倉本歯科医院|歯内療法専門医による精密根管治療|東京都

歯内療法専門医によるマイクロスコープ、歯科用CTを使用した精密根管治療を実施しております。

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根管の消毒  ~しっかりと洗浄できているか?~

今回は根管の消毒について書いていきたいと思います。
 
根管を掃除するためには、ファイルなどの器具を使って掃除する機械的清掃と、消毒液を使って掃除する化学的清掃があります。
台所やお風呂の掃除と同じで、ゴシゴシ擦り洗いするのが機械的清掃で、ハイターなどで消毒するのが化学的清掃です。
大まかな汚れは機械的清掃で綺麗になりますが、器具が届かない場所や掃除をしたカスなどをしっかり洗い流すためには化学的清掃が必須となります。
実際、この化学的清掃を理解してしっかりやっている歯科医師は少ないです。
根管はとても細くて小さいスペースですので、少量で洗い流しても根管内で灌流が起きずただ単に根管内を濡らすだけとなってしまいます。
しっかりとした”量”を用いて洗い流す必要があります。
車の洗車を例に挙げると、スポンジと泡でしっかり綺麗にして水で洗いながす際にバケツ一杯の水でザっと洗い流しても泡や汚れは残ってしまいます。
ホースを用いて水を大量に使うことによって綺麗にします。
ちょろっと洗っただけでは意味がなく、最悪、汚れカスが固まって根管を塞いでしまうこともあります。
車の洗車の際は泡や汚れが目に見えるので、それがなくなるまで洗い流せばいいのですが、根管内は肉眼や拡大鏡ではとてもじゃないですが見えません。
マイクロスコープを使用して根管内を日々観察しているからこそ、化学的清掃の重要性が理解できます。
また、漫然と根管内を洗浄していても汚れが取れていない場合もあるので、根管内のどの部分に汚れや削りカスが残っているのか目視しながら根管洗浄を行うことが大事なのです。
根管内をしっかりと洗浄するには時間も必要となるため、時間に追われてしまう保険診療でも限界が出てきてしまいます。
根管洗浄を含む根管治療は歯内療法専門医による治療を行うことが今後の歯の持ちを左右すると言っても過言ではありません。
 
豊島区池袋の倉本歯科医院では歯内療法専門医による根管治療、歯髄保存治療を行っております。
お悩みの歯がありましたら、ご相談ください。
https://kuramotodc-ikebukuro.com/reservation.html
2022年05月06日 13:30

歯根破折  ~治療法はあるのか~

歯根破折とは歯根にヒビが入っているもしくは、完全に歯根が割れている状態のことを指します。
歯根破折している歯根が感染している場合、治癒するのは困難で基本的には抜歯対象となります。
しかし、歯根破折している部位によっては保存が可能な場合があります。
 
一つは根尖部にのみ限局している歯根破折です。
これは通法の根管治療では治癒せずに外科的根管治療を行った際に発見することが多いです。
外科的根管治療は通法の根管治療では除去しきれない細菌が潜んでいる根尖部を切除することで治癒を目指す治療法なので、根尖部に限局している破折もろとも切除してしまえば保存は可能となります。
 
もう一つは厳密に言うと歯根破折とは少し違いますが、歯冠破折が歯根の上部まで及んでいる場合です。
基本的には歯肉より下深くまであるいは骨縁まで破折している場合は予後を考えて抜歯という判断が妥当となりますが、保存する手がない訳ではありません。
歯肉を整えたり、骨縁を削って相対的に残りの歯質を骨の上に出したり、矯正的に引っ張り上げたりなどが挙げられます。
しかし、どれも全てのケースで適応となる訳ではないので、術前にしっかりと診査することが重要となります。
 
一般的な歯根破折の場合、破折部を削って材料を流して保存を目指す手法も報告がありますが、学術的なエビデンスが乏しいのが現状です。
 
歯内療法専門医としてしっかりと学術的な裏付けがある治療法を提供することを心がけていますので、ご期待に沿えないケースもあります。
そのような場合もしっかりとご説明させていただきます。
 
豊島区池袋の倉本歯科医院では歯内療法専門医による根管治療、歯髄保存治療を行っております。
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2022年04月27日 13:30

