倉本歯科医院|歯内療法専門医による精密根管治療|東京都

歯内療法専門医によるマイクロスコープ、歯科用CTを使用した精密根管治療を実施しております。

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NiTiファイルについて(3)

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前回はNiTiファイルの破折について書かせていただきました。
NiTiファイルに限らず、根管内に入れる金属製のファイルは根管内で破折するリスクが付き物です。その可能性を事前に患者様に説明することで後々のトラブル防止に努めることが大切です。
 
今回はNiTiファイルの種類について書いていきたいと思います。
NiTiファイルの特性としては、超弾性形状記憶・電動ロータリーを使用することによる切削性の向上などがあります。
近年のNiTiファイルの流行としては、NiTiファイルに熱処理を加えて柔軟性を挙げることで破折リスクを下げたり、湾曲が強い根管への使用を比較的容易にするなど各メーカーは工夫を凝らしております。熱処理を加えたNiTiファイルは熱処理の温度によって刃部の色が変化します。メーカーによって色が違う場合が多いですが、色々な色が付いているNiTiファイルを見るのは楽しいものがあります。

また、超弾性・形状記憶の特性から”プレカーブ”と呼ばれるファイルの先数mmを曲げて使用する手法が取れなかったのですが、最近ではそれも可能になってきております。プレカーブをファイルに付与することによって、湾曲が強い根管の探索に有利になったり、”レッジ”と呼ばれる本来の方向とは逸脱している場合にも本来の根管にファイルを挿入することが可能となり根管治療の幅が広がっているのを感じます。
それはファイルの種類を増やせば全て可能になるわけではなく、NiTiファイルを装着する電動ロータリーの機能に依存する部分もあります。

一本のファイルで全ての根管に対応できれば楽なのですが、なかなか難しいのが現実です。それゆえ歯内療法専門医は数種類のファイルを根管ごとに適切に選び使用していくことが求められます。また、選んだファイルをどのような動かし方をするのかも重要となります。新しいファイルが出た際は根管を模したプラスチック製の模型で使用感を確認します。慣れないファイルをいきなり患者様に使用する事は予期せぬアクシデントにも繋がります。
このように歯内療法のみに特化することによって、日々世界における歯内療法の最先端を追いかけ、自身の治療手技のアップデートをしていくことが可能になります。
 
豊島区池袋の倉本歯科医院では歯内療法専門医による根管治療、歯髄保存治療を行っております。
お悩みの歯がありましたら、ご相談ください。
 
2021年11月05日 10:46

NiTiファイルについて(2)

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前回はニッケルチタン(NiTi)ファイルの利点について書かせていただきました。
 
NiTiファイルを使用することにより、根管形態や診療時間的にもスムーズに根管形成が行うことができ、形成した根管形態に合った根管充填材料であるガッタパーチャポイントを使用することにより緊密な根管充填を可能にしてくれます。
 
しかし、そんなNiTiファイルも良いことづくめではありません。使用することによるデメリットも存在します。今回はそのデメリットについて書いていきたいと思います。
 
最も重大なデメリットは何と言ってもNiTiファイルが根管内で突然破折することです。根管内でファイルが破折すること自体はステンレス製のファイルを使用していても起き得る事柄ですが、ステンレス製のファイルの場合はその兆候がファイルの形状を見ることによってある程度予測できます。しかし、NiTiファイルの場合は超弾性や形状記憶といった特性の為、その事前の兆候が出ないまま根管内で使用すると突然破折してしまいます。破折が起きるメカニズムとしては周期疲労やねじれ破折が大部分を締めます。根管内でファイルが破折する可能性があることは治療前に患者様に説明をする必要があります。根管内でファイルが破折しても多くの歯科医院では使用するファイルは滅菌処理しているはずですので悪影響を及ぼす可能性は低いと考えられており、予後に差はないとする論文の報告もあります。なので必要以上に心配する必要はありませんが、除去出来るのであれば除去するに越したことはありません。除去する難易度としては”根管のどこで折れているのか”、”折れて残っているファイルの長さはどのくらいか”によって変わってきます。簡単に除去できる時は数秒で除去できますが、除去が難しい状況の場合もあります。除去することに専念しすぎてしまうと根管内で穿孔(変な所に穴を開けてしまうこと)を起こしたり、根管形態を破壊してしまうリスクがあります。そこを見極めつつ除去が困難な状況の場合は、そのことを患者様に説明を行い、それに対する対応策や今後の方針を相談します。
治療前にしっかりとした治療方針の説明や治療中に起こりえる事柄を細かくはなりますが、一つ一つ説明をしていくことが重要となります。なんの説明を受けていない状態で突然上記のようなことを告げられるとビックリされるかと思います。起こりうる可能性がゼロでない限りは事前に説明を致します。
 
