倉本歯科医院|歯内療法専門医による精密根管治療|東京都

歯内療法専門医によるマイクロスコープ、歯科用CTを使用した精密根管治療を実施しております。

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根の先の炎症について   ~免疫担当細胞の働きとは~

今回は根の先(根尖)の炎症について書いていきたいと思います。
 
根尖部の炎症は根管由来や歯周病由来の細菌によって引き起こされます。
以前にも書かせていただきましたが、細菌がいなければいくら骨が減ろうが、歯に亀裂が入ろうが炎症反応は生じません。
 
細菌による刺激により免疫担当細胞がその刺激に対応しようとして炎症反応が生じるので、実際は炎症反応とは生体防御の一環なのです。
しかし、その生体防御によって痛みや腫れが生じてしまうので、炎症とはネガティブなイメージがつきやすいです。
 
具体的には、私が東京医科歯科大学の大学院で研究していたマクロファージなどの免疫担当細胞が根尖部の炎症反応の中心にいます。
マクロファージなどの免疫担当細胞は細菌などから刺激を受けるとサイトカインなどの炎症性メディエーターを産生し周囲の細胞に細菌から攻撃を受けていることを伝えます。
それによって生体を防御するための炎症反応が起こる場所が必要となります。
根管が細菌に感染しているのに周囲の骨が溶けていくのはマクロファージなどの免疫担当細胞から指令を受けた破骨細胞によって引き起こされます。
骨がなくなったスペースで炎症反応が進むことで、細菌との戦いによって好中球などの血球成分の死骸によって膿が溜まってくるのです。
 
イメージとしては、根尖部の周囲に溜まっている膿を出せば治るように感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、それはただ単に戦場に溜まっている血球成分の死骸などを外に出すだけなので症状緩和には繋がるかもしれませんが、根本的な治癒には至りません。
 
我々歯内療法専門医にできることは、細菌の数を減らして生体の防御反応のみで根尖周囲の環境が元に戻ることを手助けすることなのです。
しかし、その細菌が複雑に入り組んだ根管内に潜んでいるので治療が難しくなってしまいます。
様々な器具や消毒薬などを駆使して、根管内の細菌をいかにゼロに近づけられるかが肝となるのです。
 
豊島区池袋の倉本歯科医院では、歯内療法専門医による根管治療、歯髄保存治療を行っております。
お悩みの歯がありましたら、ご相談ください。
https://kuramotodc-ikebukuro.com/reservation.html
2022年01月20日 13:10

根の先の膿の原因となる細菌  ~日頃の口腔清掃が大切!?~

根管が細菌に感染すると根の先に膿(根尖病変)ができてきてしまいます。
 
虫歯であれば一般的な虫歯菌と呼ばれる細菌だったり、歯周病であれば歯周病を惹起させる細菌というのがある程度特定はされています。
しかし、根尖病変を起こす細菌については特定されておらず、口の中に存在する全ての細菌がその可能性を秘めています。
 
通常であれば生体内に存在していても問題にならない細菌も、異常に数が増えてしまったり、宿主の免疫が下がったりすると身体に害を及ぼすようになります。
それを”日和見感染”と言います。
根尖病変は何らかの原因で細菌が根管内に侵入し、増殖し、生体に害を及ぼしている状態なのです。
 
虫歯を予防すれば、そこから進行する行先にある根尖病変も予防できる。
歯周病を予防すれば、そこから波及する行先にある根尖病変を予防できる。

 
このように、口の中の環境をしっかり清掃し整えることによって様々な事が予防できるのです。
 
日々のご自身の清掃をしっかり行っていただき、それでもケアしきれない部分に関しては我々がお手伝いし、それでも重箱の隅を突くように発生してしまう問題に対しては早期発見、早期治療を行うことによって歯を大きく削ったり、歯を支えている骨が吸収してなくなってきてしまうことを防ぐことができます。
 
治療が必要になった際はしっかりと治療を進めさせていただきますが、治療が必要なく定期的なメインテナンスで済むのであれば、我々もそれに越したことはないと思っております。
痛くなったら歯医者に行くのではなく、痛くならないように歯医者に行くように考えていただけると助かります。
 
少しでも気になることがあれば歯科医院の受診をお勧めいたします。
 
豊島区池袋の倉本歯科医院では、歯内療法専門医による根管治療、歯髄保存治療を行っております。
お悩みの歯がありましたら、ご相談ください。
もちろん、治療以外の検診や歯のクリーニングも実施しておりますので、お気軽にご相談ください。
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2022年01月19日 13:30

歯の黒い部分は全て削る必要があるか?

