書かず、CWCT法として記載したいと思います。
簡単に書くと、根尖部を先にガッタパーチャポイントで充填して、その上のスペースに軟化したガッタパーチャを充填する方法です。
少し詳しく書いていくと、まず根尖部の直径に適したガッタパーチャポイントを根管内に挿入し、根尖から3-5mm程度の位置で加熱したプラガーで切断します。その際、ガッタパーチャポイントは熱により軟化して根尖部の形態に適合が良くなります。その後、その上のスペースに軟化したガッタパーチャポイントを流し込んで緊密に充填していきます。
側方加圧根管充填法に比べてガッタパーチャと根管壁との隙間を埋めるシーラーの厚みを少なく出来ることが利点で、軟化したガッタパーチャを用いることで複雑な形態の根管でも緊密に充填を行うことが可能です。
デメリットとしては、垂直方向に力を加えるので根尖孔のサイズにしっかりと適したガッタパーチャポイントを用いないと根尖からガッタパーチャが突出してしまうリスクがあります。したがって、側方加圧根管充填法に比べると熟練度が必要となります。
側方加圧根管充填法とCWCT法はデータ的には根管充填法を変えることに予後への影響はないとはされています。しかし、それぞれの充填法の特性を理解し、形態の異なる根管へ適切に選択することで予知性を高めることが出来ると思っております。
豊島区池袋の倉本歯科医院では歯内療法専門医による根管治療、歯髄保存治療を行っております。
お悩みの歯がありましたら、ご相談ください。