豊島区池袋の倉本歯科医院では歯内療法専門医による根管治療、歯髄保存治療を行っております。治療前にはしっかりとした説明を行い、患者様自身もご納得された上で治療を開始しております。
お悩みの歯がありましたら、ご相談ください。
 
2021年11月04日 17:39

NiTiファイルについて

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前回はステンレス製のファイルについて書かせていただきました。

今回はニッケルチタン(以下NiTi)製のファイルについて買いていきたいと思います。
 

ニッケルチタン(NiTi)と聞けば知っている方もいらっしゃるかと思いますが、ニッケル(Ni)とチタン(Ti)を合わせた合金で、その特性は超弾性と形状記憶です。ニッケルチタン(NiTi)のその特性によりNiTiファイルはステンレス製のファイルと比較して、根管形成している際に根管の方向性を逸脱しにくく追従性が向上しております。
 

NiTiファイルはそれ単体だと切削性はステンレス製のファイルより劣るのですが、電動のロータリーに付けて使用することによって切削性を補っております。電動ロータリーは以前までは時計回り、反時計回りにしか動きませんでしたが、ロータリーの進化により様々な動きを与えることが出来る様になっております。その為、根管の形態に合わせて動かし方の設定を変えることによって、根管に合わせたオーダーメイドの根管治療を行うことが出来るようになりました。
 

もちろん、NiTiファイルが全てをカバーできる訳ではないので、手用で用いるステンレス製のファイルと組み合わせて使用しております。

NiTiファイルの優れている点は上に記述した超弾性、形状記憶、電動ロータリーを使用することによる切削性の向上ですが、デメリットも存在します。

それは次の機会に説明したいと思います。
 

豊島区池袋の倉本歯科医院では歯内療法専門医による根管治療、歯髄保存治療を行なっております。

様々な患者様の歯の根管形態にも幅広く対応する為に、数多くのNiTiファイルも用意しております。

お悩みの歯がありましたら、ご相談ください。

2021年11月02日 11:33

ファイルについて

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前回は根管形成をする目的について書かせていただきました。
今回は実際に根管形成をする器具や注意点について書いていきたいと思います。
 
根管形成はファイルという細い器具を用いて行っていきますが、種類としては”ステンレス製のファイル””ニッケルチタン(NiTi)製のファイル”とがあります。

今回はその中のステンレス製のファイルについて細かく書いていきます。ステンレス製のファイルは昔からある器具で主に手用で器具操作を行います。ステンレスなので強い力で曲げると曲がった状態が維持され、弱い力で曲げると元の形に戻ろうとする力が働きます。根管に挿入する際に注意することは、ほとんどの根管は湾曲しているので太いステンレス製のファイルで器具操作を繰り返すと根管が直線化してしまい本来の根管の方向とは逸脱してしまう恐れがあります。なので、ステンレス製のファイルを用いて何回も何回も繰り返し根管治療を行うと根管の本来の形態が壊され治療成績の低下に繋がります。
ステンレス製のファイルは手用での操作となるので、根管内での器具の動かし方も重要となります。簡単に言うとネジのような形態をしているので、右回りに回すと根管内に入っていく力がかかります。左回りに回すと根管から出ていく力がかかります。大学の学生実習で初めて器具操作を行うと学生はひたすらに右に回し続ける印象があります。それは早く根の先(根尖)に器具を到達させたいという気持ちがそうさせるのだと推察されます。右に回し続けると確かに早く進むのですが、その代償に本来の根管とは違う方向に進めてしまったり、切削片により根詰まりしてしまったり、ファイルが折れてしまったりと様々な良くない事が起こってしまいます。なので、簡単に言うと右左と交互に優しい力で器具操作を行う方法が安心です。実際に根管への追従性を高める器具操作方法はまだあるのですが、それは割愛いたします。
根管の状態によっても器具操作の方法や力加減は考える必要があり、こればかりは経験が必要となります。細いファイルから太いファイルへ順々に使用していきますが、ここでも焦って太いファイルへの移行を早めてしまうと根詰まりを起こす可能性が高くなります。理想的には細いファイル→太いファイル→細いファイルのように根尖までのアクセスを常に確認しながら器具操作を行うとアクシデントが少なくなります。常に根管の形態がどうなっているのか、どのような状況になっているのかイメージしながら治療を進めることが重要となります。なので、根管治療は他の歯科治療よりも時間がどうしてもかかってしまいます。1回の治療時間を削ってしまうと、逆に通院回数が増えたり、なかなか治療が進行しない要因となります。