今回は虫歯について書いていきたいと思います。
 
皆さんは歯が黒くなったら、真っ先に虫歯を疑うのではないでしょうか?
もちろん、お茶やコーヒー、タバコなどによる着色でも歯の色は変化しますが、歯が黒い部分が虫歯ではないかと来院される方はそれなりにいらっしゃいます。
 
虫歯かどうかの検査としては、歯科医師による視診、レントゲン検査など、また必要あればそれ以外の検査を併用して虫歯かどうかを判断していきます。
歯が黒くなった部分が虫歯であっても歯を削る必要がない場合もあるのです。
 
我々が虫歯と診断して歯を削って治療するかどうかは虫歯の深さ(進行度)によって判断します。
・エナメル質に限局した初期虫歯
・象牙質まで達している虫歯
・歯髄まで達している虫歯
大まかにはこのように分類します。
 
歯を削るかどうか悩むケースはエナメル質に限局している虫歯で、一般的に初期虫歯と呼ばれる状態です。
日本歯科保存学会は虫歯治療のガイドラインを出しており、初期虫歯に関しては歯の清掃性がしっかりされている状況であればフッ素塗布を推奨しており、それにより虫歯の進行を止め、歯の再石灰化を促します。
しかし、歯にフッ素を塗布するにあたって、周囲の歯に汚れが付いていないことが前提となりますので、まずは歯科衛生士による歯磨き指導であったり、歯のクリーニングを徹底的に行います。
 
ご自身では見えない部分が初期虫歯となっている場合、気付かずにそのまま放置してしまうと虫歯はドンドン進行していき、歯を削る量が増えたり、最悪歯を抜く必要が出てきてしまいます。
 
歯科医院が定期的な検診を勧める理由としては初期虫歯を出来る限り早い段階で発見し、なるべく歯を削る量を減らしたいと考えているからなのです。
小さい虫歯であっても、虫歯がある所によっては健康な部分を削らないとアプローチできない場合があり、そのような治療を繰り返すことによって歯の神経を取る処置が必要になったり、最悪歯を抜かなければならない状態に近づいてしまいます。
 
当院は歯内療法専門医が根管治療や歯髄保存治療を行っておりますが、同時に日本歯科保存学会の認定医であり、日本顕微鏡歯科学会の認定医も取得しております。
歯を削るような治療の介入が必要ない場合にはそのようにご説明し、口腔清掃指導や歯のクリーニングを実施しております。
気になる歯があったり、お悩みの歯がありましたら、お気軽にご相談ください。
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2022年01月13日 13:10

顔が大きく腫れた  ~口腔外科の受診が必要になる!?~

今回は根の先の炎症が原因による腫れについて書いていきたいと思います。
 
レントゲン写真で根の先に黒い影がある場合、慢性炎症が存在していることになります。
それがずっと慢性炎症のままであれば大きく腫れることもないのですが、体調が優れなかったり、免疫が下がったタイミングでその炎症が急性化する場合があります。
慢性炎症が急性化した時は、何もしないでもズキズキ痛んだり、物を噛めないくらい痛んだり、歯肉が大きく腫れたり、顔の形が変わるくらい大きく腫れてしまう事もあるのです。
 
腫れの状態によっては歯科医院で応急処置をすることで一時的に炎症を鎮めることができます。
例えば、歯肉が大きく腫れていて触るとブヨブヨする感じがある場合は、歯肉の直下に膿が溜まっているので、切開して膿を出すことで症状の緩和を図ることができます。
また、被せ物が入っている歯であれば嚙み合わせの調整や、被せ物を外して、噛んだ際の刺激を取り除くことによって炎症の鎮静化を図ることもできます。
 
しかし、歯科医院での応急処置では解決が困難なケースもあります。
それは、顔の形が変わるほど大きく腫れてしまった場合です。
身体の中には”隙”と言われるスペースが数多く存在します。その隙に炎症が波及することで大きく腫れあがってしまいます。
そのような場合、まずはお薬での応急処置となりますが、飲み薬だけでは効果がないことが多いため、その場合は大きな病院の口腔外科の受診を勧めます。
一般の歯科医院では侵襲が大きくて処置できない場合も、しっかりと専門医に診てもらうことで対処します。
 
ご自身の判断だけでは受診が難しい場合もありますので、まずは歯科医院で診査、診断を受けてから必要あれば紹介状を貰う流れが無難かと思います。
まずは急性化した炎症を鎮めることを第一優先とし、炎症がある程度治まってから根本的な治療のご相談となります。
状況が分からない場合はお電話でも結構ですので、まずはご相談ください。
 