歯根破折  ~予防策はあるのか?~

今回も歯根破折について書いていきたいと思います。
 
歯根破折については現在の歯科医療の水準では完全に治癒させる見込みがなく、それに伴った病変が形成されている場合、治療法としては抜歯が妥当である。
しかし、破折線があっても感染が及んでいなければ保存の可能性を示す報告もあります。
その為、破折線を認めた際の対応について苦慮する事も多々あるのです。
歯根破折がある歯の未来は悪くなる一方であり、良くて現状維持というのが現状である。
 
歯根破折を起こした歯として多いのが、上顎小臼歯(上の前から4,5番目の歯)や上下顎大臼歯(上と下の前から6,7番目の歯)で、年齢に関しては40代が一番多いという報告がある。
歯根の形態や咬合力が関係していることが示唆されるので、何が予防策と言われると極論歯を使わないという考えが浮かんでしまいます。
しかし、それは現実的ではないので、やはり出会い頭の車の事故と一緒で気を付けていても起きる時は起きてしまうと割り切る必要が出てきます。
 
歯根破折が起こり抜歯した歯の割合を調べてみると、歯髄(歯の神経)が健康でしっかりしている歯に対して、歯髄が失活(神経が死んでいる)していたり、根管治療が既に行われている歯がほとんどで割合としては約88%でした。
なので、なにか一つ予防策を挙げるとしたら、歯髄を健康に保ち、根管治療が必要となる状態になることを防ぐことです。
 
根管治療が必要となる原因としては虫歯が進行してというのが一番多いことを考えると、歯根破折も患者さんの日々の意識の持ちようで予防できると考えることができます。
 
しかし、実際に歯髄が健康で歯が丈夫な時はそのような事は考えないものです。実際に根管治療による介入を受けて歯根破折と診断された時に初めて耳にするという患者さんがほとんどなのです。
根管治療が必要となった場合には、これからの将来に何が起こりうるのか軽くでも説明をしておいた方が患者さんとしても心構えができると考えます。
その為には、しっかりとした知識を有している歯内療法専門医による根管治療を受けることをお勧め致します。
 
豊島区池袋の倉本歯科医院では歯内療法専門医による根管治療、歯髄保存治療を行っております。
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2022年04月20日 13:10

歯根破折  ~診断方法には何があるか~

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今回も歯根破折について書いていきたいと思います。
 
歯根破折とは読んで字のごとく歯根が割れている状態です。
歯根破折が起きている歯に関してはその後の治癒が期待できないどころか、現在の歯科医療の水準では悪くなる一方ですので、抜歯以外に手がないのが現状です。
 




イメージとしては硬いものを噛んで歯が割れてしまうのを思い浮かべると思いますが、根管治療をしている歯は治療による侵襲などにより治療されていない健康の歯より耐久性が落ちてしまいます。なので、硬いものを噛んでいなくても日々の力の積み重ねにより破折してしまうことがあります。
虫歯や歯周病は歯ブラシなどの日々の清掃によってある程度は予防できますが、歯根破折に関して日々の予防策はありません。
極論を言うと、歯に力が加わらなければ破折のリスクはゼロに出来ますが、それでは歯が口の中に存在する意味がなくなってしまいます。
 
歯根破折の診断には破折線を目視で確認することが必須となります。
もちろん、レントゲン写真や口の中を確認した際に明らかに歯根が割れて分離している所見があれば歯根破折と診断できますが、そのようなケースは稀です。
 
診断方法としては、
・非外科的な探索
・外科的な探索

の二つがあります。
 
非外科的な探索とは通法の根管治療のように、歯の中から破折線の有無を確認します。根管治療の途中で破折線を後付け的に発見してしまうケースもあります。
外科的な探索とは、歯肉を開いて歯根の外側から破折線の有無を確認する方法です。
歯根破折と一言で言っても、破折線の走行によって根管内から観察できる場合と出来ない場合があります。
破折線が歯根の外側から内側まで走行している場合は非外科的、外科的の両方で破折線の観察が可能ですが、外側に破折線が走行しているが内側まで達していない場合は非外科的な探索では破折線を確認することは不可能です。
なので、通法の根管治療で根管内に問題がなかった場合も歯根破折の心配がクリアにはならないのです。
通法の根管治療で治癒せず、外科的根管治療を行った際に破折線を認めるケースもあります。
一言で根管治療といっても、このような状況も頭に入れつつ治療に当たらなければなりません。
その為には、根管治療は歯内療法専門医による介入が重要となります。
 