豊島区池袋の倉本歯科医院では歯内療法専門医による根管治療、歯髄保存治療を実施しております。その際は1回の治療時間を適切に設け、その中で密度の濃い根管治療を行っております。
お悩みの歯がありましたら、ご相談ください。
 
2021年10月29日 14:59

なぜ根管形成が必要なのか

今回は根管治療において最も重要な事の一つである根管形成について書いていきたいと思います。
根管形成、根管拡大、根管の機械的清掃と色々呼び方はありますが、今回は根管形成という単語を使用して書いていきます。前回では細いファイルを使用して根尖までの通路を作ることについて触れましたが、今回はその続きになります。
 
なぜ、根管形成が必要かというと理由はいくつかあります。

一つ目の理由は細いファイルを通しただけでは根管内はキレイになりません。細いファイルで頑張って根管内を通していきますが、根管内の全ての箇所が細いファイルより細い訳ではなく、細い箇所もあれば太い箇所もあります。なので、理想的にはファイルで根管内の壁を全て触るよう器具操作していきますが、現実的には数十%ほどはファイルが触れられない箇所が存在します。ファイル操作による根管内の清掃のことを機械的清掃と言います。機械的清掃では掃除しきれない部分に対しては洗浄剤(消毒薬)を用いて化学的に清掃を行います。

二つ目の理由は細い根管の状態のままだと洗浄剤が根管内に行き渡らないで洗浄出来ない箇所が出てきてしまいます。その為にも根管を洗浄剤が環流しやすい形態や大きさにする必要があります。大きさは大きければ大きいほど洗浄剤は環流しやすく消毒しやすいのですが、根管を必要以上に大きくしてしまうと歯根の厚みが薄くなったり、歯根の根管以外の部分に穴が開いてしまったり(穿孔)、根尖の位置がズレてしまう(トランスポーテーション)など消毒をする以上の弊害が出てしまいます。現状ではそのバランスを取りつつ、歯の状態を考えつつ根管形成を行っております。

三つ目の理由は根管充填をスムーズに行う為です。根管は最終的に根管内を材料で充填してスペースを埋めていきます。その既存の材料を詰めていく為にもある程度規格化された形態や詰めていく為の大きさが必要となります。最終的には根管充填をどのようにするかで根管形成の目標は変わってくると考えております。
 
今回は根管形成の概念について書いていきました。次は具体的にどのような器具を用いて行っているか書いていこうと思います。
 
豊島区池袋の倉本歯科医院では歯内療法専門医による根管治療、歯髄保存治療を行っております。
お悩みの歯がありましたら、ご相談ください。
2021年10月28日 13:09

根管治療の手順について(3)

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前回は根管の入り口に対する処置について書いていきました。今回は根管内の機械的な掃除について書いていきたいと思います。
 
皆さんは根管治療で根の中の掃除と消毒をしていくと歯科医から説明を受けることが多いと思います。
ここでは、細かい部分まで簡単に説明していきたいと思います。
根管の入り口に対する処置(根管口明示、根管の上部拡大)が終わったら、次に”ファイル”という器具を根管内へ挿入していき根尖(根の先端)を目指します。ファイルという器具は細いヤスリのような金属で直径の大きさが0.06mmから約1.4mmまで種類が様々あります。
基本的には細い器具から太い器具へ順々に使っていきます。根尖までの道筋がない状態で太い器具を使用すると根管の方向が変な方向へ逸脱してしまう恐れがあります。なので、細い器具で器具が通る通路をしっかりと確保するのが重要です。根尖までの道筋を確保することはかなり重要になりますので、このポイントが一番時間がかかる時もあります。根管とは形態的に直線のことは少なく僅かに湾曲していたり、大きく湾曲していたり、途中で塞がっていることがあります。いかに根管の形態に沿って根尖までの道筋を作るかが、今後の根管治療の鍵となります。根管の状態によっては根尖への道筋を作る為にファイルを数本から数十本使うこともあります。ファイルの種類もメーカーによって様々で自分が一番使いやすいファイルを選ぶと同時に、根管の状態によって違うメーカーのファイルを使用することもあります。一般の歯科医院では1種類しか置いていない所が多いと思いますが、歯内療法を専門にしている医院ではかなりの種類のファイルをストックしております。
保険の根管治療では保険点数の兼ね合いもあり、このような細かい部分の為に充実した器材を揃えるのは難しいと思います。
歯内療法専門医は患者さんにとって、歯にとって、根管にとって、より良い状態に出来るよう細かい部分までこだわって器具を揃えております。
 