豊島区池袋の倉本歯科医院では歯内療法専門医による根管治療、歯髄保存治療を行っております。
お悩みの歯がありましたら、ご相談ください。
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2022年01月12日 13:30

根管の形態  ~根管治療にマイクロスコープは必須なのか~

今回は根管治療を行う上では切っても切り離せない根管形態について書いていきたいと思います。

根管治療の意義の一つである”感染の除去”を徹底的に行うには、根管形態をしっかりと把握することが重要となります。
歯科医から説明を受ける際には”神経の管”のお掃除と言われることが多いことから、根管とは一直線の管とイメージする方が大半だと思います。
しかし、実際の根管は歯根内を網目のように張り巡っている場合もあり、全ての根管を器具で触れることはほぼ不可能なのです。
 
そこで我々が目指す最善の根管治療とは器具が到達できる範囲、消毒薬が届く範囲の感染を徹底的に除去することです。
その為には、マイクロスコープを使用して拡大視野下、適切な照明による明視下での根管治療が必要不可欠となります。
 
見えない部分をイメージだけで治療すると、歯質を余分に削ってしまったり、歯根の変な所に穴を開けてしまったり、感染をより多く取り残してしまいます。
そうすると治癒する見込みがある歯でも治癒できず、ゆくゆくは抜歯となってしまう恐れがあります。
 
具体的には、どのような根管形態に注意しているのか簡単に紹介します。
 
一つ目は、イスムスやフィンと呼ばれる形態です。
根管と根管の間には独立していることもありますが、バイパスのような構造で連結している場合があります。それがイスムスと呼ばれる構造です。
また一つの根管の脇に張り出している構造のことをフィンと呼びます。
これらの形態を清掃する際は積極的に器具をグリグリ挿入することはしませんが、細かく切削できる器具で注意深く清掃していき、消毒薬を行き渡らせることが重要となります。
イスムスやフィンと呼ばれる構造はとても細かい部分となるので、ここの清掃の際にもマイクロスコープの使用は必須となります。
 
二つ目は、根尖部の分岐や側枝と呼ばれる構造です。
根管は一本道ではなく脇道に逸れて分岐している場合もあります。この場合も器具を挿入できるケースは少ないので、消毒薬にて徹底的に消毒していきます。
 
このように細かい部分の感染の除去を適切に行うことで、治癒に導くことができるのです。
 
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2022年01月07日 13:30

根管治療後の被せ物  ~被せ物をしないと予後に差がある!?~

今回の記事が今年最後の投稿となります。
2021年10月からホームページを開設してから、歯内療法専門医として根管治療や歯髄保存治療についての意見や、学術的な内容を患者さんにお伝えする目的で書いてきました。
まだまだ、細かい所やお伝えしたい内容はたくさんありますので、来年2022年も引き続き継続して書いていこうと思っております。
これらの記事が患者さんの目に止まり、少しでも根管治療や歯髄保存治療について理解が深まれば幸いです。
 
今回は根管治療後の被せ物の必要性について書いていきます。

根管治療を行った歯のほとんどは被せ物(補綴治療)が必要となります。
しかし、犬歯までの前歯3本に関しては残存歯質の量によっては根管へアクセスした穴のみ最終的な充填材料で塞ぐ事も多々あります。
実際、犬歯までの前歯3本に関しては、被せ物のあり・なしでは予後に差はないとの報告もあります。
その状況に応じて適切に判断していきますので、ご安心ください。
 
しかし、臼歯部と言われる奥歯に関しては話が変わってきます。
上の報告と同じ論文にはなりますが、小臼歯と大臼歯部では被せ物をした群はしなかった群と比べて予後が良かったとの報告があります。
これも根管治療をする原因となった虫歯の大きさや、既に被せ物が入っていることが多い再治療の場合か、などによって被せ物の必要性は変わってきます。
 
一見すると残っている歯の量が十分に見えても中をくり抜いて根管治療しているので、歯の残っている部分の耐久性が著しく低下していることがあります。
歯と材料との隙間や、将来的に残っている部分の歯が欠けてきてしまうと再感染の危険性があります。
そうなると、せっかく精密な根管治療をしても、その時の治療が全て無駄になってしまいます。
 
歯を削る量が多くなる被せ物の治療は抵抗がある方が多いかと思いますが、無駄に被せ物を勧めている訳ではなく、ちゃんと理由があることは知っておいていただけると幸いです。
もちろん、残っている歯の量や咬む力のかかり方を考慮して、被せ物の治療が不要な際はそのように説明いたします。
疑問に思ったことはその場で聞いていただければ、答えられる範囲ではお答え致しますので遠慮せず質問してください。
 