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2022年04月18日 13:30

歯根破折  ~種類が様々ある~

今回は歯根破折について書いていきます。
 
歯根破折とは読んで字のごとく、歯根が割れていることである。割れているとはヒビが入っている状態から完全に分離するほど割れている状態と様々です。
 
歯根破折と混同されるのが歯冠破折です。
これはどこを起点として破折が起こっているかによって変わってきます。
歯肉より上に出ている歯冠部から破折が起こっているのか、歯根から破折が起こっているのかです。
一般的に患者さんが歯が割れたと言っている状態は歯冠破折です。
虫歯によって歯が脆くなり割れる場合もあれば、外傷によって歯が割れる場合もあり、様々です。
もちろん、歯冠破折が進展して歯根まで達すると歯根破折となります。
 
基本的には歯根破折が確認された時点で、その歯の保存は不可能となります。
理由は様々ですが、現在の歯科医療の水準では長期的な予後が担保できないのです。ある報告によると歯根破折歯を修復したとしてもその生存率は1年で10%ずつ低下していると言われています。
歯根破折歯は今後良くなることはなく、経時的に悪くなっていく一方なのです。
 
歯根破折の種類としては、その起点となった部位によって分類されます。
・歯冠性歯根破折
・根管性歯根破折
・根尖性歯根破折

これを一まとめに歯根破折と呼んでいます。
 
歯根破折の原因は様々で、根管治療が原因となっている場合もあります。適切に根管治療を行ったとしても、歯が口の中に存在する限りは歯根破折のリスクに晒され続けてしまいます。
もちろん、不適切な根管治療を行った場合は歯根破折のリスクは上がると言えます。
一度発生したら取り返しのつかない歯根破折。初回の根管治療がいかに大事か、また歯根破折に対する正しい理解がない場合はそれをより起こしやすい環境を作ってしまう恐れもあり、根管治療は歯内療法専門医による治療をここでも強くお勧め致します。
 
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2022年04月14日 14:00

穿孔封鎖  ~適した材料とは~

今回は引き続き“穿孔”について書いていきたいと思います。
 
穿孔は一昔前だと抜歯の対象となっていましたが、現在では穿孔を封鎖することで歯の保存を可能にする事ができます。
もちろん穿孔の位置や大きさによっては保存が困難となる場合もあります。
 
一昔前までは穿孔を封鎖しても予後不良となることが多く予知性のない治療でしたが、材料の進歩によって予知性を高めることができています。
穿孔とは歯に穴が開いている状態なので、歯の外側にある組織からの出血や浸出液などで材料が固まりづらくなったり、接着性が低下して予後が悪くなります。
 
封鎖をする材料に求められる要件は、
・水分がある状況下で硬化することができる
・歯の外側の組織に対する為害性がない
・封鎖性が担保できる

などが挙げられます。
 
これらを全て満たしている材料が”MTA”と呼ばれる材料です。
MTAとはMineral trioxide aggregateの略で、簡単に言うと水分によって硬化するセメントです。
水分によって硬化するので、周囲の組織からの出血や浸出液の影響は受けません。
また、厚さを確保することによって封鎖性も担保することができます。
そして、一番重要である周囲の組織に対する為害性ですが、MTAは生体親和性に優れた材料として知られており、私の医科歯科大学時代の研究内容もMTAを用いた炎症反応についてなので、かなり詳しく書くことができますが、専門的過ぎるので今回は割愛します。
 
MTAが穿孔封鎖に適した材料というのは歯科医の中では一般的になりつつありますが、材料の特性をしっかりと理解した上で使用することが重要となります。
MTAを使用してもどうしようもない状況があるので、場当たり的に使用しても望む結果は得られません。
歯内療法専門医による治療を受けることがなにより大切なのです。
 
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2022年04月13日 13:40

穿孔  ~いつ発生した穿孔なのかが重要~

今回は前回に引き続き”穿孔”について書いていきたいと思います。
 
穿孔とは簡単に言うと歯の変な所に穴が開いてしまっている状態です。
そのような状態になると穴から口の中の細菌が入ってきたり、歯の強度が下がってしまったりしてしまいます。
一昔前だと穿孔がある時点で抜歯と判断されていた程です。
 