豊島区池袋の倉本歯科医院では歯内療法専門医が根管治療を行っており、上記のような細かい部分の器具まで取り揃えております。
お悩みの歯がありましたら、ご相談ください。
 
2021年10月26日 10:15

根管治療の手順について(2)

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前回は神経(歯髄腔)にアプローチするまでの事についてお伝えいたしました。
今回は根管に対するアプローチについて話していきたいと思います。
 
歯髄の状態や根管の入り口(根管口)の状態は虫歯や嚙み合わせの影響による歯の状態や、ご年齢によっても変わってきます。
健康な状態であれば入り口はハッキリと観察することが出来ますが、虫歯や噛み合わせによる刺激が長期間続いていたり、ご高齢の方の歯の場合は歯髄腔や根管口が狭窄している場合が多いです。
歯髄は刺激を受けるとその刺激からの防御反応として刺激を受けている側から石灰化していき、どんどん狭窄していきます。そうすると、どこが歯髄腔か根管口かが分かり辛くなってしまいます。
盲目的に削っていってしまうと歯の変な所に穴が開いてしまったり(穿孔)、根管形態が変わってしまうなどの偶発症が起こってしまいます。そうすると根管治療の難易度は上がってしまい、治るものも治らなくなってしまいます。
そういった事を起こさない為にもマイクロスコープを併用して治療していくことが重要となります。
 
根管口を確認したら根管へのアプローチを開始します。まずは細い器具を根管へ挿入し、それが本来の根管かどうかを確認します。以前に治療してある再治療の場合は本来の根管とは違う所を掘り進められていることがあります。本来の根管であることや、スムーズに挿入できることが確認できたら、根管口を明示(広げて)していきます。細いままだと治療がしにくくなったり、器具を挿入した際に入り口で干渉して根の先(根尖)まで器具が到達しにくくなってしまいます。
ここまでの一連の作業を根管口明示や根管の上部拡大と言います。
根尖へのアプローチをスムーズに行う上で非常に重要な作業となります。
 
豊島区池袋の倉本歯科医院では歯内療法専門医による根管治療を行っております。マイクロスコープを使用して安心・安全な歯科治療の実施を心がけております。
お悩みの歯などがある場合はご相談ください。
 
2021年10月21日 10:59

根管治療の手順について

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今回は根管治療の手順の一端について、患者さんがイメージしやすいように書いていきたいと思います。
ここでも初回の治療”再治療”とで治療の手順は変わってきますが、今回は”初回の治療”の最初の段階の話をしていきます。
 
我々が治療する根管は歯の中に存在しているので、まずは歯に穴を開けて神経がある部屋(歯髄腔)にアプローチできるようにします。専門用語を用いると髄腔開拡アクセスキャビティと言ったりします。ここでもマイクロスコープを使用して極力穴を小さくするよう努めます。神経を取った歯は脆くなりやすいと言われておりますが、歯の神経を取っただけでは耐久性は変わらないと言われており、実際に耐久性が下がる一番の原因は歯の量が少なくなったり、歯の厚みが薄くなることが原因だと報告されています。
今までの治療では肉眼や歯科用の拡大鏡を使用していたので、穴を大きくしないと根管の入り口が見えない状況でした。
しかし、必要以上に小さくすることだけを考えていると神経を取り残したり、汚れや虫歯を取り残したり、根管の入り口の見落としに繋がる恐れもあります。なので、最初に削って終わりではなく治療の途中に適宜追加で穴の形態を修正していきます。これをすることによって根管への器具の挿入をスムーズに出来たり、汚れをより取れやすい状態に出来たりします。

精密根管治療と聞くと根管をいかに上手く治療できるかが重要だと思うかもしれませんが、ラバーダム防湿や隔壁、髄腔開拡といった根管を触るまでの過程も大事なのです。
ここの部分を疎かにしてしまいますと結果的に治療回数が伸びてしまったり、思うように治療が進まないこともあります。
ここまでして初めて根管へのアプローチを開始していきます。
このように根管治療にはいくつかのステップがあり、それが次に次に繋がっていきます。
治療を受けられている側の患者さんも今何をしているのか、今日何をやったのか理解しながら治療を進めていければ安心だと思います。
 