 
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2021年12月28日 16:47

外科的根管治療 ~根管治療で治らなくてもまだ大丈夫!?~

根の先に膿がある(根尖性歯周炎)場合は根管治療によって治療を進めていきますが、稀に根管治療のみでは治癒反応を認めずに治癒しないケースがあります。
 
そう判断する根拠は様々あります。
例えば、
膿の出口(瘻孔)が根管治療によって消失しない
根尖部からの排膿や浸出液が止まらない
根尖部の根管に問題があり治癒が見込めない
細菌が根の先から外に出て根管内からでは除去できないと見込まれる
土台の芯棒(ポスト)が太く長く挿入されており除去するのに危険を伴う可能性がある
新しい被せ物をしたばかりでどうしても壊して外したくない

などが挙げられます。
 
このような場合は、歯の上からアプローチをする通法の根管治療に加えて、直接根の先(根尖)にアプローチをする”外科的根管治療”を検討します。
 
外科的根管治療については以前の記事でも紹介していますのでご覧ください。
 https://kuramotodc-ikebukuro.com/blog_articles/1639011525.html
 
外科的根管治療を行うにあたり、最も重要な事は術前の診査です。
根管内の状況は通法の根管治療の際に把握していますが、それでは見えない部分、例えば、膿による骨への浸食の程度や骨の厚み、歯根の状態などを考慮して、外科的根管治療を行い治癒が見込めるかどうかの判断が大切なのです。
 
外科的根管治療の成功率は90%ほどで成功率の高い治療法ではありますが、それは術前の診査を適切に行い、適応症を見極めているのも関係しています。
 
しかし、根管治療を長期間行っていても治癒しないケースでも、いきなり外科的根管治療を行っても予後が悪い場合があります。
それは根管上部の感染を適切に除去しきれていない場合です。
外科的根管治療は根の先(根尖部)にしかアプローチできない為、術前の根管治療が適切に行われている点も予後に関係してきます。
 
いきなり外科的根管治療を行うケースは稀で、まずは歯内療法専門医による通法の根管治療をしっかり行ったうえで、それでも治癒しないケースに関して外科的根管治療が検討されます。
その歯がしっかりと治癒できる道筋に乗っているかがポイントとなります。近道はないのです。
 
いきなりご自身で判断なされずに、まずは歯内療法専門医に相談するのをお勧めいたします。
 
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2021年12月23日 13:40

歯髄を保存する ~後々になって問題になることがある!?~

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歯の神経(歯髄)を取らなければならない理由は、虫歯、歯の破折、歯髄が失活しているなど様々です。


しかし、一昔前だと虫歯が歯髄に近いような場合も予防的に歯髄の除去を行っていました。
それは、その時は良くても後々になって歯髄が失活し、感染し、根の先に膿(根尖性歯周炎)ができると悪い方向に徐々に進んでいってしまうことが多かったからです。

最近では歯内療法専門医が過去の論文のデータを元にした術前診査ラバーダム防湿などによる術中の感染制御マイクロスコープを使用し歯髄状態の診断を行い、また、歯髄に貼付する歯科材料の進歩などにより、歯髄を無暗に除去せずになるべく温存する流れになっております。
 
もちろん、歯髄を保存できれば保存するに越したことはありませんが、歯髄保存を導入してから数十年経ち問題点もいくつか挙がってきております。
 
最も多く遭遇するケースは歯髄腔、根管の狭窄”です。
 
歯髄は外部からの刺激によって、その周囲から石灰化を起こしていきます。この石灰化は歯髄保存を行った際には治癒に有利に働くのですが、将来的に問題が起きてしまい根管治療を必要とする際は障害物となってしまうのです。
歯髄保存を担当した歯内療法専門医が継続してその歯を診ることが出来れば問題となることも少ないとは思うのですが、専門医でない歯科医師が歯髄腔、根管が狭窄した根管治療をやろうとすると難易度が高くなってしまい、理想的に治療できないケースも出てきてしまう可能性もあります。
そうならない為にも、根管治療が必要と言われた際には歯内療法専門医による根管治療や歯髄保存治療があることを頭の片隅に留めておいていただきたいと思います。
 
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2021年12月22日 13:30

歯の歯冠側からの再感染 ~仮の蓋をしていても感染してしまう!?~

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根管治療によって感染源の除去が行われた根管に対して根管充填が行われた後に、歯の上の方から(歯冠側)から根管内へ微小漏洩が生じ、口の中の細菌が侵入することによって根管が再感染または再汚染することで、根の先の膿(根尖性歯周炎)が再発してしまうことがあります。