現在では、穿孔部を封鎖することで歯の保存が可能になってきているので必ずしも致命的な状況とはなりません。穿孔の大きさや感染の度合いによっては保存が困難な場合もありますが。
穿孔部を封鎖する上で重要なのが、その穿孔が”いつ起きた”かです。
比較的最近できた穿孔であれば感染などがそこまで進んでいないと予想されますが、かなり昔の処置によって穿孔が起きている場合は感染などが穿孔部の周囲で進んでいる可能性があります。
場合によっては穿孔部周囲の骨が感染による炎症反応によって吸収し膿が溜まっている事もあります。
ただ単に穿孔部を封鎖しても感染を除去できていないと穿孔周囲の歯周組織は治癒しません。
したがって、穿孔に対する処置の際もマイクロスコープを使用するのは必須となり、また穿孔部の状態を適切に診断できる歯内療法専門医による処置が最善となります。
穿孔部周辺の炎症と、根尖部周囲の炎症が連続している場合もあり、必要であれば術前にCTを用いて精密に診断していきます。
穿孔封鎖は根管治療を行う上で治療手順がその分追加となるので、穿孔封鎖を適切に行えても、根管治療が適切に行われていないと本末転倒です。
根管治療を行う時は術前にどんな状態か、どのような事が予想されるかなどしっかりと診査することが重要となります。
根管治療はもちろんの事、歯の変な所に穴が開いていると歯科医師に言われた際は歯内療法専門医の存在を思い出してください。
 
豊島区池袋の倉本歯科医院では歯内療法専門医による根管治療、歯髄保存治療を行っております。
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2022年04月07日 13:40

穿孔  ~起こさない為には~

今回は歯の穿孔について書いていきたいと思います。
 
穿孔とは、歯髄腔や根管と歯根の表面が正常な構造以外の経路で交通している状態です。
簡単に言うと変な所に穴が開いている状態です。
歯科治療によって歯髄腔や根管を探索する際に削りすぎで起こる場合や、根管内での不適切な器具操作によっても引き起こされますが、虫歯や歯の吸収によっても引き起こされます。
歯の神経は年齢や刺激に曝されていると石灰化が進行し、歯の内部を削っていっても歯の神経を見つけることが出来にくく、その結果穿孔を起こしてしまうケースを散見します。
その他にも歯の萌えている向きが傾いている場合にも起こりやすいです。
歯の解剖学的構造を理解していれば穿孔を起こすリスクを減らすことが出来ますが、歯の神経が見つからない状況の心理状態は得てして焦っている状態です。
冷静な判断が出来にくい状況であるがゆえに穿孔は起こってしまいます。
 
根管治療の専門医であれば歯の解剖学的知識もしっかり備えており、なおかつマイクロスコープ下での治療であれば肉眼やルーペでは発見が困難な石灰化した歯の神経も見つけやすくなります。
根管治療において根管へアクセスする窩洞を形成することは、その後の根管治療のし易さや治療の予後にも影響を及ぼす最初の関門です。
その時点で穿孔を起こしてしまったり、無闇に歯を削りすぎたりすることで、より根管治療の難易度は上がってしまいます。
 
理想を言えば、
”誰かが手を付けたが治療が上手くいかないので根管治療の専門医に診てもらう”ではなく、
”最初から根管治療の専門医による治療を受ける”
ということを患者さんが知ってくださっていると本当に助かりますし、ご自身の歯を護ることも出来ます。
この記事が、そのような選択肢を生むきっかけになれば幸いです。
 
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2022年04月06日 13:10

伝達麻酔  ~安全な麻酔~

今回は引き続き伝達麻酔のことについて書いていきたいと思います。
 
従来の歯科で用いられている麻酔は浸潤麻酔と呼ばれ抹消の神経に対する麻酔なのに対して、伝達麻酔とはそれよりも中枢側の神経を麻酔する方法です。
中枢側の神経を麻酔することで、それよりも抹消の神経も麻酔されるので、通常の浸潤麻酔では効果が得られにくい部位に対しても、しっかりと麻酔効果が得られるのが最大の利点です。
しかし、従来の伝達麻酔は神経のかなり近くに針を挿入するため、神経損傷による神経麻痺や周囲の大きな血管を傷つけてしまうリスクもあります。
その為、あまりポピュラーには用いられない手法なのです。
 