豊島区池袋の倉本歯科医院では歯内療法専門医が治療前の説明、治療途中の説明もしっかりと行っております。治療を受ける前でも疑問に思った事や分からない事は遠慮なく聞いてください。
お悩みの歯がありましたら、お気軽にご相談ください。
 
2021年10月20日 16:19

今まで根管治療をやった回数について

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根管治療をするに至る理由は色々あったかと思います。
虫歯が大きい、歯が欠けた・割れたなどがありますが、そこで根管治療をやったとして症状が消えて日常生活を支障なく過ごすことが出来れば問題がないように感じてしまいがちです。
しかし、その初回の根管治療”が十分な治療であったかどうかは、直ぐには分かりません。
何年かしてレントゲン写真を撮ったら、根の先に膿があると説明を受けることがあるかもしれません。そうなると根管治療の再治療”が必要となります。その再治療で改善すればいいのですが、改善せずに何回も何回も治療を重ねていき、最終的には抜歯に至る場合もあるかもしれません。
専門医がマイクロスコープを使用して根管治療を行った場合、”初回の根管治療”での成功率は80%超、なおかつ感染がない場合では90%を超えるとの報告があります。さらに同じケースでの”再治療”の成功率は約80%ですが、根管の本来の形態が破壊されていると成功率は50%近くまで下がってしまうという報告があります。
ここまでで何が言いたいかというと、根管に介入する治療を受ける回数は少なければ少ないほど予後が良くなる可能性が高くなるということです。
過去に何回も何回も根管治療を受けている場合、やればやった分だけ根管の本来の形態は破壊されていることが多く、なおかつ歯根の厚みも薄くなってしまっていることが多いです。
初回の治療を専門医がマイクロスコープを用いて根管治療を行えば、それを回避できる可能性が高くなります。再治療においても、その介入を少なく出来れば将来的に再治療をするリスクを下げることが出来ます。
 
神経を取らなければならない、根管治療の再治療をしなければならないなどの状態と説明を受けた場合は専門医による歯髄保存治療や根管治療があることを覚えておいてください。
もし、かかりつけの歯科医院がある患者さんの場合は歯髄保存治療や根管治療のみを行い、その後の被せる治療はかかりつけの先生でやっていくこととなります。
 
豊島区池袋の倉本歯科医院では歯内療法専門医による治療を行っております。
お悩みの歯がありましたら、ご相談ください。
 
2021年10月19日 14:45

ラバーダム防湿について(2)

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今回は再びラバーダム防湿について書かせていただきます。
1回目では書ききれなかった重要なことをまとめていきたいと思います。
 
ラバーダムについては何回か根管治療を受けたことのある患者さんに対しても最初に説明を致しますが、ラバーダムについて知っている患者さんはとても少なく、それを付けて治療を受けた記憶のある患者さんもとても少ないのが現状です。
 
”一般の歯科医師”と”歯内療法の専門学会に所属する歯科医師”を対象にアンケートを実施したところ、”一般の歯科医師”において根管治療時にラバーダムを必ずすると回答した割合は約10%でした。それに対して”歯内療法の専門学会に所属する歯科医師”において根管治療時にラバーダムを必ずすると回答した割合は約50%でした。この結果を見ても分かるように根管治療時にラバーダム防湿を必ずする割合はかなり少ないのが現状です。
日本では、このブログでも1回目で説明させていただいた”再治療”の割合がとても多く、被せ物(クラウン)やその下に付いている土台(コア)を取り除くと、歯肉より上に出ている歯の残りの量が少ないことがとても多いのです。その状態ではラバーダムを装着することが出来ないので、”隔壁”と呼ばれる歯に囲いを作ってラバーダムを装着し治療を行っていきます。この隔壁を必ず作る歯科医師の割合は30~60%程度と報告されています。
 
私は根管治療を精密に行うことは重要なのは間違いないのですが、その根管治療を行う前準備に関してもとても重要だと考えています。この前準備を疎かにすると治療中にラバーダムの隙間から唾液が侵入したり、治療の合間にする仮の詰め物が取れたりと色々不都合なことが多く発生します。
結果的に治療回数が伸びてしまったり、なかなか症状や歯の状態が改善しない事態に陥ってしまいます。
 
豊島区池袋の倉本歯科医院での歯内療法専門医による根管治療では、隔壁やラバーダム防湿をしっかりと行った環境で根管治療を実施しております。
根管治療についてお悩みの方がいらっしゃいましたら、是非ご相談ください。
2021年10月15日 20:47

倉本歯科医院

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