 

この歯冠側からの漏洩を”コロナルリーケージ(歯冠漏洩)”と言います。
 
コロナルリーケージは詰め物、被せ物の精度の問題以外にも、根管充填後に最終的な被せ物までの期間が遅延したり、根管内部に使用したセメントなどの材料の劣化も原因となりえます。
 
治療の合間には再度根管へアプローチがしやすいように仮の蓋(仮封材)をしていますが、患者さんのご都合などにより治療が長期間中断してしまうケースがあります。
仮の蓋(仮封)については以前の記事を参照ください。
https://kuramotodc-ikebukuro.com/blog_articles/1637159233.html
 
その際、事前にお伝えしていただけると長期間仮封状態でも問題がないように処置を致しますが、そうでないと細菌の微小漏洩が生じて清掃、消毒を行った根管が再度汚染されてしまいます。
私が過去に遭遇したケースでは、根管治療の途中でご来院が半年ほど途絶えてしまい、次に来院された時には歯の残りの部分に虫歯が拡がってしまい保存することが不可能となった事もあります。
それは根管充填後でも同じことが言えます。
根の中を最終的に詰めたと説明されていても、上には仮の蓋が入っている状態だと長期間の放置によって口の中の細菌は容易に再侵入して再感染してしまいます。
 
私が大学病院に勤務していた際は根管治療を行う科と被せ物を行う科が分かれていることがほとんどでしたので、根管充填後にある程度期間が開いてしまってもいいように仮の蓋を二重にするなど工夫をしておりました。
 
この記事でお伝えしておきたい事としては、何らかのご都合で治療が中断してしまうのは仕方がないとは思いますが、状況によってはそのまま放置してしまうことで歯の保存が困難になってしまうケースがあるため、事前にお伝えしていただける状況であればお伝えしていただき、あるいは急に長期間来院することが難しい状況になっても対応策をお伝えできる場合もありますので、その時にご連絡いただけると安心できるかと思います。
 
術前の歯の状態もそうですが、治療中の歯の状態についてもご不安な点やご不明な点があればご自身で判断することなく、遠慮なく当院までご連絡いただければと思います。
 
豊島区池袋の倉本歯科医院では歯内療法専門医による根管治療、歯髄保存治療を行っております。
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2021年12月20日 13:00

根管治療の成功率 ~影響を与える要因とは~

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根管治療は歯内療法専門医が適切に治療を行えば成功率の高い治療法ではありますが、その成功率に影響を与える要因は過去に数多くの論文による報告があります。
今回はそれを簡単に紹介していきたいと思います。
 
根管治療の術前、術中、術後の状態や要因によって分けることができるため、今回はそのように分けていきます。



 
①術前の要因
・歯の神経の状態
   生きている神経感染し死んでいる神経
 
・レントゲン上での根の先の黒い影(根尖透過像)
   根尖透過像なし根尖透過像あり
 
・根尖透過像のサイズ
   5mm以下5mm以上
 
・初回治療か、再治療か
   初回治療再治療
 
②術中の要因
・根管充填の質
   根の先から2mm以内で根管充填されている>根尖をオーバーした根管充填、2mm以上根の先から離れて根管充填されている
 
③術後の要因
被せ物
   ・歯の残りを全て覆うクラウンその他の被せ物、詰め物
   ・適合が良い被せ物適合が良くない被せ物
 
これらの因子が根管治療の成功率に影響を及ぼすことが報告されています。
 
根管治療の成功率を上げるのに適した歯の状態は、”感染のない歯で、根の先に黒い影がなく、初回の治療である”ということが分かります。
 
痛みや腫れが出てしまっている場合は既に感染が生じている可能性が高くなります。
歯や歯肉が痛くなったら歯科医院に受診するのではなく、定期的なメインテナンスを受けることによって問題が大きくなり予後に悪影響を与える前に治療介入をした方が良いことが分かります。
 
もし、ご自身での判断が不安な場合は当院にて歯内療法専門医が診査・診断し、治療介入が必要な状態か否かを判断致しますので、ご相談ください。
治療介入が必要ない状態であれば治療を進めることは致しませんので、ご安心ください。

 
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お悩みの歯がありましたら、まずはご相談ください。

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2021年12月17日 13:40

倉本歯科医院

〒170-0013
東京都豊島区東池袋3-7-4
倉本ビル2階

TEL 03-3590-0418
FAX 03-3590-0418

9:30〜13:00
14:30〜18:00

休診:土・日・祝日

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