当院が採用している伝達麻酔は”近位伝達麻酔”と呼ばれる手法で、従来の伝達麻酔よりも針の刺入点を抹消側にすることで神経損傷や血管損傷のリスクを下げることが出来ます。
 
具体的に書くと、側頭筋と内側翼突筋の間には翼突下顎隙と呼ばれる隙間があります。その隙間に麻酔液を満たすことで、大元の神経への麻酔効果を得ることを目的とします。
もちろん、お口の中からこの隙間は見えないので当たりを付けて針を刺入しますが、少し逸れたとしても筋肉に麻酔されるので、神経損傷や血管損傷のリスクはありません。
また、再度麻酔を追加する際も、一回目の麻酔で周囲の組織は麻酔されているので痛みもないことが利点の一つです。
 
歯科で麻酔を効かせることは安心して治療を受けられるだけでなく、よりスピーディーに治療を進める上でも非常に重要となります。
 
従来の浸潤麻酔で効果が十分得られる際には伝達麻酔は行いませんが、麻酔効果が得られにくい部位の治療の際はオプションとして持っておくと武器になります。
 
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2022年03月30日 13:30

伝達麻酔   ~神経の大元に麻酔をする~

今回は前回の続きで麻酔の話を書いていきたいと思います。
 
通常、歯科で行う麻酔は注射の麻酔(浸潤麻酔)をしています。浸潤麻酔は麻酔針を歯肉に刺し麻酔液を骨に浸透させていきます。歯肉に対する麻酔も同様です。
歯肉に対しては直接麻酔液が流入しているので麻酔効果は間違いないですが、歯に対する麻酔は骨を浸透させるので歯根の位置や骨の厚みによっては麻酔が効きづらい場合が多々あります。
大部分の歯根は頬側に位置しているので頬側に麻酔を打つことで効果が得られますが、下の奥歯(大臼歯)は歯根の先端が骨内の中央から舌側に位置していることが多く、その分骨が厚いので効きづらいことが多いのです。
下の親知らずの一つ手前の歯(下顎第二大臼歯)に関しては、骨の厚みが他の歯と比べて2倍以上ありますので余計に効きづらいのです。
量を多めにしても骨内を浸透するには時間がかかるため、また一度痛みを感じると麻酔効果は得られにくいことから、いくら麻酔を足しても治療中の痛みが取れない経験がある方もいるかと思います。
そのような事を事前に回避するためには伝達麻酔を行う必要があります。
浸潤麻酔が神経の抹消に対する麻酔に対して、伝達麻酔は浸潤麻酔より中枢の神経への麻酔を目的としています。
中枢の神経へ麻酔効果が得られれば、抹消の神経が麻酔が効きづらい位置にあったとしても問題ありません。
 
歯科医師が伝達麻酔を習うのは一般的には下顎孔伝達麻酔という方法です。詳しい方法は割愛しますが、この伝達麻酔にはリスクがあります。麻酔効果を得るための神経に直接刺してしまうと神経麻痺が起こったり、周囲にある大きな血管に麻酔液が流入してしまうと急激に血中濃度が上がってしまい中毒になったり血管損傷のリスクがあります。このようなリスクがあるために下顎孔伝達麻酔は敬遠されがちな麻酔手技となっています。
 
近年(約20年前ですが)、新たな伝達麻酔の方法が発表され当院ではその方法を採用しております。
それは“近位伝達麻酔”と呼ばれる方法です。麻酔効果を目指す神経は下顎孔伝達麻酔と同様ですが、麻酔針を挿入する位置がより抹消側なので近位という用語が付属します。
詳しい方法については後に書いていきたいと思います。
 
当院では、歯内療法専門医の処置時の麻酔に関しては特に気を使っております。根管治療は痛みを伴う処置になることが多いため嫌われがちな治療ですが、しっかりと麻酔効果が得られた状態で治療が出来れば患者さんは安心して治療に望めますし、我々も治療中に余計な気を使わずに治療を進めることができるため、とても効率的なのです。
 
豊島区池袋の倉本歯科医院では歯内療法専門医による根管治療、歯髄保存治療を行っております。
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2022年03月23日 13:30

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